Luby Sparks / Say Sue Me 01/17/2019

Luby Sparks / Say Sue Me
<Thursday I don’t care about you> @ Shibuya WWW X

全く予定になかったのですが、ちょっと縁あって行くことになり、
思うところあったので簡単にReviewします。今後レポートもやっていこうかな。

Say Sue Me
Luby Sparks

Say Sue Me
歌の子が謎に日本語堪能でMCはオールin Japanese。多分留学してた?のかな。
ベースの子が使ってるのがシグネチャーモデルで世界に一本しかないみたいな
ことを言ってたような気がする。お手本のようなAltギターポップという感じで、
目新しいことはないんですが、メロは甘すぎず、そこそこに骨太なサウンド。
実に楽しそうに演奏してて、本当に好きでやってるって感じが良かったですね。
絶対彼らも自分の国ではクソoutsidersなんだろうし、
いろんな意味で周りの環境に対して相当やり辛い中、頑張って
ここまで来てるってのが痛いほどわかるので、ある意味では応援せずにはいられない。

Say Sue MeはPRにRiot Media Actついてるということで
StereogumやFADER、Pitchforkあたりへのメディアカバレッジ有りのため
今後いいとこへ移籍することもあるでしょう。音的にはKanineって感じだけどどうかな。
名のあるメディアへの露出は本当にPRが全てなので、皆さんも
いろんなバンドやアーティストのfacebook調べたらいいですよ。
ブッキングエージェントとPRをどこに頼んでるかわかるし、その辺抜きで
リアルに発見され、PRヘの投資ほぼなしに持ち上げられてるのなんて
最近だとMen I Trustとかごく一部のexceptionだけです。
ブログスフィア大全盛の7~8年前とかはまだ違ったかもしれないですけどね。

Luby Sparks
バンド名は例の映画から拝借したであろうことが明白なルビー・スパークス。
最初の頃はもっとストレートにギターポップなのかなと思ってましたけど、
歌の子が代わったみたいで、ゴシックとかダークな方に振り幅が出たみたいですね。
格好的には、コートニーラブとか多分好きそうな、
気怠げなグラマラス・グランジロックスタイルの子で、イメージとしては
Sunflower Beanのジュリア系。
彼女の雰囲気が、ちょっと耽美入ったスロウダイブ路線の楽曲にすごくハマってて、
全体的にギターポップ系と4AD風な方面とのバランスがいいと思うし、似合ってる。

リードギターの子はいかにもギタポやシューゲのバンドにいそうな
マッシュヘアにボーダーTシャツって感じだけど、ブレインと思われるベースの子は
言うなれば美容師系で、一昔前にガレージロックとかエレクトロやってたら普通だが、
敢えてギターポップに行ってるところがある意味新しくて、すごく好感が持てます。

バンドは絶対音楽だけで語れず、ルックスと雰囲気が重視されるのは仕方ない。
フロント二人がいわゆる原宿・美容師、って感じの界隈と親和性のあるナリだけど、
それでいて中身は完全英詞のギタポ・シューゲイズって日本では今までなかったはずだし
(少なくともそのままでSPACE SHOWERなんかがつくレベルになるってのは)
今後、彼らがどこまでいけるかってのはかなり試金石。

国内でファッション側からカルチャーに影響力ある人らが
USインディ、ギタポ、ネオアコ、シューゲをもっと触ってくれないとダメなんですよ。

クラブミュージックや不良ロック、パンクみたいにちゃんと定着させないと
市場が成立しないし、ちゃんと根付いていかない。
どうしてもルックスがいいとかオシャレとか、音楽にそこまで強くは興味ないって人たちの
憧れの対象となりうる人たちが扱ってくれるようになって、漸く価値観が伝播されるので。

インディ音楽を非モテとかオタクの聖域みたいにしてちゃダメ。
やはりそれで食えるようになる人が出る、
文化として成熟し、市場が成立するってのに越したことはないですからね。

本当に末端のリスナーが自主的に音楽掘ってくれる事とかは正直期待してはいけなくて、
こう、アイコンと成り得る人たちが流布して欲しいんです。文化ってそういうもんでしょ。

ともかく、今の路線はバランス的にかなりいいと思うから、
あとは誰もがそれを聴きにライブ観に来たくなるような代名詞となりうる曲が
1つでもいいから欲しいところ。一番近いのは今のとこ”Thursday”かな思うけど、もう一声。
個人的には少しモグワイ系みたいになっちゃう大仰な楽曲は正直いらんと思うから、
もうちょっとコンパクトな路線で攻めて欲しいかな。
イベント名もせっかくキュアーからとってるわけだし、ポストロックには行かないでいいね。

あとは、bandcampとかsoundcloudで新曲を公開していかないスタイルってのは
今日びやっぱキツいかな。
まぁその辺はスペシャの囲い込みというか、大資本の息がかかってる宿命なんでしょうが…。
インディって何ってなるよね。
海外でRecとかツアーってのも金がないとできない。


Luby Sparks – Thursday

これはボーカリストが変わる前。


Luby Sparks – Perfect

これが今の編成。最新作の中ではこの曲が推しのようです。
ディレクターがAdi Putraというインドネシアの人で、
QuiltのMVなんかを手掛けてる。
日本の音楽紙Nero用にもDIIVとWild Nothingのカットを撮影したりしてます。