GVVC Weekly – Week 81


Perfume Genius – “On The Floor” (Official Music Video)

パフューム・ジーニアスの新作アルバムから2つ目となる先行トラックのビデオ出ました。
す、すごい…。前回の新曲も素晴らしかったですが、ちょっと違った路線に突き抜けており
珍しくバウンシーというか、若干ダンサブルにポップなサウンドでこれまた新機軸ですね。
解散してしまったYeasayerすら彷彿とさせるような楽曲で、想定外ですがボトムは軽めに
調整されていて、マキシマイズされ締まった感じのミックスではありませんので、その辺で
色彩と線の緩さを保っており、芸術点高いままにこの音楽を提示できてます。伝わるかしら?
ポップスになりそうな時は音のメリハリの部分でアンニュイさを出すと無事アートでいられる
というところですね。しかしこの人すごいな、デビューからずっと1枚も駄作ないじゃない。
まだ二曲ですがこれはアルバム絶対外さないでしょう。大推薦、ヴァイナル押さえときます。

Shura – elevator girl (Official Audio)

シャウラの新曲はアイヴィー・ソールをフィーチャー。今までにない次元で本気R&Bしており
とてもソリッドな仕上がりで、スゴク良いね。これ知らないで聴いたらインディ系の人だとは
気付かないかもしれない。しかしIvy Soleもほんといい、2018年に単独作品を紹介したと
思います。タグでneo hip hopを自称してる通り、いい意味で軽くて黒すぎないから普段の
インディの流れのまま自然と聴けるんですよね、ラップとはいえ。

Tropical Fuck Storm – Suburbiopia (Official Video)

昨年素晴らしいアルバムをリリースしていたOGはトロピカル・ファック・ストームの新曲。
前作を紹介した時も書いたけど、一言で説明できない音してる。エクスペリメンタルにしちゃ
聴き易いし、オルタナもポストパンクもしっくりこない。芸術点が高いんで、アートロックに
なるのかな…音が結構ヤサグレめの尖り方してるんだけど、行き過ぎてなく、只々格好いい。
ボーカルが流動的で色んなメンバーがリードをとるのもいいですね。息が詰まりそうな緊迫感
あるようで、抑圧的ではないんでどこか開けてて鬱蒼としてない。ジョイフル・ノイズから。
Your only chance, to evacuate, is TO LEAVE WITH US

Kate NV – Sayonara

前作で来日もしてたケイト・シロノソヴァの新作LPは6月に引き続きRVNGからのリリース。
詳しくは知らないけど前もBinasuとかあったし割と日本語びいきな彼女、サヨナラとのこと
ですが、音は正直全く変わってなくて前と同じだね。ニューウェイヴ・テクノ的な音色を
多用しながら、構築的な楽曲でシュッとした鋭めのテクスチャーに仕上げてアウトプットは
結構ポップという売れそうなサウンド。知的すぎないこのとっつきやすさが多分いいのね。

Control Top – “One Good Day”

昨年のデビューアルバムがなかなか素晴らしかったコントロール・トップが早くも新曲です。
端的に言うとやはりポストパンクでしかないのでしょうが、ちょっと過度にロックぽいこの
ギターがいいんだろうね。しかもカラっとしてなくて割と湿った歪みな上、ドラムも結構太め
のサウンドしてるから、全体の表層的な音像がポストパンクじゃないんだよね。楽曲とか、
歌い方は完全にポストパンクなんだけどさ。まだ前作の延長でしかないし、アルバムの先行曲
ってわけじゃないみたいだから今後も注目かな。意外と間口広そうだし、まだ進化しそう。


K A G – VIRGIN MARY FAN FIC

Priestsのケイティ・アリス・グリアがソロ名義で2EPとシングル1つを三作同時リリース。
これはコロナ流れのbandcampのレベニュー・シェア無料デイに合わせた動きの一つでして、
どれもちゃんとした作品ではない。ただ、片方のEP1曲目ですがコレだけ妙に良かったので。

Thundercat – ‘Fair Chance (feat. Ty Dolla $ign & Lil B)’ (Official Audio)

正直この辺まで積極的に触ってるとキリがないので、普段からチェックはしてても外してる。
でも今回は特にカッコいいなと思ったからどうぞ、サンダー・キャットの新曲です。かなり
ラウンジ寄りの、アトモスフェリックR&B的な方向性に落ち着いているので、悪い意味での
特徴であるバカテクフュージョン感がなくて聴けるんです。ベースは本当に最高だからさ、
個人的にはいつもこれくらいのバランスでやってて欲しいんだけどそれは難しいんだろうね。
だってこれ、故マック・ミラーへのトリビュート・ソングということでのこの出で立ちよ。

