トバイアス・ジェッソ・ジュニアが10年以上ぶりとなるフルアルバム(2nd)をアナウンスし最初の先行曲をビデオ公開。意味不明にダコタ・ジョンソンとライリー・キーオが出演してます。
True Pantherからアルバム1枚出しただけで勢いプロデューサー、作曲家としてメインストリーム方面でも大活躍しグラミー作家にまで登り詰めるいうと衝撃的な出世ぶりで、もう自分の音楽には戻ってこないかと思ってましたが遂に出るようです。
内容の方ですが今回も基本的にピアノ弾き語りがベースになっているようで、このリード曲も最後以外はシンプルにピアノマンしておりますが、さすが濃密な10年超を経て熟成させ成長を詰め込んだだけのことはあるクオリティで、えも言えぬ説得力と深みのある歌唱、楽曲クオリティになってますね。
ちなみに後半の破壊的なドラムはビデオでのお遊びではなくオリジナル音源にガチで入ってるんですがどう考えてもいらんし、せめてもう少し普通のミックスにして欲しい。折角イイのに勿体ないというか、そういう小細工が必要なレベルの人ではないでしょう。そこでマイナス。
Avalon Emerson & the Charm – Eden
アヴァロン・エマーソンがバンドプロジェクトの単発ニューシングルをリリースしビデオ公開。
一応名前は使い分けてるようで今回はザ・チャームを引き連れたテイでの続編ということで2023年アルバムの延長線上となりますが、あくまでもシンセポップとかニューウェイブ的なモノ止まりのテイストであった前作アルバムからさらにバンド的な方向性に舵切っており、さすがにオルタナは無いですがインディ・ダンスとかその辺までは来てるかも。
やはり畑が違うDJ本業がこういうことやりはじめると前作みたいな雰囲気になるというのはあまりにも想定内というか、ある種、型通りだし、少なくともこれくらいはやってほしいかなと。まだまだエディット感もの凄いし身体性を獲得してほしいですね。でも面白いと思う。
なお単体名義だったデジタルオンリーの直近EPに引き続きDead Oceansからのリリースになってます。
Opal Mag – Wasting
UKブライトンのオパール・マグがニューシングルをリリース。
オルタナ的にガツンと歪むところと、空高く舞い上がるALTポップ(微ドリーム)のいいとこ取りなサウンドで、シューゲイズ的な方向性ではないところがポイント。ちょっと軽いですし、ギリギリのラインではあるのですが、ビッグなメロディを小気味よく軽快に扱っていて邪念がなく印象が良かったです。
まだまだごく若いみたいだし、ちゃんとしたバンドになったら凄く伸びそうなのでそれを期待。
今週のLP/EPフルリリース
K-LONE – sorry i thought you were someone else (LP)
5年くらい前のアルバムを紹介したと思う。今回はその時とは違いちょっとナチュラル志向の自然公園SEみたいなテイストは入ってないが、相変わらず音が柔らかくてウォームかつシルキーで素晴らしい。レーベルが今回、初のInciensoから。
ベースやキックの圧と密度は完全にフロア仕様なので決してイージーリスニング向けにチューニングされているわけではないんだけど、クラブミュージックでもこの人の音はやはり明らかに他と毛色が違うと感じる。ソリッドなのにどこまでも丸く丸く、余計な装飾もしないけど削ぎすぎてもいない空間使い。基本4つ打ちがベースながら全部ではなくて、オルタナティブではIDM的に行くんではなく2ステップとかのガレージ系のビートを崩したようなリズム。地元ブライトンなのも影響あるのでしょうか。
個人的にずっと探してる、中高生の時の自分の耳に聴こえた当時のラリー・ハード新作のそれに一番近い音をしてるディープハウスなんだよなーと。「ごめん、アンタだと思わなかった。」っていうタイトルも良いですね。
