GVVC Weekly – Week 360

The Notwist – X-Ray

先日レア音源の編集盤をリリースしたばかりのザ・ノーツイストがプロパー作としては約5年ぶりのニューアルバムをアナウンスし最初の先行曲を公開。
こちら、まだ2ndまでのメタルコア路線を少しだけ引きずりつつ現在の音楽性への過渡期にあった3rd以来30年以上ぶりとなるライブ編成フルバンドでの録音ということで、ここ数十年継続していた宅録ベースの音像ではなく完全にギターがリードするバンドサウンドの楽曲になっています。
このトラックに限った音楽性としてはインディロック、アートパンクあたりで落ち着くのか、高速BPMに純然たる8ビートで爆発力のあるアンサンブルですが相変わらずのヘロヘロボーカルによりバランスが取られた、どんなに形を変えてもNotwist印の音楽で何の文字情報もなくこの音だけ聴いても即座に彼らと分かるような代物です。
1stのs/tからカウントしても36年目、もはや単なるご長寿バンドってレベルではないし、各方面への影響力なども考慮してまさに生ける伝説、Neon Goldenの再現ライブツアーやって欲しいなぁ。今回もリリースは前作からのホームでこちらも老舗のmorr musicから。


Makthaverskan – Pity Party

ヨーテポリのマクサヴァースカンが約4年半ぶりとなる来年4月リリースのプロパー新作アルバムをアナウンスし最初の先行曲を公開。
音響、サウンドサーフェスはいつものシグネチャースタイルで相変わらずですが、楽曲そのものが今回過去イチで鮮やかというかポストパンク成分の不穏な気配がなく、リヴァーブを深くかましただけのギターポップみたいな仕上がり。特徴的なボーカルもこれでまた少し違った感じに聞こえて新鮮ですし、元々ギターのフレージングなども類似点あるなと思っていた同じくヨーテポリのThe Sun Days(UKのザ・サンデイズじゃないです、Run for Coverから1枚だけアルバム出してる方)とより近い音楽性になったなと。
まあ、これでも大分まだ性急だし、思い切り過ぎた空間系処理とコケティッシュヘタウマ歌唱のキャラクターのバランス感覚などホントこのバンドは他にないスタイルだから、長く頑張って欲しい。演奏のエッジと生き急ぎ感だけで十分ポストパンクしてるから、メロディは個人的に今回くらい明るくていいと思う。なんかこの曲は明らかに輝いてるから年間ベストトラック入選内定です。


PPJ – MIMOSA 2000 (Furacão 2000 cover)

パリ拠点のフランス人とブラジル人デュオPPJがブラジルの著名サウンドシステムによるコンピ収録曲のカバーを単発シングルでリリース。
以前も一度、何かを紹介した気がします。確かトリオだったはずですが一人抜けたのね。ちょっとボーカルが爽やかに入った南米の香りがする洒脱なクラブミュージックを展開する人たちですが、今回はカバーということでゴメン全く関知しない世界から持ってこられた曲だわ。まずサウンドシステムって文化がそもそもレゲエっていうかジャマイカに限った話かと思ってたくらいで申し訳ないね。
原曲聴く限り、ボーカルのフレーズ(重要じゃない)とビートの骨組みだけはまあ素直にカバーしてると言ってもいいですが、上モノを逆方向に流麗に仕上げちゃってますのでトラックとしての印象は全くもって違っていてオリジナルとの対比としてはリミックスとかにあるような落としドコロ。
彼ら、今回に限った話じゃないんだけど、軽めのピアノの音とコード感とかがちょっとGui Borattoの軟派なトラックでたまにある路線に近い雰囲気があって個人的に大好物。でも4つ打ちじゃないぶんジャンル形容はちょっと難しく、ファンクビートになったピアノハウスって感じか。とにかくあまり他で聴かないような塩梅なんだよね。掘ればブラジルに居るのかもしれないけども。

今週のLP/EPフルリリース

Snowy Band – The Apartment (LP)

オーストラリア、メルボルンの宅録プロジェクト風バンド。どうやらバンド風のベッドルームソロユニットではなく一応はちゃんとバンド編成のようです。実質的には中心人物のワンマンなのかもしれませんが。
内容としてはSE的な装飾がやや多いメランコリックなインディフォーク〜スロウコアのこじんまりしたDIYサウンドで、スパークルホースとかの路線でしょうか。基本ウィスパーで囁かれる男性ボーカルと常に弛緩したタッチ、淡く儚いイメージで白昼夢的な雰囲気もありながら時折、緊張感のあるコードで少し殺伐としたような表情も見せ、しっかり歌モノなんだけど編曲になんとなくコラージュ的な風情があり一本調子にならなくて面白いです。
単純に曲もいいし、正直まだまだどのようにでも伸びそうで期待できる。こういうサウンドでありながら一瞬、暗めオルタナ入っても辛気臭さがなく、湿っぽくならないのがいいね。意外と深みがあってコレはオススメ。