GVVC Weekly – Week 181


Natalie Evans – Movie (Official Music Video)

ナタリー・エヴァンズが新作アルバムをアナウンスして先行曲、最新のシングルも収録です。
ハープがメイン楽器のSSWっていうと、どうしてもアンビエント方面か現音室内楽の方面に
なりがちですが、この人は歌唱や楽曲が明確にオルタナポップ寄りという変わり種なんです。
それも激甘の舌ったらずボーカルにパリっと格調高いハープの音色がミスマッチにはならず、
寧ろそれでバランスが取れているというミラクル音楽性。基本ドラムとストリングス以外は
本人演奏で、初期と大きく変わってはいないんですけどここんとこ空間系を深めにかまして
ややドリームポップな音像に寄せたのが奏功してかイメージ定まってきた所なので期待です。

Melody’s Echo Chamber – Alma (Official Video)

メロディーズ・エコー・チェンバーが今月末リリースする新作アルバムから三つ目の先行曲。
普段のベースよりもスウィートで空間に余裕のある音像とフランス語と英語が入り混じって
歌われるドリーム・サイケ・バラッドは愛娘についての楽曲というならばなるほど納得です。
前回も言及しましたが脇を固めるDungenとThe Amazing勢の強靭な演奏が本当に効果的で
音楽性とムードの完成度をとんでもなく高めてます。まぁもう少し抜けててもいいんだけど。

Florist – Red Bird Pt. 2 (Morning) (Official Video)

フローリストが新作アルバムをアナウンスし、最初の先行曲を公開しました。タイトル通り
リアルにエミリー単独作であった前回とうって変わってフルバンド編成で完全復活しており
その前のアルバムのそのまんま延長がここで展開されています。このナチュラルで極限まで
温かくてマイルドな無添加ポップ、自然食品そのもののような、ある意味アンビエントとも
呼べるような音楽で、商業主義の対局という意味では真にオルタナティヴ。本当ブレないね。

FES – Sun Visor (Official Music Video)

UKはピーターボロ/リーズのスリーピース、フラット・アース・ソサエティが今月末に控える
新作LPより、3つ目の先行曲です。実にトリオ編成らしいアレンジとメロディック・エモ系
フレージングにマスロック入った展開、やや激情HCパンク味のあるアンガーの発露もあり、
極めつけはすげー存在感のメイン女性ギターボーカルと武器がいっぱいの素晴らしいバンド。
振り幅も結構広いけど余りスマートに纏まった感じにいかず割とダサめなのがいんだろね。

Hercules & Love Affair – Poisonous Storytelling (Feat. ANOHNI & Budgie)

ヘラクレス・アンド・ザ・ラヴ・アフェアーの新作から、遂にアントニー参加曲が公開です。
発表時散々煽ったこの組み合わせ、そもそも本体の音楽性が突然の大転換しているため当然
以前を踏襲したものになるハズないのですが、スージー・アンド・ザ・バンシーズのドラム、
バッジーによるビートが木霊し完全ベースレスでほぼシンセパッドだけがコード感を担う中
いつになくスロウコア、ポストロック風のアントニーのボーカルが漂うというサウンドです。
非常に4ADやベラ・ユニオン的な世界観の仕上がりで新鮮だし、歌唱もなんだかんだ最近の
アノーニ名義で見せてる表情より全然こっちがいいんで、早く彼女も路線変更しないかな~。

今週のLP/EPフルリリース

Daniel Rossen – You Belong There (LP)

クラシックギターを持ったミルトンナシメントがプログレ入ったオルタナフリーフォークを
街角クラブバンドで演ってるような音楽で、あまりにも唯一無二な凄すぎるコンポジション。
サウンドの方向性だけで言えばGrizzly Bearの好きな部分を抽出したような感じだから正直
こっちの方がしっくりくるし、美しく聡明で気高い、自然賛美で純・キリスト教的な世界。
あとは何と言ってもドラムは全編でクリスベアが叩いてるから実質2/4グリズリーベアだし、
国内向けのリリースで何故かTangleだけ参加みたいに書いてるけどいやいや全編ですから。
“My old bandmate Christopher Bear played drums throughout.“ て公式に載ってるし、
それ以前に音聴いたらわかるやろ。どう考えても全部クリス。後はファゴットとか以外もう
チェロからピアノから全部自作自演でこれ流石だわ。ボーカルは確かに、エドの声欲しいな
っていう瞬間も多いが、そこは望み過ぎかね。Department of Eaglesの時は相方いたから
また違った感じだし、当初予想してたより上をいく内容で深みも十分。これがもう少しだけ
突き放してるとスノッブ過ぎるところをギリギリ聴き易い範囲にとどめてるのも職人芸です。
甘さはないし、神経質な雰囲気も強いからマス受けはないが、インディの範疇じゃない代物。


Deanna Petcoff – To Hell With You, I Love You (LP)

先行のM-6がすごくイイ曲だったんだけど、印象としてはそれがベストで似た方向性の曲が
金太郎飴的に並んでるLPを想像しちゃってたから、開けてみてごめんなさい…という感じ。
思った以上にしっとり、突き抜ける時にだけポップに舞い上がるメリハリよしのSSW作で
良かった頃のBEST COASTみたいな雰囲気を少し感じる。どちらかというとドスの効いた
声だけど単純にメロディがスウィートでパワーのある路線はAlex Laheyとかにも通じるが
こっちの方がだいぶマイルドかな。割としっかり実質バンドみたいだし、ここからもう少し
マスエモ入ったりしてくるともっと面白くなりそう。Royal Mountainって良いレーベルね。