GVVC Weekly – Week 121


Cassandra Jenkins – “Hard Drive”

2月にリリースされるカサンドラ・ジェンキンスの新作アルバムから2つ目の先行曲ビデオ。
一つ前の楽曲もなかなか良くて載せよか迷ったんですが今回は更に上を行く仕上がりです。
エレノア・フリードバーガーやクレイグ・フィンのバックバンドなどに参加していたという
まさにな感じで、凛とした詩人系SSWアダルトロックの完成されたアンサンブル。これは
シャロン・ヴァン・エッテンとかもこの方向性があり得たんじゃないかと思うんだけど、
ポエトリー・リーディング混じりのクールな歌唱で、Destroyerもこんなのやってたよね。

Wy – Come Here

スウェーデン、マルメのワイが5月にリリースする3rdアルバムから最初のリードトラック。
安定のRama Lama Records印で、涼しさと温かさの同居した、クリーンで洗練された音
そしてグッドメロディに奥ゆかしさを感じるヘタウマなヴォーカルのインディロックという
すいません、このフォーマットは弱いんでかなり甘めな採点になってしまうのです、好き。
こういうシンプルさだったら多少ポップでもBGMとしての機能が損なわれないんですよね。

Hand Habits – 4th of july

ハンド・ハビッツの新作EPからリードトラックが公開されました。まあEPと言っても2曲+
リミックス1曲なので実質この楽曲のシングルって感じです。現行ミュージシャンかつ然程
ベテランでもないのに格上や先輩からの同一曲カヴァー集を出せるのも頷ける、妙な貫禄と
カリスマ性のある凛としたSSWバンド像。土臭さがあるのに涼しげで、スケールがでかい。
今回特にビッグなサウンドというか、なんかpunchyに仕上げてきたんじゃないでしょうか。
自らの墓穴を掘るって感じのビデオで、結局一晩お休みするだけということで理由が不明。

Goat Girl – “Badibaba” (Official Lyric Video)

ゴート・ガールがまもなくリリースする2ndアルバムからおそらく最後の先行トラック公開。
今回はなんかイメージよりも軽快なトラックで、チープめなシンセのサウンドが妙に爽やか
に響く、UKドリームポップ勢とも解釈できるような楽曲です。C級ホラー的な映像もやけに
マッチしてまして、ビジュアルは基本的にキッチュなイメージがある人達だと思うんだけど
音楽が意外とちゃんとしてるというかふざけてないよね。バディバディバァバァって何すか。
テンポよく進んで、後半突如意味のわからないサイケジャムに突入し戻ってこないパターン。

Dark Tea – Highway Mile (Official Video)

4月に2ndアルバムをリリースするダーク・ティー、その新作から先行ビデオカットを公開。
ホーンに12弦(風なだけ)とエヴァー・グリーンなメロディという超ネオアコフォーマットに
しかしフリーキーでサイケな雰囲気も確かに感じさせるというFire Talkっぽさのある佳曲で
映像の方は戦争に駆り出され撃墜されるも奇跡的に一命を取り留め、恋人の待つ家へ帰ると
もう別の男がという紋切型ストーリーですが、なんか手作り感満載の画が良くてうまいこと
曲を引き立てているショートムーヴィー。昨年公開していた”Down For The Law”も収録。
ちなみに前作のアルバムもセルフタイトルだった気がするが今回もみたいで、紛らわしいね。

Local Natives & Sharon Van Etten – Lemon (Jimmy Kimmel Live)

ローカル・ネイティヴズが新作からSharon Van Ettenフィーチャー曲をジミー・キメルで。
本人伴っての屋外の映像で、最初からだいぶ最後の方まで激寄りカット、入れ替わりで登場
するあたりがなんかいいしね、ルーグ・ミニの3弦ウクレレをこの手のライブで使ってるの
初めて見たわ。最後引いて皆さんが見えてからの素敵な雰囲気プライスレス。音源としては
別にそこまで良くないのですが。というか、シャロンの声が彼と合ってないというか、同じ
感じのトーンだから並べてもあまり映えないんだよな。でも、この並びはあの頃を思い出す。

David Numwami – Thema (Audio)

