Ç86



Ç86 - V.A. (2012)

2011年暮れ、モスクワクラブの発案で
当時、音源のフィジカルリリースを未だしていない、ネットで音楽を公開しているだけの
日本のインディーミュージシャンを集めたフリーダウンロードのV.A.コンピレーションを
WEB上で発表しようという企画が持ち上がった。

自分は現ENSとしては最初の3曲入りEPおよびGolden Minorを発表していただけの状態で、
(いずれも現在は公開してません、昔すぎてっ。Golden Minorは
ココのコレ[SHR 15: VA The Sun Rises In the East]に入ってるみたいだけど
CDの実在を確認したことがない)
今はなき旧・渋谷ECHOにてSUPER VHSの入岡くんと共にモスクワクラブのケーズ君
(この呼称は個人的には違和感しかないが、本人が一切の正体を明かさないように
バンドを運用しているフシがあるので便宜上こう記述する)
に声をかけて貰い、企画段階から発表までの全行程において中核メンバーとして携わる事に。

作品タイトルはNME主宰の伝説的ギターポップコンピC86のオマージュで
(近年RSDで再発された)、また極力、
参加アーティストの拠点が日本全国に散らばっている方が好ましいとのコンセプトもあり、
最終的にこのようなセレクションに落ち着く。

旧GVVC的にお馴染みである面々の他にも
Occult You(正体があの人である事は公然の事実、というか音聴きゃわかる)や、
このあと大きく飛躍し、今、もはや地位を確立したmadegg氏(改名したのかな?)、
Ç86のデザイン面を担った福岡のBreezesquadくん、
米子の狂犬ことfigureさん等々(まもなくSauna CoolからEPをリリースします!)
今見てもなんだか実に面白いメンツである。

音源以外にもかなり手の込んだデジタルブックレットに、あのボートラと、
ここら辺の遊び心は本当、ケーズ君らしいので是非DLしてみて欲しい。
発表の場所としてGVVCとしてはbandcampを提供させてもらったので当時、
ENSが主宰ではとの声も一部あったが実質的な発案・企画は紛れもなくケーズ君である。

Ç86の公開にあたっては、完全にout of the blueのコンタクトであったにも関わらず
International Tapesのルークが全面的に協力してくれ、
International TapesだけでなくAdHoc上でも記事がアップされた。
(インターナショナルテープスはミックステープのblogとして生まれ変わったため
過去の記事は消滅してますが、アドホックのものはまだ見れるのでぜひ)

*2019年追記
AdHocのリニューアルによりオリジナルの記事が消滅しましたが、
Internet Archive(魚拓的なもの)でキャッシュが残っているので見れます

余談だがAdHocの記事公開のツイートはDent May本人にLikeされている
(今も残ってんぞ!)

当時、世界的に個人がやっている零細音楽ブログの勢いが最盛期で、
世界中で、皆がまだ見つけられていないグッドミュージックを
我先にと、こぞって発掘しあっている空気感があり
このÇ86の試み自体は、その潮流を敏感に意識し、世界と同調した
国内初のものであったことは間違いなく(それでも世界に対しては大きく遅れていたが)
もう二度と起こらない、唯一無二の記録として色褪せることはない。