GVVC Weekly – Week 67

Sipper – Ghost

シッパーの新曲は前作EPから少し路線を変えてきた。実際にはNYエリアの人みたいですが、
ここで鳴らされているのは緩やかに刻む甘くてスロウな西海岸系のインディロックで、
ロンドンのFanzineとか、元YuckのダニエルがやってるHebronixみたいなイメージ。
つまり現地民ではない者によるL.A.感というか、割と太めのクランチ・ギターに、
繊細そうなヴォーカルの組み合わせで、プライヴェートだけども閉じ過ぎてなくて
どこか開放感のある宅録サウンド、というと矛盾しているようですが…つまり非・密室的。
すごく聴きやすいし、コンパクトにまとまっていていい感じです。
何か、いかにもサードウェーブ系のカフェでかかってそうですよね、わかります?

bandcampはこちら。厳密には前週公開なんですが、拾われてたのが今週なので特別に。


J. Robbins – Winter Sun

ジェイ・ロビンズは最近になって初の本名名義で楽曲を発表しだしましたが、そのソロの
新曲が公開されました。チャンネルズの頃の景色から、テクニカルでMathな要素が抜けて
少しだけヘヴィ・エモ気味なオルタナロックっていうくらいのところに落ち着いています。
メロは基本、伸びやかで朗らかな感じで、ギターが歪んだOwenみたいなイメージですかね、
声は全然違いますけど…。この人はやはりリビング・レジェンドの一人ですし、エンジニア
としても有名ですが、一番にはやはりJawboxでしょうか。ポストHC~オルタナエモの重鎮。
10年くらい前に生まれてすぐの息子さんが脊髄性筋萎縮症で、彼らにサポートを!みたいな
動きがネットであって、それの印象も強いですが、調べたら今もご健在みたいで良かった。
ちなみにこのシングル、B面曲はジョン・ケイルのカヴァーです。

Nature TV – Side Eyes

Her’sなどもリリースしていたHeist or Hit(物騒なレーベル名)から、ブライトンの
ネイチャー・ティーヴィーがニューシングルを発表しました。
アダルトでクサ目のクドいコード進行、メロディなんだけど音の質感は軽めのドリーム系
ギターポップバンドみたいな仕上がりで、そこでなんとかインディの範疇に収まっている
ような感じ。Honneとかのギターバンド版みたいな感じとも言いますかね。そういや
クラウドベリー・ジャムにかなりこんな感じの曲ありましたよね…ってコレやな↓

Cloudberry Jam – Direction Still Unknown

・と、今週はThanksgiving Dayの影響でかなり載せるものがないんですよね…
UKのメディアまで一緒に動いてなかったりするのは謎です。

新曲以外の所ではGrimesが著名な量子力学者のpodcastで行った発言内容により、
Zola JesusとMagjical CloudzのDevonが反発というか、それはシリコンバレーの
特権的ファシズムに与するプロパガンダだ(に加担している)、といった旨の
感情的な反応を見せて侃侃諤諤のtwitterディベートが展開され、
最終的にはホリー・ハーンドンが出てきて仲裁?じゃないけど収束させるっていう
かなり胸熱な展開があって、それが相当面白いというか身につまされる内容なんだけど
ちょっとlengthyで、全てのニュアンスを拾いつつ、かいつまんで簡単に説明するのは
難しくて…長〜い所感があるので、後で別記事にできたらしたいと思ってます。