GVVC Weekly – Week 195


Hyd – Afar (Official Video Transmission)

QTの名で活動していたヘイデン・ダンカンの新名義ヘイド(ハイド?)が新曲を公開です。
引き続きPC Musicからのリリースでキャロライン・ポラチェックの全面プロデュースかつ
共作クレジットがなるほどなサウンド。完全にちょっと前キャロラインがソロでやってた
音楽性をポップスとして収まりよく進化発展させたような内容でかなり素晴らしいと思う。
なんかショップでかかってるのが想像できる、わかりやすく洗練されつつ程よく歌モノで
コンテンポラリーにエッジな響きと外形的にはR&Bという最高にコマーシャルな芸術作品。
ちゃんと商品としての強度とアーティスト性が両立してるこのバランス感覚はマジすげーよ。

Pool Kids – Arm’s Length [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

タラハシーのプール・キッズが来週にリリースするセルフ・タイトルのニューアルバムから
三つ目となる先行曲ビデオ。最近増えてきた、重めギターがザクザク入ってくるemo基本で
ポップロックのオルタナ増しみたいなサウンドで女性ボーカルも力強く非常にキャッチー。
ベース部分のテンポも掴みも良いのに、脇で挿入されるフレーズの細かいアレンジ部分にも
小技が効いていて飽きない構成。中高生が聴いてるバンドポップスがこんなんだったらもう
最高だなという感じの音楽。終盤の展開なくて3分弱で終わったらもっと素晴らしかったな。
しかし、ミッドウェスト系の専売ディテールだったクリーンタッピングやギターとドラムの
シンコペでリズムをどんどん展開していく演奏がもう広く浸透していていい時代になったね。

Indigo Sparke – Pressure In My Chest (Official Video)

引き続きセイクリッド・ボーンズから10月にリリースされるインディゴ・スパークの新作が
アナウンスされ、最初の先行曲がビデオで公開されました。今回あのアーロン・デスナーの
プロデュースが入っているらしく、前作のアーシーでフォーキーな路線とはかなり趣が違い、
穏やかにポップなSSWバンド的サウンドに進化しています。ボーカルがピリっとシックなの
引き続き武器ですが正直クオリティや間口は広がったものの、いまひとつ個性に欠ける気が
しないでもない。しかしこの曲、コーラスは繰り返しですが他の歌詞がほんと美しいですよ。
媚びない清涼感は残して欲しいとこで、他の曲聴いてみないとなんともですが、楽しみです。

Teen Suicide – “get high, breathe underwater (#3)” (Official Audio)

4月に久々の新曲をリリースしたティーン・スーサイドが正式に復活アルバムをアナウンス、
先行曲を公開です。抑圧されたメランコリックさはちょっと精神的に不安になるこの独特の
調子がもうザ・ベッドルームポップというローファイ万華鏡サウンドと絡み合う優しい世界。
メンタル元気な陽キャとリア充は心の底からお呼びで無い、生きるの辛い人だけに向けらた
賛美歌って感じで刺さるところには刺さるバイブルでしょう。なんだかんだ超アメリカ的で、
こういう懐の広さが凄いというかある種これもキリスト教文化の深層な感じがしますけどね。

SDF – ‘Can’t Get High’ (Official Video)

ニューカッスル発、ノースイーストロンドンで活動するSDFが8月にリリースする新作LPより
最初の先行曲はいわゆるニューオーダー流れのシンセ・ダンスポップで目新しさは無いけど、
ほんとザ・青春って感じのサウンドは煙たくアンニュイなディスコとして機能する陰の音楽。
若者がふらり入ったクラブで偶然かかっているのがコレであるならマス層がもっとまともな
文化的成熟度になるでしょうこの国も。泣きながら踊るようなやぶれかぶれ感も良いですね。

Mykki Blanco – French Lessons (Official Video) ft. Kelsey Lu

ミッキー・ブランコが10月リリースのニューアルバムをアナウンスし、先行曲をビデオ公開。
今回は客演がとりわけ幅広く豪華みたいで、ディヴェンドラ・バンハートとかヨンシーまで
参加してるみたいですがこの楽曲はケルシー・ルゥをフィーチャー。微かにエレクトロニック
香るやけつく愛の夕暮れオルタナソウル・R&Bトラックで本人もいつになくほぼ歌唱もとい
「喋り歌い」に徹してまして、これ前情報なく聴いてMykki Blancoのリリースと思わないし
リスナーの裾野を広げるという意図が感じられるディレクション。本人出演の映像も良いね。

今週のLP/EPフルリリース

Nightlands – Moonshine (LP)

War on Drugsのパーマネントメンバーってわざわざソロの時に言うのも失礼か、もうこれ
四作目なのかな?一つ前からWestern Vinylに移籍してたけどレーベルにすごく合ってるし、
今回は過去最高傑作。重層的なコーラスのレイヤーが聴いたことないようなレベルの深みで
よく練られた凄い存在感。それと元々あるAOR的なムードがうまいことシンセ・ウェイヴの
ドリームソウルに融合したリゾートの海辺で星空を見上げるビッグ・リバーブの天上音楽は
インディやオルタナに適性がない人にも訴求できる凜として素晴らしい音楽の佇まいがあり、
なんか一つの到達点を感じる出来栄えです。これはもう好みを超えて広く聴かれるべき作品。