GVVC Weekly – Week 178


mad honey – “Odds” (Official Music Video)

オクラホマのバンド、マッド・ハニーが潔くプロモ’22と名付けたシングルのA面曲ビデオ。
なんだかんだもう4年目でそれほどニューカマーというわけではないようですが、今年から
メンバーが増え一気にバンドらしいサウンドに進化。深く歪んだオルタナ・シューゲイズは
あまり空間系に依存したタイプではなくダイナミックな躍動感のある重めの路線にふらりと
影がありつつ華もあるような、薄めのボーカルが結構いい味出してて特徴的なのがポイント。
少し軽薄というかまだ深みが足りないのと、影響源が狭いのもあり音楽性の引き出しが若干
少なく感じるが、昨年発表してた楽曲から飛躍ぶりが凄いのでこのスピードで伸びて欲しい。
しかしこのバンド名どうなんでしょう、音的にはMUDHONEYと同じになってしまうので…。

ROSALÍA – HENTAI (Official Video)

ロザリア単独名義の楽曲を掲載するのは多分初めてですよね。LPもリリースになってますが
あえてこの最終シングル単独レビューとさせてもらいます。結局、フルオケのトラックだと
どうしてもイカツい仕上がりになってしまうのが気に入らないため、こないだのOPN客演や
今回の変わり種が圧倒的に良く聴こえるわけ。本当にいいボーカルだと思うから、もう基本
レフトフィールドかインディの人らにプロデュースさせて欲しい。なんだかんだで最後には
暴力的なブレイクビートがカットインしてくるんですけど、こういう使い方なら許せるかな。
レゲトンとかダンスホールってのが陰キャには一番キツイわけで、多分彼女のそれは中でも
マイルドな方なんだろうとは思うけど、結局美人のヤンキー妻眺めてる気分になるというか
カミラ・カベッロとかでも感じる、最高の素材をなんでこんな見せ方するのっていう胸糞ね。
シメの「う〜ん、変態!」はナチュラルボーン・空耳アワー(空耳じゃない)に認定します。

Hollie Cook – Full Moon Baby (Official Video)

ホリー・クックが前作に引き続きマージからのリリースとなる新作アナウンスし先行曲公開。
インディロックが入ったラヴァーズ・レゲエっていうサウンドで、楽曲構造は結構本気でも
音がガチな本場ものほどアクが強くなく、オーセンティックに響いた聴きやすいポップス像。
シンセやダブのレイヤリングと重量感、全体のバランスもホント丁度よくスムーズでイイし、
見た目で警戒するソウルっぽさはその実、薄いのが一番プラス。ピストルズのドラマーの娘。

Pina Palau – Swallow The Pain

スイス・チューリッヒのSSW、ピナ・パラウのニューシングルは、本年中を予定されている
デビューアルバムにも収録予定。一つ前の楽曲などはレイドバックしたインディフォークで、
ゆるやかな雰囲気だったのですが今回は一転ファズかましてガンツンとオルタナカントリー。
最近の感じでいうとKaty KirbyあたりのラインでいわゆるSSWバンドの典型サウンドです。
美人で愛嬌もよくコミュ力モンスターで、パーティでめっちゃモテるある女性を見て主人公、
「彼女みたいに笑えたらなあ…でも私、すきっ歯だから口笛吹けるし!
彼女みたいに笑えたらなあ…でも私、すきっ歯だからウィパーボイスだし!」
ってイイ歌詞。

Alex G – End Song | We’re All Going to the World’s Fair (Original Soundtrack)

アレックスGが担当した映画のサントラが来月リリースなので、そちらから唯一(おそらく)
本人の歌唱も入ったクロージングトラックを先行公開。映画の内容と彼のサウンドが本当に
雰囲気マッチしていて、やっぱ小規模な映画の方が全て監督の真の趣向のみでコントロール
されていると感じる分、魅力的だね。いわゆるインターネット上でのこっくりさんみたいな
SNSモノなんだけど、描写がリアルというかありそうな感じで素晴らしい。残念な事ですが
当たり前というかなんというか絶対に日本公開は無いでしょう。ちょっと全編聴いてみたい。
「万博に行きたい」っておまじない唱えると何か起こるらしい。映画のトレイラーはこちら

今週のLP/EPフルリリース

Babeheaven – Sink Into Me (LP)

これおそらく自主で、フィジカルはきょうび珍しいおみくじ付きのCD-Rでのリリース(泣)
先行のM-4を紹介してましたが、全体的にはもっと振り幅が広いマイルドなインディ音楽を
総なめしていくスタイル。共通してるのは質感がソフトかつライトでややアーバンというか
どこか冷やっとしたようなクラブの風を纏っているのが強烈にUKもといロンドンっぽさを
感じさせるポイントかな。メロディも音色も実に薄く塩味でパンチに欠けるのは否めないが
このインディソウルもオルタナもポストロックもドリームポップも全部やります何ならR&B
ヒップホップもやりますっていうスタンス、かつごった煮のゴチャゴチャした感じにはせず
すかしたクールな創作料理として成立してるのは意外と稀有。あとは強度とコクってとこね。