Early Eyes – Marigolds

日本って本当、こういうコード感に弱くて、大人になるまでにこれをオシャレと思っちゃう
刷り込みが、種々の要因により自然とされてしまう。だから昔にスウェディッシュ・ポップが
流行ったのも、昨今のシティポップも、なんなら渋谷系もだし、それがそこそこヒップな文化
扱いとして、マスに伝播し消費される背景があるよね。誤解を恐れずにいうと、ある意味では
ヌジャベスの神格化にだって影響してる部分だし。そしてJetSetのような店があり、そういう
方向性でのマーケティングというか市場作りがずっと日本と噛み合ってるんです。ハマるの。
何が伝えたいかというと、この曲聴いた俺の感想って”うわJetSetくさっ!”なわけよね。
あと面白いのはなんと、この音でエピタプからのリリースです。意味がわからないよ…

この曲とかも、日本の特定層をメッタ打ちにするために作られたような音のオンパレード。
本人たち多分そういう意識ではないだろうけどね。

Cayn Borthwick – Keep Me

メルボルンのミュージシャン、カイン・ボースウィックによる本人名義のソロプロジェクト。
ややレイドバックしたチル・ラウンジーなへっぽこサウンドにサックスが踊る謎サウンド。
チープとも言えるが、なんかあまり聴いたことのないムードが出ていて不思議と愛嬌があり、
キャッチーです。なんなんだこれは…クラブジャズ・エレポップのようなコンポジションを
宅録ローファイのマナーで解釈したような楽曲というか、かなり中毒性ありますね。面白い。
出たの先週なんですが取りこぼしてました、ちょっと勿体無いくらい良いので例外的に。

こちら収録のアルバムは来週にリリースです。なお後2曲ほど先行で出てますが、また違う
テイストで、かなりコラージュ、エクスペリメンタル寄りだったりと、相当な謎サウンド。

The Weeknd – Repeat After Me (Interlude) (Audio)

正直あんま載せたりしたくない対象だし、アルバム全体では微妙ですが、インタールードが
一番イイというね。Tame Impalaの奴とOPNのプロデュースというのでまさにそのイメージ
通りのサウンド。ダウンテンポR&B的なものにこの手のベースってハマるんだよね〜。

リトル・ドラゴンのこれ思い出したね。

今週のLPフルリリース

Empty Country – s/t (LP)

もっと前に出てるはずだったのにTiny Enginesの騒ぎで移籍し、改めて4/24リリース予定
だったのが、コロナ騒ぎでプランがめちゃくちゃになり、bandcampの全額還元にあわせ
今度は急遽なし崩しの3/20リリースへ。サポートの流れ自体は別にいいのだが、流石にさ、
ちゃんとしたオリジナル新作アルバムの、別で決まってた発売日をその還元日に変えちゃう
ってのはさすがに、正直複雑な感情がわくよね。切実さもわかるけど、デモとか、予定を
告知してなかった作品をポンッと出すのとはワケが違うというか…。内容は手堅い感じで、
シンバルズ・イート・ギターの割とそのままに少し落ち着いたようなサウンドなんですが、
バンドのボーカルソロ作の王道的なところよりはもっとバンド然としてはいる。声がいい。

日本のリリース

TANGINGUGUN – 安い呪文

Give Me Little More.オーナーにして松本のみならず日本のDIYインディ文化圏においての
重要人物、新美さん率いるタンギンググンの2ndが出ました。いちばんの特徴は純・和風の
情緒豊かな男女ツインボーカルだとは思いますが、トロトロの深海コーラスまみれなギター、
トレモロ・ドリームにダビィなサイケジャムと、個人的にはシューゲイズ、ニューウェイヴ
由来のものではなく、USヒッピーな方向性から派生した自然派の夢想感が充満してて、凄く
耳馴染みがいい。リズム組も飽きのこないもので、こんなバランスのバンドは他に居ないね。


Violent Violette – random cover vol.1

モスクワクラブのアルバムにも参加してた、WallflowerのEriさんによるソロプロジェクト。
なかなか乙な選曲のカヴァー集ですね。声がめちゃくちゃいいと思うから、オリジナルを
やって欲しいなー。