リーズの3ピース、カウタウンが5月にリリースする8年ぶりの新作フルレングスから最初の先行曲がビデオ公開。結成20年とのことですが、プロパーのアルバムはようやく5枚目みたいです。
今回の楽曲は軽快なアートロック系のポストパンクサウンドで、歪んだシンセベースのフレーズがわずかにエレクトロ感を演出しており、ライトになったゲリラ・トスみたいな方向性。小人数編成なので音数に対して実際より量感を出す必要がありつつも、決してゴチャつかずクリアにまとめたミックスもすごく洗練されています。
写真を取り込んでコラージュした3D空間（？）に『全てのものが禍々しくなるエフェクト』（？）をかけたり外したりしながら進んでいく謎MVもなんだか音楽に合っているような。
Strand of Oaks – More You
ストランド・オブ・オークスがプロパー作としては8枚目となるニューアルバムをアナウンスし最初の先行曲をビデオ公開。
LPでオープニングトラックに配置されたこちらは怒涛のアナログシンセ洪水から導入されるまさかのビートレス楽曲で、ドリームというよりはスピリチュアル路線の宇宙・瞑想的サウンドスケープで展開されるアンビエントフォーク。
雰囲気としては後半に爆発しそうな気配を醸し出しながらも最後までそのまま行くスタイルのアレンジで、確かに新機軸ではあるのですが十分彼らしさが出てるし、自然にこの名義のトラックだなと受け入れられるところが流石です。リリースを読む限りはでは別に全編この路線という訳ではなさそう。
Owen – Virtue Misspent
オーウェンことマイク・キンセラが来月リリースする新作アルバムから新たな先行曲をビデオで公開。
先に出ていた楽曲の時点でもうその方向性はわかっていましたが、いつにも増して一気にアメフトに近接し、このトラックではもはやギターがアコースティック化しただけの復活後アメフトと言っても差し支えない次元の仕上がりに。あちらとの違いといえばポストロックの要素が抜けて、よりオーガニックになった位で、長いことOwenが弾き語りベースの時は同じ人でも随分節回しが違うもんだなと思ってたけど、オケがこういうバンドアンサンブル入ると一気に同じになるの面白いね。
しかしバックバンドのドラムは今S. Careyっていうの、音楽性的になんか納得するわ。（録音ではもちろん本人も叩いている筈、元々ドラマーだし）
The Ophelias – Soft And Tame
シンシナティのジ・オフィーリアズが来月リリースする新作EPから新たな先行曲を公開です。最近多い、別でちゃんとMVのある楽曲のアウトテイク映像を短く編集して簡易ビデオというか、こういうヴィジュアライザーに仕立てたやつですね。
さて内容の方ですが、音楽性は変わってないものの以前よりも少し歪感が（ミックスに）付与されボトムもやや太めの音像になっているようで、主要メンバーにヴァイオリン担当が居るインディロックのサウンドというのは落とし所が結構難しいものだと思うのですが上手い事おいしいバランスに調整されており先に出てた楽曲よりもハマってます。
全体的に結構淡白なメロディでアレンジ上のサウンドにもそれほどパンチがないのでキレイ目に仕上げるよりこっちの方が合っているでしょうね。
今週のLP/EPフルリリース
Chastity Belt – Live Laugh Love (LP)
ボーカルのソロとかもありつつ、バンドもう10年以上やってるのだろうか、今作からSuicide Squeezeリリース。まあ、なんかわかる。
しかし本当に落ち着いたね。正直バンド名がかなりドギツイし、もう名前だけでパンク要素強すぎるからサウンドはこのくらいである意味バランス取れてるかも。しかし単にどこまでも朗らかにマイルドになっているというわけではなく、ジワジワ染み込んでくるような深い翳りを感じるし、何よりもちゃんとこう精神的ポストハードコアというか、もっと尖ってた時期を経過した後である事が明確にわかるオルタナフォーク・インディロックになってます。
本当に余計なものを省いた純粋なギターバンドのサウンドかつテクニカルな部分が非常に少ない音楽性なんで、シグネチャー要素としてはジュリア・シャピロの存在感ありきではあるんだけど、長くやってる円熟の関係性は完璧なタイム感の共有で一切破綻しない完璧なアンサンブル。もうちょっとだけでいいからリズムに遊び入ってるとより良いんだけどな。