代官山T-SITEの蔦屋書店にて、主に国内盤CDのライセンスリリースと、
リリースしたアーティストの招聘、日本ツアーの企画・協賛などをされている
PLANCHAさんのポップアップストアが11/15まで開催されています。
カバーアートのウォールでのリリース年表や(意外とありそうでないですよね)
ライブに行かないとなかなか実物を見ての購入は難しいであろう
TOPSのバンドTシャツなども展示販売されていますよ。
PLANCHAさんに関しては、GVVCとしても最近面白そうな流れを察知してます。
広義に海外インディのアルバムやEPリリースにおいて、
先ずデジタルリリースがあり、フィジカルは、ヴァイナルレコードとカセット
だけでいいよね、と言うスタイルが最も一般化しつつある昨今。
ある程度以上でかいレーベルのタイトルは依然CDも出ているようだけど、
特にほぼ自主リリースのような形だったり、
資本のない小さいレーベルとかだったりするともはやCDなんか作ってられない。
CDが一番最初に省かれるフォーマットなわけです。
一昔前は、ヴァイナルをプレスする余裕がないほど小さいレーベルだから、
(ヴァイナルの方が圧倒的に作るのに金がかかる)
フィジカルはCDのみのリリース、とかいうのがむしろ多かった気がするが、
もはやCDのみのリリースとかやるんならデジタルオンリーでええやろという世界。
確かにCDが一番中途半端な存在ではあり、どっちつかずな部分がある。
あくまでデジタル音源を、現代の尺度で見ると内容データ量に対して
あまりに無駄なサイズのディスクに突っ込んでる物体、って感じなので、
下手すりゃ欧米ではCDの生産自体が反エコロジー的な目で見られるような事も。
そもそもアナログレコードの音、カセットの音、ってのは確固たるものがあるが
CDの音って…?という感じだし。
(比較して”CDの音”というものが全くない、とは思いませんが、相対的に)
そんなこんなで、海外インディ本家のレーベルでは
CD版のリリースが初めから予定されてないアルバム等もどんどん増えてきている中、
欧米と比較して比べ物にならないほどCDが”still a thing”である日本でのみ、
“Japanese Edition”としてCDのライセンスリリースが続けられ、
結果的に、US/UKのアーティストなのに、その作品のCD版が
この世に日本盤しか存在しない、という面白い状況が発生するようになっていて、
先日リリースとなったのMr Twin Sisterの最新アルバム”Salt“や、
リリースが告知されたばかりのJulian Lynchの新作アルバム”Rat’s Spit“もその一つ。
(いずれもPLANCHAさんからのリリース)
そして、海外にもCD版が欲しい奴、集めてる奴ってやはり一定数、居るには居る訳で、
そういう海外の個人や店から、その日本盤CDのオーダーが入ってくるという
偶然生まれたような新しい形のマーケットが今ここに存在しているわけです。
日本でしかそのアルバムのCD作ってないんだから、もはや日本盤というのも
ある意味語弊があり、上記例でいくとCD版はPLANCHAからのリリース、となる。
そうなってくると、海外インディ音楽インダストリーにおける注目作、話題作の
“ここにしかないCD版”リリース実績が積み重なってくることで、
いわゆる”国内盤屋”的な事をしていた、ライセンスリリースメインのレーベルが、俄然
思わぬ形で海外に”日本のレーベル”として認知されてくる(実際きている)んですね。
だから、これはある意味日本のチャンスで、
“キラータイトルのCD版リリース元”という、思ってもみなかった新しいスタイルでの
海外のインディ市場における存在感の獲得を行った後、
今まで国内盤CDをリリースしてきた海外ロスターと並べても違和感ない音楽性を持つ
日本国内アーティストの作品を、満を持して、本家本元レーベルとしてリリースすれば、
非常に有効に国産音楽を海外へ訴求できるようになるんじゃないかなって思うんです。
そういう意味で、今PLANCHAさんがやってることってのは
すごく価値があって、夢があるような気がしてならない。
今後どうなっていくのか、ホント注目ですよ!