メルボルンのSSW、リア・シニアが再来週にリリースする新作アルバムから新たにオープニングトラックとなる先行曲をビデオ公開。
一見、弾き語りフォークのようですがエレキでギター2本目を被せてくるアンサンブルスタイルかつリバーブも増し増しのウェットでモダンな音像。クラシックで可憐ながら真っ直ぐに伸びやかで美しいボーカルと瑞々しくクリアなサウンドミックスがとても好相性で素晴らしい。語るところは少ないのですがただただ気持ちよく流せるBGM適性も兼ね備えた好きなやつです。
Empty Country – Erlking
シンバルズ・イート・ギターズのボーカルによるソロプロジェクト、エンプティ・カントリーの新作アルバムが正式アナウンスされました。こないだ出ていた楽曲も収録されるみたいで、これが実質二つ目の先行曲になります。
そのままCymbals Eat Guitarsの正統後継サウンドと言えるような仕上がりの前回の楽曲も紹介しましたが、今回はそこから更に明確に悪夢・抑圧やディプレッションを感じるダークなニュアンスが付与されより拡張されたオリジナリティのあるサウンド。バンドの頃はPavementみたいな要素もあったと思うんですがそこは消え去り、特にコード進行と大仰な歌い方である意味J-ROCKにもありそうな曲に事故的になっちゃってるね。
相変わらずスケールは異様に大きくもはやロック・オペラ的な趣まであって、エモいQueenみたい。サムネがホラーで怖いっす。
Blusher – Time to Pretend (MGMT cover)
業界も夏休み期間で年末年始ほどではないにしろリリースが少ないのもあり、今週全然載せるものが無いのでこんなのも。メルボルンのスリーピース、ブラッシャーによるMGMT有名曲のラインオブベストフィット企画スタジオセッションカバーです。なかなかナイスなアレンジと演奏。
MGMTはどう考えてもこの曲が一番イイよね。でも、少なくない人がイヤイヤこっちでしょと言うであろう人気曲がもう一つある。個人的には100対ゼロでTime to Pretendなんだけど、このライブ音源、例のもう一曲の方の象徴的なフレーズを遊びで混ぜ込んで来てまして、最後の方しつこいくらいやってるので知ってる人なら嫌でもわかる。もうちょっとさりげなくで良かったと思うけどサービス精神旺盛でオモロイなと。
今週のLP/EPフルリリース
Stolen Jars – I Won’t Let Me Down (LP)
もうけっこう長いこと居ると思うし、これで4作目くらいなのかな?今までも多少チェックはしてきていたがGVVCで紹介した事はないかもしれない。2022年の初頭から単発でゆっくりリリースを重ねた既発シングル6曲を含む全9曲なんでまあ、新作アルバムというかなんというか…な作品ですが、ずっと自主っぽいし実にマイペースな活動でこれぞインディ。
元々あまりドラムとか入っていないような、ちょっとアブストラクトな趣のある男女ツインVoのインディフォークって感じだったのが一気に解像度アップし勢い焦点の定まったサウンドに。
今のバランスで最も似てるなと思うのは同じブルックリンでCaged Animals、あとはちょっとゆるくしたRa Ra Riotみたいな感じもあるね。ボトムの圧はスカスカ目だけど上モノ、リズムともに賑やかにレイヤリングされて色んな音が鳴ってるヘタウマ男女デュエットのこじんまりポップで、全体の質感はアッサリ軽めでメロディも塩味といったところ。小気味良くて品のいいサウンドです。ジャケットも素敵。