GVVC year-end list of 2025

今年はホントにギリギリでの更新となりました。ちょっと実生活での諸事情によりこの年末年始が異常事態の忙しさなためです。例年よりコメント薄めですがご容赦ください。ウチでしかあり得ないセレクト、内容には違いありませんので!

30. JJULIUS – Dödsdisco

たぶん訛りも影響してるとは思うけど、それにしてもスグに北欧ってわかるこのタッチってなんなんだろうね。往年のタフ・アライアンス周辺とかのテイストもありつつ、10年代の宅録と、最近の若者達の「全て並列」のあの感覚それぞれが全て同居してる気がして面白い。

29. Σtella – Adagio

母語を大部分で解禁したら音楽性がむしろ洗練されたという謎マジックが起こり30分未満でサクっとまとめたアルバムは今までで一番のクオリティでした。そのオープニングトラックはちょっと熱帯夜的な暑苦しさもありつつ、タッチがどこまでも軽快でバランスのとれたサウンド。やり過ぎないパーカッションが凄く良く響く、なんかあんま聴いたことない洒落た音像です。ほんと独特。

28. how2fly – Hold You

ちょっと変わり種。まぁ、これ本人どういうつもりでやってるか知らんけどエピックトランスですわな。25年くらい前サイバートランスつって流行ってたラインがモダンに、ちょっとだけポップになった感じで面白い。あれね、ビーマニの7鍵の4thか5thくらいに入ってそうな音楽。メチャクチャ若そうだけど、今後どうなっていくのやら。

27. Cheekface – Living Lo-Fi

ある種、一発ネタ風の音楽性で全部同じような気もするし、ちょっと滑稽さを感じてイマイチ大好きにはなりきれないんだけど、なんだかんだ耳に残るフレーズ、間違いのないアレンジと平均点が高いんでついチェックしちゃう。そしてこうやってたまにハマる曲があるんだな。もうちょっとだけでいいから自然にしてくれると嬉しいんだけど、完成度落ちてもいいから。

26. Empty Threats – the one

1曲くらいはこういうのも入れとくか。アルバムは若干しんどい曲も多く、ちょっと完全に好みなバンドというわけではないのだが、コレはハマった。音作りがかなり格好いいと思う。ライブみてみたいかな。

25. Your French Girlfriend – Can’t Stop Loving You

なんかもう正直オルタナティブはほとんど関係ないサウンドなんだけど、超クラシックなこの歌い方がバンド名との合わせ技でつい笑っちゃうというか、やけに印象的でした。本人達はそのつもりでやってないと思うが、なんだかんだ良い意味で質素な風情がギリギリこの音楽をインディ範疇にしているし、もういっそドスきかせてCircuit des Yeuxくらい行っても良かったな。

24. The Beths – Metal

ホント派手なことしないけど手堅くグッド・メロディを追求する姿勢が素晴らしい。この曲はニューオーダーベースから入るつかみはオッケーのサービス曲ですがネオアコ的に行き過ぎない、でもオルタナ方面では決してないこの中庸っぷりが最高なバランスでパッケージされたベストなサウンド。アルバム単位でも過去イチで出来が良かったよ。来年2月の来日します。

23. Madi Diaz – Fatal Optimist

このトラックは演奏も展開もサラリと軽めに仕上がってるので、彼女のちょっと重い部分が中和されてちょうどいい塩梅。思うにこの人はちゃんとドラムとか入ってるサウンドの方が明らかに良いからアルバムももっと全編でこういうアレンジにして欲しかったな。曲もボーカルもかなりイケてるのに勿体ないね。

22. Purity Ring – many lives + part ii

ずっと続けてきた自分たちの音楽が、ここに遂に完成したとのメッセージ、このサウンドと満を持してのセルフタイトルから受け取りました。アルバムも良かったけど中でもこの曲が抜けてます。もう神々しいくらいの天上シンセと初期からブレずにどこまでもブラッシュアップし続けたーカルエフェクトが渾然一体となった確固たるスタイルは唯一無二。ブレイク後にガットギターまで入って来る一連の流れもキレイ。なお厳密にはトラック分かれてますがビデオも繋がって作られてる通り実質ニコイチのような作りです。

21. Forth Wanderers – 7 Months

そこまで楽曲として優れているかというとギリギリちょっと復活のご祝儀込みな部分あるが、再集結してバンド楽しーっ!ていう勢いが間違いなく、嘘偽りなくパッケージされていて泣けた。また、これで終わりでもそれはそれで美しい。

