GVVC Weekly – Week 103


Divino Niño – Made Up My Mind (Official)

Winspearの看板バンドの一つ、ディヴィーノ・ニーノがシングルをリリースです。アルバム
情報などはなし。個人的に好みなレーベルがもうずっと推していることもあり、チェックは
していたのだがどうもイマイチ好きではなかった。このバンドに限らないが、トロピカルに
甘いソウル風でシティポップ側にもアプローチできるように、みたいなのはそれだけで辟易
してしまうんですよね。この人達はそこにラテンアメリカの香りも少しするようなイメージ。
サックスにトランペット盛り目で今回は少し大人に、ジェントルさを強調していて、軽く
ニューエイジ系の香りすらしている。マーケティングの側面が強い流行りサウンドっぽさが
減退してるから俄然、流しといても苦じゃないものに。それでも軽薄な感じは残るけどね。
ちなみにこのカバーアート、絶対Robert Beattyだろと思ったら違うのね。意識してるって
次元じゃないと思うが…まぁ、今や本人に頼むのいくらかかるのか分からんしそらそうか。

Blue Hawaii – Feelin’ (Official Visualizer)

来月出るブルー・ハワイの新作EPから、新たに先行トラックがヴィジュアライザーで公開。
もう明確に、ボーカルハウスのユニットということでいいんじゃないかな。さすがに4分で
終わる尺がクラブ4つ打ち仕様ではないかもしれないけど、下の音もスッキリと締まってるし
インディが冗談で導入してる次元をもう越えてる。どこで止めるのかな、ボーカルが異様に
良い歌もモノのハウスって好きだから、今のこの位のバランス感はすごく好みなんだよね。

Noga Erez – YOU SO DONE (Official Video)

イスラエルのSSW、ノガ・エレズのさらなる新曲はロボットアームの凝ったMVで登場です。
前回の新曲でめっちゃメインストリーム化してたからビックリしたけど、これは一転元通り
1stのまんまのサウンド。どうしたってM.I.A.の系譜だから最低限このくらいの重さというか
ドープネスは欲しい。それでもかなり聴きやすい部類だと思うし、トゲトゲしすぎない音の
アプローチだからちょうどいい塩梅だと思うんですよね。社会派も音の多様性が欲しい所。

Loma – Half Silences [OFFICIAL VIDEO]

シアウォーターのメンバーやクロス・レコードのエミリーらによるロマ新作2つ目の先行曲。
出る曲、出る曲、紹介してる気がするがそれぞれの本家バンドの音を考えた上でどうしても
シナジーが素晴らしいと感じるコラボユニットだからそれだけで嬉しくなっちゃうんです。
ドラマチックな色付けをしないで仕上げたBat For Lashesみたいな楽曲で、相当淡々とした
ビートに控えめなウワモノの装飾が、コード進行とメロディだけで考えるとセンチメンタル
過多になりかねない所を、芸術点高く仕上げてます。引き算の美学というか、絶妙ですね。

Cartalk – Las Manos

L.A.のチャック・ムーアによるカートークのデビューアルバムから、4つ目の先行トラック。
これが公開されてきたもののうちで圧倒的に一番いいです。全体的にはオルカンやパワポの
振り幅もあるオルタナUSインディロックなのですが、この楽曲は特に歪みっぷりが格好いい
Built to Spillをシャキっとさせたようなサウンドの上で、ダブルにミックスし揺れを加えた
女性ボーカルが乗るダイナミックな構成。アウトロ付近のジャムパートもゾーン入ってるね。


Kindsight – Who Are You

コペンハーゲンの新バンド、カインドサイトによるデビュー・シングルがRama Lamaから。
ギターポップ方面で今一番勢いのあるレーベルがついに北欧圏で国外にも手を出しました。
ここ日本で純粋にネオアコ・ギタポと呼ばれているものよりもモダンで、2010年代以降の
流れも確かに持った、微妙に一筋縄ではいかないサウンドのバンドをチョイスしているのが
このレーベルに違いをもたらしてると思うけど、その中ではかなり直球なものに聴こえる。
ただ、これぞっていうエヴァーグリーン・ポップの馬力を感じるし、すごい若いだろうから
これが逸材であることは変わりないだろうね。こっからどう育つか楽しみだけどまずは1st。

Brutalist – Movements

Seekaeの創設メンバーを含むメルボルンのデュオ、ブルータリストの新作EPから、2つ目の
先行トラック。前の曲は4つ打ちの、ベルの音が消えたPantha Du Princeみたいな綺麗目の
ハウス系トラックだったのが、今回は一転してダブステップ以降を強く感じさせるムードの
アトモスフェリックなビートが印象的な、インストR&Bとも言える音楽。重すぎず軽すぎず
絶妙なモッサリ感のあるグルーヴでね、若干天然っぽい古臭さがあり、ちょっと好きです。

今週のLP/EPフルリリース

Kelly Lee Owens – Inner Song (LP)

1stが凄い良かった印象があるけど、そこからの活躍ってか引っ張りだこな感じのイメージ。
本人のキャラが立ってるってとこも含めて、なんか立ち位置がLaurel Haloあたりと並べて
見ちゃったりするけど、正直全然違う。この人はもっと謎枠っていうか本気テックハウスと
思ったら軽めの、NITE JEWELが少しだけクラブ化しただけってなくらいのバランスの曲や
トランスがかったドリーム系のポップな曲(軽くダサい)とか、エレクトロニックSSW位の
もんでしかないサウンドだったり振り幅が広くて、本当にジャンル縦断的な存在なのかな。
めちゃダサい瞬間とめちゃカッコいい瞬間が両方あるってのある意味大物の証とも言える。
どこか少しだけチャラい気がして、最近のLaurel Haloとこの中間位のバランスが理想かな?


Caitlin Pasko – Greenhouse (LP)

これはネオ・クラシカル枠になるんだろうね。それも、GABIとかみたいに現代音楽がかった
方向性のものじゃなく、もっとオーセンティックな…でも凄いモダンで凛として知的なんだ。
結構ほっこり系の歌ものみたいな雰囲気もあるボーカルなのにこの洗練されたムードって、
何気に他にない塩梅でさすがブルックリンというかね、この感じばっかりはあそこからしか
出て来ようがない。前のEPはもう少しイナタさがあった気がするがこれで更に完成された。
コンテンポラリー美術館でかけてもいいし、自室で晴れた休日にかけてもいいってな代物。


Knot – s/t (LP)

3曲くらいは先行曲をウィークリーで取り上げたからもう書くことがないが本当に肌に合う。
バンドってこういうもんだし、息遣いが聞こえてくるんだよね。00年代の中盤にあの界隈
駆け抜けた人間なら身に染み込んでるサウンド。オールドスクールEMOとポストハードコア
マスロックが渾然一体となった物が60%、オルタナUSインディロック20%、ポストパンク
15%に、おまけのガレージ5%で合計100%って音楽。あんま聴くとバンドやりたくなるね。