ベルギー系のダヴィッド・ヌムワミさんは、シャルロット・ゲンズブールのツアーバンドで
ベースを弾いていたり、セバスチャンテリエやニコラス・ゴダンなどフランス系の音楽界で
名の知れたマルチ奏者みたいですが、近年ソロ楽曲を出し始めて、これが3曲目となります。
ロマンティック系のベッドルームポップって感じですが、フックが強烈でなんか印象的だね。
ツアー先で夜暇すぎて作ってるらしく、しかもインスタで見つけた可愛い知らない女の子の
アップした自撮り写真をひたすら夜ベッドで眺め続ける事についての曲(本人談)らしい…。

日本のリリース

STILL DREAMS – Live With Excuse [Official]

大阪のex.Juvenile Juvenile夫婦デュオ、スティル・ドリームズが西エレファントから今年
リリースする新作ミニLPより先行トラックのビデオを公開。ちょい前のCASCINEあたりが
出しそうなシンセ洪水のドリーム・ウェイヴで、全体的に遠慮ない圧で迫るシークエンスと
割と可愛めのボーカルの対比で上手いこと愛嬌あるサウンドに。最初のセミん所は尺半分で。
牛乳飲むシーンがすごくいいと思う、バンテリン並にあのカットあるとないでは大違いだね。

今週のLP/EPフルリリース

Madeline Kenney – Summer Quarter (EP)

トロ芋やWye Oakのジェンがプロデュースに関わっていましたが今回は完全にセルフって事
どれくらい影響してるかわからないけど、よりコンテンポラリーになってアカデミックさも
若干出てきてる。元々から音色にそのきらいはあったが、ここまではっきりと提示されては
いなかったよね。結果として今作はかなり良いバランスだと思うし、あんまり頭でっかちに
なりすぎないように程々のバランスを保って行って頂きたい。声いいと思うし、何かシンセ
SSWポップみたいな枠で扱われるのは勿体無い逸材。音に建築的な奥行きがあるんだよね。

Madeline Kenney – “Wasted Time” (Official Music Video)
フルEPリリースと同時にリード楽曲のビデオも出ています。


SWEET SOUL – So Far No Further (LP)

まあJawbreakerというか、これ日本の感覚だとメロコアって言われると思うし、遠からず
ではあるんだけど、この微妙にオーセンティックなパンクとエモにスケーターカルチャー感
そしてガレージには行かずハードコアの成分ありっていうバランスは言い得てないというか
まさにコレを一言で表すことはできないんだけど明確に型としてある。んで、かなりそれの
理想形みたいなモノがここに鳴らされてます。凄くいい。かつ演奏も端正で聴きやすい質感。
ボーカルのリバーブ感とギターの音色、空間系に一切抵抗ないあたりが現代版なのかなーと。


Rhye – Home (LP)

1stはもの凄く好きなんだけど、ロビンさん抜けてからほんと良くないなと思ってて、一応
全部耳通してはいたものの、聴いてらんないレベル。今回も大差ないけど、一番マシかな?
NIIAが最っ高に好みなのを考えると、ソングライティング的な部分は完全に抜けた彼による
功績がデカかったのがわかる、ボーカルは凄くいいのに勿体無いよ。もう一回組んで欲しい。
下手にサウンドの路線は初期のままなのが良くなくて、独りでやるならガラっと変えた方が
絶対ベター。ネオソウルから離れてみたらいいんじゃないでしょうか。M-4が一番聴けます。


Gacha Bakradze – Obscure Languages (LP)

別にエレクトロニックなものを完全にシャットアウトしてるわけでは全くないんですけども、
ハイパーなものに対するアレルギーが酷いのでどうしても許容範囲が狭くなる。東欧テクノ
って全く追ってないから文脈に明るくないが、ジョージアってとこがなんか興味そそるのと
清涼感がちょいちょい見え隠れするのが良くて、そこまでは太く無い、程々のソリッドさに
M-5みたいな特に好きな感じのが挿入されると俄然気持ちいい。これはfuture bassだとか
言う範疇のものではなくてIDMかエレクトロニカと呼びたいんだよね。つまり守備範囲と。