スロバキアの4ピースバンド、エヴァーセイムの単発ニューシングルが公開。
まさかのリージョンです、音聴いて普通にUSのバンドとしか思わずビックリ。サウンドの方はエモがかなり強く入ってる女性ボーカルのオルタナロックって感じで、その組み合わせ自体は珍しくないどころか世界中、特にUSにありふれていますが、コレはちょっとミックス具合というか、両立ぶりが目を見張る完成度でしてまさに完璧な融合と言いたくなるバランス。強く熱のこもった演奏とボーカルも素晴らしく、若さとパッションに溢れていて実に求心力があります。ちょっと大味な部分があるけど、そこは力技でカバリングという感じ。
この状態のままで、もうフルアルバムを聴いてみたいレベルの仕上がりですので流石にすぐどこかに拾われることでしょう。
Open Head – Fiends Don’t Lose
来週、Wharf Catからリリースされるオープン・ヘッドの新作アルバムより最後の先行曲が公開。
エクスペリメンタル・ロックと形容するのが一番しっくりくるタイプだが、インダストリアルやポストハードコア、ポストパンクなどが入り混じったサウンドで、ボーカルが入っているせいもあるけどアウトプットはなかなかポップというか、そこまで突き放した雰囲気はなくとっつき易い部類かな。
なんだかんだ細かい部分ではいろいろやってるんだけど、良い意味でメリハリのないミックスになってるもんで散漫と展開していくような印象を受けて、実際よりもアブストラクトに聴こえるのもワザあり。
The Tubs – Narcissist
元ジョアンナ・グルーサムのメンバーらによるザ・タブズが3月にTrouble In Mindからリリースする新作アルバムをアナウンスし最初の先行曲を公開。
これはとても良い曲ですね。サウンドはめっちゃスミスっぽい部分がありますけど、ギターポップに強く振っているせいもありなんかオリジナルに消化できているなと感じて印象がいい。最近だとThe Reds Pinks and Purplesあたりと同じようなアウトプットになってますかね、あっちはスミス感は無いですが…。
しかし、この曲調でボーカルの母(フォークシンガーらしい)が自殺したことに対処していく様を歌っているようで、そこもアナザー・スミスポイント。
今週のLP/EPフルリリース
The Weather Station – Humanhood (LP)
先行曲の段階でわかっていたことだけど、キャリア最高傑作であった前作から大きな路線変更はなく順当進化し、サウンドの強度が高められた一発。
前作に引き続き、この音楽性を最も特徴付けているのは実は以前にも言及したビート感。ストリングスがかなり重要な仕事を担うオーケストラルなアレンジメントで、メロディも世界観もエレガント路線なのにドラムが完全にロックでしかないっていうなかなか他でみかけないバランスは、どこまでこの効果に自覚的に仕込まれたものなのか不明だけど本当に独自性があるし面白い音楽体験をくれる。このせいでチェンバーポップとポストロックのいいとこ取りしたハイブリッドみたいな音像になってて、流麗な美しさと勢いのあるドライヴ感が同居したある種、逞しいサウンド。ライブが良さそうだから、最初からそれを想定した編曲なのかもしれないな。
それはそうと、今作の方がブラッシュアップされている上で整合性は取れてるし粒が実に綺麗に纏まってるんだが、それでもアーティスティックな鮮烈さは残念ながら前回の方が上。単体で圧倒的に存在感のある曲が無いからかもだけど、難しいもんだね。