GVVC Weekly – Week 69

Okay Kaya – Asexual Wellbeing (Official Video)

オーケー・カヤのニューアルバムから新たな先行トラックがビデオカットで公開です。
導入部が長くて、実際に始まるのは1:22からですね。今回は特に歌唱がハマっていて、
ベタな80’s系サウンドに、かなり妙なことを口走る歌詞の女性ボーカルというとYACHT
みたいな感じもありますが、ブレイクのところなんかは声の響きがlali punaみたいですね。
この楽曲はリリックもすごく魅力的なので読んでみてください。
asexualなwellbeingをもたらしてくれる月並みなセックスってどんなかしら…。
デンマーク撮影の意味深な映像もなんかひっかかるね。


Loose Buttons – Fell Into A Hole

ニューヨークのルーズ・ボタンズが発表した新曲です。高速化した初期のストロークスに
厚みのあるエモ系のギターとけたたましいドラムを追加して勢いづかせたような音楽で
ブリッジに突入したらもう戻ってこずにそのまま終わります。その後半の部分も直球に
泣きエモアレンジというか、流れ任せにジャムって展開させたような雰囲気が出ていて、
家で腕組んでアレンジ練ってない感じは、バンドっていいねぇ~と思っちゃうわ。
フォース・ワンダラーズのエイヴァがハモリで客演していますがマジで目立ってなくて、
あんないいボーカルわざわざ連れてきといてコレかい。勿体無いってかムダづかいやろ。
後半部分にもっと大々的に起用して、Jejuneみたいな感じに仕上げたらよかったんじゃ?


HEALTH & XIU XIU – DELICIOUS APE

シュシュとヘルスのコラボ?さぞかし暗黒で刺々しいんでしょうね…って思うところを
意外と聴きやすくて展開のあるフォーマットに仕上げてきた。両者の単独作品よりも
下手したらキャッチーで、ノイズ系のポストパンクにエレクトロニックビートを乗せて
破壊的なムードからブレイクにピアノ系の音色なんかも使いつつ、ボーカルはしっとり
ちょっと美麗なニュアンスも…というと、These New Puritansあたりのイメージと
近いものになってますね。途中でジェイミーの必殺癇癪発狂ボイスも炸裂してます。


Cindy Lee – Heavy Metal

ウィミンのメンバーで、ヴェトコン(プリオキュペイションズ)に参加しなかった
パトリックによるユニット、シンディ・リーの新作アルバムから先行トラック。
Womenでも見られる、ザラついたガサガサなサウンドの中、オールディーズ系の
バラード・メロディが遠くで響き、まどろむようなサイケデリック感を湛えてます。
この、どこまでも乾いていて鋭利なギターの音色なのに、かなりロマンティックな
フレージングが飛び出すのと、Heavy Metalという名付けの妙が、すごくいいですね。


Yumi Zouma – Right Track / Wrong Man (Official Audio)

ユミ・ゾウマがポリヴァイナルへ移籍です。でもこの曲さ…別にこのベースラインが
そう珍しいモノだという気は無いですし、あえてパクりだという気も全く無いですが、
“あの曲”が近年これだけ流行って、キーは違えどBPMも4つ打ちも同じで、メロディも
少し引っ張られてるし、女Vo空間多め、パルス系のシンセレイヤーと、類似点が多く
どうしても彷彿としてしまいます。本人たちもね、繰り返し聴いてて気付かないワケ
ないんですよ。もちろんはじめから狙ったわけではなく偶々かもしれません、
でもそうだとしても、あれほどのヒットソングが他所にあるなら、避けようとするよね。
そう遠くない世界にいて、あの曲を知らない筈は無いしさ。そういうとこやぞ。


Nilüfer Yanya covers Frank Ocean ‘Super Rich Kids’ for Like A Version

ニルファー・ヤンヤがフランク・オーシャンの1stから有名曲をカヴァーです。
この組み合わせ見た瞬間、良さそうだなと思ったのですがさらにその期待を超えてくる
素晴らしいアレンジで、ラウンジーだけどすごいドープな、ズシンとくる名演。
これはちょっとスタジオ音源化して欲しいレベルですね。文句のつけどころがなくて、
オリジナル楽曲だったら年間ベスト級。これどうやってこの編曲に落ち着いたのかな…。


Moses Sumney – Polly [Lyric Video]

モーゼズ・サムニーの新曲はほぼアコースティックの弾き語りですが、
重ねのギミックコーラスや少しだけのSEが入ってきます。すごく良いボーカルで、
エフェクトの掛かったファルセットと地声を行き来しながら多彩な雰囲気で飽きない。
弾き語りスタイルとはいえ表面的には何だか派手な雰囲気でちょっと不思議です。
ちなみに新作アルバムの前半部分は来年2月、後半は5月に出るそうですがマジで
意味がわからない。最初から5月にまとめて出すか、作品分ければいいだろ!
分断されてリリースって同じ作品の意味がないっていうか、同じ作品になってない。


Blue Hawaii – “Trust” (Official Video)

従来よりかなりダンサブルに進化したブルー・ハワイの新作からビデオカットです。
こちらクラブでのライブ版トラックとなっており、妖しい踊りや”JUST DO IT”的な
光るスニーカーのカットが挿入される中、ダビィなリバーブ処理されたサックスや
ボーカルが舞う、抑えの効いたスタイリッシュな80’s風ニューウェイブ・ディスコで、
ヒューマン・リーグがクラブミュージック化しちゃったみたいな感じにも聴こえるね。