20. Georgia Harmer – Can We Be Still

常連の彼女、今年もランクイン。静かに熱いというか、淡々と訴えかけてくる語り口がいつもナチュラルにリリカルに、スッと入り込んでくる素晴らしいボーカル。派手なコーラスがいらない、どこまでも自然体の説得力に感服いたします。

19. Esther Rose – Had To

彼女もなんだかんだ常連。曲が単体でヒットすることが多いタイプで、軽めのモダン・カントリーと思わせてやけにキャッチーなフレーズがちょいちょい飛び出すのが油断ならない。なんちゅう楽しいコーラス、普通の人になったファイストか。もう少しだけオルタナ臭くなってくれたらもっと好きなんだけどな。

18. Amber Mark – ooo

今年は常連カリ・ウチスさんが入ってこなかったポストに彼女がイン。地道にやっててようやく2ndフル、アルバム全体でもかなり良かったですけどこの曲を特に聴きました。バコバコ鳴るキックとブンブンベースがリズミカルに刻まれる中でメロディアスなオルタナR&Bボーカルは甘過ぎず辛過ぎず、3分ジャストに詰め込みスパッと切る今風なアレンジ。上モノという上モノが影薄いのにそれを感じさせない編曲がナイスです。

17. LAKE – No Wonder I

ごく厳密に言うと新曲ではないんですが、正規スタジオ音源のリリースは今年なんで適格とします。すごい清涼感だと思いません?一点の曇りもないし、これを陳腐にならずにやれちゃうって凄いことなんですよ!心がけのいい人達であることに間違いないです。

16. Kedr Livanskiy – Anna

いや、単純にいい曲っすね。ってそれだけじゃダメなんで言うとコレ、ドリームポップでは決してなくてもっと何かトランシーというか、まあ元々エレクトロニックの人だからだろうけど質感が違うんですよ。なんだけど彼女は異様に歌心があるから、そこで変なことになってるんです。ある意味ケイトNVとかと近いかもしれない。ア〜ンナア〜ンナア〜ンナ〜…

15. Oren Ambarchi, Johan Berthling, Andreas Werliin – Yek

唯一のインスト。過去にも完全インストの楽曲をこの年末リストに入れたことあったかな?初かも。まぁそれはいいとして、このジャズとポストロックの理想的な中間地点に位置した音場ですよ。それでいてそこそこ湿っぽいギターが主役なのと、どのパートも音色的に変にジャムっぽくなってないのも素晴らしい。知的で身体性があってミニマルなのに実地的。滅多に出会わないヤツです。

14. Celeste – Woman Of Faces

なんちゅうクオリティのボーカル。これではインディの立つ瀬無しで、もはやミュージカル。でもメインストリームやブロードウェイのクソうざったさがないという素晴らしい上位互換です。ライブってどうやってんだろ。

13. Mariel Buckley – Vending Machines

今年のイントロ大賞。1回で切ったのがポイントですかね。カレン・カーペンター並みに毒のない歌唱でどこまでも朗らかですが、モッサリとスッキリが絶妙に同居した意外と手の込んだ音像で、単なるほっこり系にはおさまっておらず聴ける。ベースとかなんとも言えない生々しいイイ鳴りしてますよ。

12. Wiles – Yeah Right

コーラスのフレーズにおける、この声質とウィスパー系ボイスをもってしての手動ピッチベンドでノックアウト。いい感じに空間を生かした引き算アレンジも完璧。一聴、ありがちなドリームポップに感じるかもしれないけどちょっと他にない魅力があります。

11. Big Thief – Happy With You

音源でのリリースよりはるか前、来日ライブでも既に演っていた。いつになく雑な曲だなと思ったけど耳には残る。あくまでも他のレパートリー前提の中での変わり種でコレっていう評価なのと、個人的にこの手のベースに弱いってのもあるんだけどね。

10. Geese – Taxes

流石に売れ過ぎてキャメロン・ウィンターが年末の大衆向けモノマネ番組のいちネタにまでされるレベルなのでウチで載せる意味もないのですが、どう考えても確かに良いです。ジミー・キンメルに出た時のこの曲はもう伝説級バンドの最盛期の輝きをリアルタイムで観ちゃった、みたいな錯覚に陥りました。来年の来日ライブ行っといたほうがいいよ。

