GVVC Weekly – Week 226

Freak Slug – 27 CLUB

昨年のEPも素晴らしかったマンチェスターのフリーク・スラッグが5月にリリースする新作EPから最初のリードトラックがビデオ公開。
サウンドはほぼ変わらず完全に延長線上ですが、宅録ポップってところからほんの少しだけインディロックに近接して音像がより開けたかな。
コーラスの入れ方とか細かいトコのアレンジに愛嬌があっておもしろいポップセンス持ってると思うし、パーソナリティにも一癖ありそうで存在感がある。この子は伸びますよ。


Feist – Borrow Trouble

ファイストが来月リリースする新作アルバムからこれで4つ目となる新たな先行曲が出ました。
今回は彼女の過去作全てを見返しても他に類を見ないほど最もインディロックというか、最近のSSWバンドやサッド・ガール・インディの路線に近接したようなサウンドになってましてある意味新機軸。
曲が特に良いとかではないですし、ちょっと大味なアレンジですが、必殺の武器、天からの賜物であるこの声が凄すぎるんでもう何でも様になっちゃうね。
全盛期にこれくらいバンドっぽい音楽性のものをやってみて欲しかったなと。まあそこはBroken Social Sceneで補完してというところでしょうか。


Friko – Crimson to Chrome

シカゴのスリーピースバンド、フリコがFire TalkのデジタルレーベルOpen Tabからリリースした単発ニューシングル。
少しだけポストHCも香るダイナミックな展開の演奏と若さ溢れるエモーショナルなボーカルのオルタナロック・インディポップで、一番印象が近いのは初期のCymbals Eat Guitarsかな。
1年くらい前までの楽曲は一通り聴いてみたがこの曲から急激に完成度がアップしていて、デビューアルバムへの嚆矢となるであろうトラック。こういうガツンとバンドでしかないサウンド演るならスリーピースが一番ソリッドで良いフォーマットだなと改めて思わせられる。


Horse Jumper of Love – I Poured Sugar In Your Shoes (Last Night Version)

昨年の年間ベストにも2位にランクインしたホース・ジャンパー・オブ・ラヴのアルバムから超イチオシ楽曲の弾き語りバージョンが正式リリース。
散々レビューし尽くしてるのでもう何も語ることはないのですが…とにかく良い曲なのでアンプラグドの生々しさでも何ら問題なくぶっ壊れそうなほど美しい。歌詞も素晴らしいです。


Bobbi Lu – Metapwhore

ベルギーはブルージュのボビー・ルーがMayway Recordsよりデビューシングルをリリース。
ちょっとダークで不穏なエレクトロニック・オルタナポップといったところで、ウィッチハウスが流行っていた時に派生でもっとメインストリームのプロダクションがこういうバランスに落ち着いていたモノ(BANKSの1stとか)もあったような気がしますが、もっと単純にトリップホップ的とも言えるかな。エレクトロニクスの比重が結構重要そうなアレンジでシリアスに振ってるのでSian Aliceがその後やってるEauxあたりに近いですかね。
まだ1曲だけなのでなんともですが良さそうな雰囲気と全然ダメかもな両方の気配がします。なお曲名が面白タイトルとなっておりまして、メタホーア…。

今週のLP/EPフルリリース

Oropendola – Waiting for the Sky to Speak (LP)

先行のM-3が良くて期待していた。ソロのSSWとしては本名名義でそこそこ長いこと弾き語り的スタイルの作品を発表したりしていたみたいだけど、この屋号を付けてから大量の客演にバックアップされてのデビュー・フルレングス。
アンビエント・ドリームのチェンバーポップにインディR&B、もっとオーセンティックなポップスなどがごちゃ混ぜになった中々の万華鏡サウンドで全体的にちょっと毒気のあるファンタジーというかワンダーランド的な美意識が通底している。
クラリネットにストリングスなんかもガンガン入ってくるのがかなり効いてて広がりをプラス。ボーカルがちょっと弱い気がするけど、ここから次どう進むにも面白くなりそうでHalf Waifやバリィさんのツアーメンバーにも参加していたというのも合点が行く内容です。