GVVC Weekly – Week 182

Faye Webster – Car Therapy (Official Video)

フェイ・ウェブスターが新作EPをアナウンス、唯一の完全新曲となる先行曲をビデオ公開。
こちら基本はSecretly Canadian移籍後の最初のアルバムからの楽曲をオーケストラ編曲で
リコンポーズした楽曲で構成されてまして、今回の新曲も同編成、単に弦楽隊が客演してる
といった類のものではなく指揮者付きの、フルオケまでいかない人数ですが本気なやつです。
スペースボムでやったみたいでして、マイルドにジェニュインでなめらかな質感はクラス感
アップします。当然、本人のおどけたようなラフさは影を潜めてますが、これはこれでOK。
一番の武器がボーカルだと、割となにやったってカタチにはなるんでそこが強いんですよね。

Indigo De Souza – Real Pain [Official Live Video]

昨年のインディゴ・デ・ソウザ大傑作アルバムから、GVVCで年間ベストソングズ6位にも
選出したスーパートラックの公式スタジオライブ映像がツアーのアナウンスと併せて公開。
いやーすごい、ブレイクんとこどう表現するのかなと思ったけどココ音源より良いですね。
ベースの刻みと胸を叩く掌が途中からズレなかったらもっと良かったね。本人に関しては
かなり荒削りな状態だけどバックバンドがハマってるからこれからもっと伸びそうで期待。

Pedro The Lion – First Drum Set [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

今年の1月に先行などもなく突如リリースされたペドロ・ザ・ライオンの最新アルバムから、
圧倒的にスタンドアウトの名曲がビデオ・カットで公開です。シングルにするならこれ以外
考えられないほどだったので当然ですね。楽曲構造的には弾き語りに近いオルタナフォーク
インディロックを、バンドスタイルでフリーフォームに演奏したサウンドはコーラスまで約
3分かかってその後、コーラスのバリエーションのまま続いていくのが面白い。憂いのある
目の男の子が行く先々のロードサイドでドラムを叩くショートフィルム風の美しい映像です。

Rip Room – “Loose Ends” (Official Audio)

サンフランシスコのリップ・ルームが5月にリリースする新作アルバムから三つ目の先行曲。
ベースはGang of Four系のポストパンクだと思うが、USポストハードコアの雰囲気も強く
出ていてその辺が自分の好きなモノになっている大きな要因で、ミックスもタイト過ぎずに
程よくルーズにローが広がってく感じの方がこのサウンドに合ってると思うし気持ちいいね。
純然たるスリーピースらしい、ギターが一切重ってこないからこその刻み主導の展開がキモ。

Nailah Hunter – Forest Dark

ナイラ・ハンターのプロパー新曲は下半期に予定されているアルバムの方向性が垣間見える
一歩進んだサウンド。サックスの客演で一気にソウルっぽさが増し、アンビエントポップに
磨きがかかりましたね。流麗なハープの音色に、どうしてもニューエイジありきのキワモノ
というかアングラ風情がそこはかとなく漂っていましたが、その辺がどんどん小綺麗になり
良し悪しな部分もあると思いますが全体ではどういう調整になってくるのか楽しみなトコ。

今週のLP/EPフルリリース

Oren Ambarchi / Johan Berthling / Andreas Werliin – Ghosted (LP)

正直この人をそこまで追ってないし、多作すぎてチラっとすら聴いてない作品も沢山あるが
今回は好きでした。というのもトリオ編成で、内容も完全にバンド音楽だからなんだけど。
ジャジーなアンビエント・ポストロック・ジャムのインプロって感じで、電子音響的な趣は
ほとんど無く、派手さも無いがドローン系の展開はせず基本常にズコズコ演奏してて良いし、
非常にいぶし銀。シカゴ音響派がフリージャズに近接した時のソレに近い雰囲気あるものの
もっと身体的というかスノッブじゃなくノリでやってるのが伝わってくるアンサンブル…と
言っていいのか、まあ即興だよね。あとジャケ写も凄くいいと思うし、内容に合ってますな。
シコシコ骨組みがグルーヴを組み立てる中、一人でひたすらエフェクターいじって上モノの
気楽さを謳歌している(しかし楽曲を決定づけている)画が浮かんできて、いいご身分です。