元クロマティックスのメンバーのうち「あの人」だけを除いた3人が連名で提供したゲームのサントラ楽曲をビデオ公開。
解散以降、ラスさんの客演やソロ作などもありましたがどうにもイマイチどころかイマニ、イマサンで「う~ん」となっていたところにコレは、感動のCHROMATICS新作と言っても差し支えない完璧なサウンドでしょう。シンセ・ドリーム・ギターと甘過ぎるメロディ、深い音響など肝心の要素は全て残ったまま、ミックスの仕上げやビジュアル面のディレクションなどで変にあのレーベルの色もつかず、むしろ上位互換と言ってもいいクリアーな仕上がり。
もうさ、名前変えてこの体制でこの先もずっとやればいい、絶対にそれが誰もが幸せになれる方法だよ。
Kokoroko – Sweetie
ロンドンのアフロ・ソウルジャズバンド、ココロコが7月にリリースする2ndフルアルバムをアナウンスし最初の先行曲を公開。
これまでここで紹介したことはないと思うけど、以前から悪くないなと思って少し聴いてた。インスト曲メインだったイメージがあるものの今回は客演トラックでもないのにそこそこ主役のボーカル入り。ジャズ、それも結構踊らせに来る作りなんで人力クラブジャズみたいなモノのがより一層、身体的に進化・深化してるタイプでモダンに洗練されてるのにフィジカルお化け力とすましたクールネスが共存し、そのバランスが絶妙です。アクティブのベースが腰にくるメチャクチャいい音出してる。
自分をブラックミュージックから遠ざけるものの最大要因、力強さ。熱を帯び過ぎて押し付けがましくなるあの圧が本当に苦手なんですが、インディ界隈に跋扈してる所謂ホワイトソウル的な方向性ではなく本当のブラコンで居ながらにして、これくらい平熱でさらっとやってくれれば個人的には嬉しいかな。
Lauren Dillen – One More Time For The Road
トロントのSSW、ローレン・ディレンが単発のニューシングルをビデオ公開。
一発録りでレコーディングされているこちらの楽曲、体裁としてはインディフォークでドラムやベースなどのバッキングがないギターと歌のみの構成ではありますが、いわゆる弾き語りというフォーマットではなく空間系タップリのギターが重なってくる編成になっておりましてアンビエント〜シューゲイズフォークがエッセンス程度に加味されています。
メロディの雰囲気は典型的なサッドガールインディの系譜とも言えるんですが語り口が中々リッチに感傷的で美しいのと、前述の空間系アドが絶妙にそのムード引き立てていて、全てがしっくりハマった会心の一曲感がありありと出ておりグッと来ますね。
Activity – In Another Way
NYのアクティヴティが引き続きWestern Vinylから6月にリリースする3rdアルバムをアナウンスし先行曲をビデオ公開。
LPのオープニングトラックでもあるこちら、大幅な路線変更はないですが、今回はより体裁を整えて取っ付き易くしたような雰囲気があり、これまでで一番ソリッドにダークなポストパンク・アートロックを展開してます。ズルズルと妖しく地を這うような展開を引っ張り、特にバーストすることもなく終わりますがアンサンブルの強度がかなり逞しく仕上がっていて、綻びのない強靭なグルーヴは真顔で聴いちゃうテンションが張り詰めていますね。
しかし、1stはもう5年前か〜、イマイチ掴みどころがないのはこの人Groomsの時からそうだけど、最初はガサっとした質感が残っていたのが2ndでちょっとレディヘ風になっちゃって、まあこの曲もまだ若干そのきらいあるけども、ようやく今作が待ちに待った完成品になるのかしら。前バンドの時から名盤作りそうで中々アタリが出ないっていうタイプで、なんとなくずっと追ってはいるものの期待を裏切られ続けている。ここらで頼むぜ。
今週のLP/EPフルリリース
Art Longo – Echowah Island (LP)
完全にノーマークでしたが、これは面白い作品。一応こう、ダブ…がメインと言っていいのか、スカスカのインディ・トロピカル・ダブ・ラヴァーズレゲエのラウンジポップって感じかな。
とにかく気が抜けていて洒脱、メロディは激甘で陽気というよりもはやちょっと冗談っぽさのあるふざけたムード。スウェーデンというのも妙に納得感あるが、頭に浮かぶのはTV Girl、Sun Araw、Psychic Reality、Taken By Treesなどで、それぞれ単独ではなくこれらの要素が渾然一体になってると思ってくれ。
すごく軽い作りの宅録プロダクションなんだけど不思議と安っぽくないし、半分ネタみたいな音楽性の割にはマトモに聴くに堪える。オシャレBGMもギリでイケる絶妙なラインで、考えようによっちゃ日本の渋谷系とも親和性あり。ホント他に無いようなサウンドになってるし、このカバーアートもまあしっくり来る内容です。