GVVC Weekly – Week 177


Melody’s Echo Chamber – Personal Message (Official Video)

メロディーズ・エコー・チェンバーの新作アルバムから二つ目の先行曲がビデオで公開です。
DungenとThe Amazingのメンバーが参加した強靭なアンサンブルで実にスケールの大きい
フォーキー・ネオサイケ・ポストロック絵巻になってまして、まさにメロディ本人の特色と
参加メンバーの本体バンドが持つカラーが完璧に融合した密度の高い作り込まれたサウンド。
確実にハイライトで、前回の曲と合わせてこれは最高傑作になることがほぼ確実化しました。

Luke Steele – Armageddon Slice

エンパイア・オブ・ザ・サンのボーカル、(Pnauじゃない方)ルーク・スティールのソロ。
The Sleepy Jacksonというバンドもやっていましたが、このソロプロジェクトではなんと
驚きのフォーク路線ということで、あの特徴的なボーカルがそのままのかたちでウォームに
ジェントルに揺れる半アコースティックのシンセSSWポップみたいな面白折衷サウンドです。
いつもの露悪的な側面が完全に無いわけではないのですが、比較的控えめで聴きやすいね。

Abbie Ozard – Pisces (Official Video)

マンチェスターのSSW、アビー・オザードが7月にリリースするEPからの先行曲を公開です。
うお座とふたご座は相性が悪いのね…みたいな恋愛の話ですが、歌詞を聴く感じは趣味から
何から本当に合わなそうなんですけどなんでそいつが好きなんですか?ってレベル。ただね、
このちょっと軽薄というか気の抜けた雰囲気とドリームまでいかないスパークル・ポップが
うまいことDIYインディの雰囲気に収まりが良く、メインストリーム予備軍コンサバ音楽と
正直ギリギリのラインではありますが、今週は競合が少ないのもありすんでのところで入選。

Pavement – “Harness Your Hopes” (Official Music Video)

トピック性という意味ではスルーできないかなと。もちろん新曲じゃありませんよこれは。
ペイヴメントの5thの有名な1曲目が当時、EPで発表された際にその2曲目に収録されていた
この楽曲、特別な扱いではなかったが昨今のストリーミングとそのオートサジェストによる
謎アルゴリズムの力でヒットし、TikTokでまでヴァイラル化してるってんで20年以上の時を
超えてこの度、MV化という話です。これってAIにブーム作られてる感じですごく厭ですね。
映像の内容的には当時のペイヴメントのビデオを真似っこしていくというありがちな奴です。

今週のLP/EPフルリリース

Rex Orange County – WHO CARES? (LP)

先行曲もそこそこ良くて掲載を迷ってたが、個人的にコメントがみつからないタイプなのと
どうしてもあの曲の一発屋感がまだちょっとくすぶっている感があるのは否めないところで。
本当にキャッチーでポップな、大衆化されたスタイリッシュさというかApple製品のCMに
起用されるベクトルのモダニズム。まあインディにもギリギリいける範疇ではあるんだけど、
ここまで臆面もなく間口の広い音楽に仕上げられると、変な話ベンフォールズとかがアリか
どうかっていうのと近くて、むず痒さはある。あとは人工甘味料をどこまで加えるかの判断。
目玉であろうタイラー・ザ・クリエイターを迎えた楽曲なんかもう完全にインディソウル版
オッドフューチャー印サニーサイドR&Bポップという仕上がりで、両者の良さが完全融合の
愛らしいサウンドに。もう少しだけ甘さを抑えて、深みも兼ね備えた音楽を作って欲しいな。


Wednesday – Mowing the Leaves Instead of Piling ’em Up (LP)

選曲が物凄く良いってのもあるが、完全に自分達のサウンドにしてオリジナルアルバム並の
まとまり具合は、原曲の魅力すら更に引き立てるマジックが成立している。その中でも白眉
M-1のゲイリー・スチュワートのカバーは本当ミラクル、これありきでこの作品出すことに
なったんじゃないかと思うほどのクオリティ、何か違った意味での真のオルタナカントリー
というか、オリジナルと見紛う(聴き紛う)ほどの馴染み様です。この拡散した粒子を纏う
ソニックユースのいいとこだけ抽出したようなギターワークとやさぐれ過ぎない歌心エモい
ボーカルの組み合わせ、たまに男女ツインになっちゃうのも効いてて素晴らしいバンドだね。


Junk Drawer – The Dust Has Come To Stay (EP)

M-1の出だし数秒を聴いてもうこれは大好物のバンドサウンドと確信。まぁインディサイケ
っていう範疇、Woodsistや今のFiretalkがリリースするようなバンドからヒッピーの成分を
完全に取り除いて、UK側の流行りのポストパンク勢みたいなフィーリングを相当加えた音。
少しだけノスタルジック系の趣も入って、ディアハンターからOMNIやOught辺りの亜種的な
捉え方もできる。2年くらい前の聴いたらもっとクラウトだったりストーナーっぽいのまで
あったりとまだまだ定まってない感じで、ずいぶんマイルドになってきたのかな。全体での
アンサンブル音とボーカルが良いから、もっとソングオリエンテッドな路線に進んで欲しい。