コレね。

9. Algernon Cadwallader – Hawk

衝撃の復活、そして更にビックリはおよそ長期のブランクから戻ってきたばかりの者達が鳴らすサウンドではない。全盛期に迫るか下手こいたら超えてくるクオリティと瑞々しさ、雨後の筍どもにお手本を見せつける燻銀のベテラン感もしっかり兼ね備えたスーパートラック。欠点はあまりに完璧な仕上がりゆえ、どこかつまらなく感じるとこだけ。

8. Racing Mount Pleasant – Your New Place

歌入りポストロックだと最も印象に残ったバンド。アルバム単位だとTOP3です。ホーン入りの大所帯ということで微妙にトレンドになってる気がしないでもないけど、その中でも彼らはクリーンで落ち着いてる。この曲は特にメインテーマがすごく印象的で、比重としてはかなり歌ってるのに歌があんま主役じゃないのも面白い。

7. Sudan Archives – THE NATURE OF POWER

コレはちょっとウチにしては珍しいタイプのトラックなのですがアルバムが異常に良かったのと、この楽曲はイントロというか入りの一瞬が初見からメチャクチャ印象的でランクイン確定してた。純粋に気持ちイイですし、音のクオリティが高いよ。

6. Greg Freeman – Point and Shoot

これは間違いなく残る名曲、SSWになったPavementみたい。正直言うとアルバム中この曲しか聴けない。でもその1曲がここまで良いともうそれだけで価値がある。98点以上が1曲でもあればいいのだ。

5. Makthaverskan – Pity Party

このボーカルやっぱスゲェよ。どこまでも突き上がる伸びやかさと、ちょっとハスキーなのに透明感まであるスーパーボイス。歌だけ追って聴いてられるし、なんか吹っ切れたような明るさで、ずっと燻っていたポストパンクの鎖から遂に解き放たれた鳥。美しく輝いてます。まぶしいっ。

4. Wilby – Center of Affection

あまり気の利いたコメントできる音楽性ではない、所謂ちょっとオルタナっぽいのSSWバンドっていうベタなサウンドですが、情感たっぷりの歌い方でやけに耳に残ったコーラスのフレーズが存在感あり。最初はややあっさり気味からタッチや語気だけで徐々にバーストさせてく大サビがカタルシスポイント頂きました。いかにもクリック聴いてます!っていう突っ込みたい気持ちを無理やり抑えられてるようなドラムがかわいそうなんだけど、逆にそれがリアリティを生み出している。

3. Diary – Stevie

今年のネオアコ・ギターポップ枠トップ。イントロ2秒で即採用。このバンドはもう今後出す曲が一つ残らずクソでもこの楽曲だけで界隈では殿堂入り級の伝説になることが確定してるレベルの奇跡の一発です。誰が聴いてもわかるマスターピースで何も言うことない、そして間違いなくマグレでしょう。

2. Hohnen Ford – Tomorrow’s Tomorrow

以前も年末リストに入れた曲があった気がするし、この人はやけに刺さる曲がチラホラ。EPばかりでまだまともにフルアルバム出してないはず。曲としてはド定番の型だが素晴らしいイントロとやり過ぎない装飾が花を添える。ちょっと大味なアレンジには目をつぶろう。なんか繰り返したくなる魅力があり、聴いた回数では1番多いかも。

1. fantasy of a broken heart – We Confront the Demon in Mysterious Ways

文句なしの1位です。前作からなんかやってくれそうな気配はしてたが遂に爆発。この曲はマジでスゴイぞ?男女ツインボーカルでオクターブユニゾンしてるところにギターもユニゾンしてやがるんだ。あそこのフレーズの説得力たるや、そして楽曲の構成も意味不明というか狂ってる。シラフで作れんよこんなの。結構キワモノにもなりかねないところをひたすらにソフトなサウンドで中和した結果はごく甘〜い仕上がり。音楽の神が降りてますわ。

あとがき
今年こそ絶対に無理だわと思いながらなんとか休まず更新。8年目終了です。もうルーチンとしては確立してるのでいいんですが、単純に時間がないの。とはいえ根性で継続してるとなんだかんだ、このリスト見返しただけでもこれだけ収穫があるんでやめられない。コンピの収録曲とはいえENSの新曲まで出ましたし、もっといろいろ活動したいんですがね。例によって年明け無事にWeekly再開できる保証はありませんが、引き続き応援してください。