GVVC Weekly – Week 200

Skullcrusher – They Quiet the Room / Quiet the Room (Official Video)

スカルクラッシャーのデビューアルバムから、タイトルトラックとそのバージョンが同時に
それぞれビデオを伴って先行公開されました。悪い意味で少し新機軸であった先の楽曲より
当初に志向していたアンビエント・フォーク路線で、録音現地のアンビエンス等も盛り込み
ナチュラルな表情のトラックになった“They Quiet the Room”と、かなり形を変えたものの
その原型である“They Quiet the Room”はブレイクしたピアノ弾き語り的な静の世界観です。
この2曲でアルバムをアナウンスすればよかったのにナンデこないだの曲が皮切りだったの。

Soft Blue Shimmer – Prism of Feeling (Official Video)

L.A.のソフト・ブルー・シマーがOther Peopleからニューシングルをリリースしビデオ公開。
アルバムのアナウンスなどはまだありませんが、サウンドの艶と完成度が一気にアップして
スケールが大きくなったオルタナ・シューゲイズサウンドがしっとり深い余韻を残す音像で、
淡めのボーカルとのコントラストもグッドです。前作のLPもなかなか素晴らしかったですが
順当に進化した感じで、日本受けが非常に良いであろう音楽です。ユニオン界隈で流行るね。
ラストのスロウダウンする展開がめちゃくちゃ効いてまして、コレがあるとないでは大違い。

Career Woman feat. Small Crush – Unfun (Official Audio)

弱冠18歳のキャリア・ウーマンがスモール・クラッシュをフィーチャーした両A面シングル。
こちらこの度公開された1曲目のトラックは割とガツンとオルタナのSSWバンドサウンドで、
客演の影響か一気に芯のあるたくましい音像になってます。今までの楽曲もたまに聴いては
結構いいなと思ってましたがもう一歩…と感じた部分がこれで解消されニッコリ満足の出来。
年齢を考えるとほんと素晴らしいボーカルと楽曲だと思うしパーマネントのバックバンドを
しっかり結成して、ガンガン頑張って欲しい。落ち着きと艶と儚さを兼ね備えた逸材ですね。

Silvana Estrada – Brindo

メキシコのSSW、シルヴァーナ・エストラーダがリリースする新作EPからの先行シングル。
両親とも弦楽器職人というサラブレッド、ギタレレサイズのウクレレ的な中南米楽器である
「クアトロ」を携えて弾き語られるフリーフォークは伸びやかで明瞭な、でも圧が強すぎず
どこかしなやかで清涼感のある歌唱がシルキーでとても美しいサウンド。凄くいいボーカル。
件のIron & WineとAndrew Birdのジョイントツアー中、一部日程でオープニングアクトも。

The Comet Is Coming – LUCID DREAMER (Visualizer)

来月リリースされるザ・コメット・イズ・カミングの新作アルバムから二つ目の先行曲です。
前回の楽曲は荒ぶる不穏なジャジー・ポストパンク・ジャムでしたが今回は打って変わって
じわじわと高揚させるスピリチュアル・ジャズのムードを纏った人力ミニマルポストロック。
重層的なアンビエンスと激モダンな音作りのコズミックなシンセの上で大暴れするサックス、
生々しいドラムの鳴りが完璧なマリアージュ。ひっぱらず3分半でサクっと終えるのも良い。

今週のLP/EPフルリリース

Why Bonnie – 90 In November (LP)

EPを何枚も出してたが、フルレングスはこれがデビュー作。名前が知れてからも4年くらい
経ってる気がするけど満を持してなんだね。さて、少し前まではリバーブがちょっと深めの
ドリームポップというか、シューゲイズ的な雰囲気も少し残ってどっちつかずな印象があり
ユニオンなんかではベッドルームポップ扱いされてたが(全然違う)その辺を完全に捨てて
一気に安定したオルタナ・インディロックの音楽性に。この進化が素晴らしく大正解だった。
エフェクティヴな音像は基本なく、リズムのギミックなども入らないので一聴して地味だが
粘っこいアンサンブルとカラっとしてアーシーなテクスチャーにエモとかテクニカル路線の
モダンなニュアンスが一切入らないクラシックなロックアレンジが完璧にマッチして美しい。
景色としては初期の頃のリアルエステイトをオルタナ寄りに振ったような感じでとても自然。
ボーカルが少し弱い気がするけどサウンドとは合ってるし、Keeled Scalesいいレーベルね。