GVVC Weekly – Week 161


Hurray for the Riff Raff – RHODODENDRON

ハレイ・フォー・ザ・リフ・ラフがニューアルバムをアナウンス、最初の先行曲を公開です。
前作での大ブレイクから一気に認知の裾野を広げ、満を持してフォローアップ作なのですが
4年かかりましたね。サウンドは大きく変わらずオルタナカントリーというかブルージーな
アメリカーナ・インディロックって感じで、ロックスター然としたカリスマティックな歌唱
そして乾いたクールネスはキャットパワーあたりのライン。今かなり自信に満ち溢れてます。
Nonesuchに移籍したようです、なんかウィルコっぽい部分あるしすごいしっくり来ますね。

Penelope Isles – Terrified (Official Audio)

来週にリリースされるペネロペ・アイルズの最新作アルバムから4つ目、最後の先行曲です。
一応全部聴いてたんですけど今回のが一番いい曲ですね。あのデイヴ・フリッドマンProd
ということで特にドラムの音、彼の十八番のやり過ぎな程ドシャンと鳴るシンバルに注目!
しかし、バンドの音楽性的にはミスマッチな感じするというかもっとポストロック音響で
映えるサウンドだと思うところもあり、ペネロペ・アイルズ自体がそもそもBella Unionに
しっくり来てないと個人的には感じるんだな。ただ本当に良いバンドだしまだまだ伸びる。
入りのギターの音が素晴らしい。こういう割と乾いた超常的な所の無い現実的なサウンドの
ギターバンドでDave Fridmannってのもまあ目新しい感じはあるし、なんだかんだ楽しみ。

Dorsal Fins – Sugar (Official Video)

メルボルンのドーサル・フィンズが5年ぶりの新曲をリリース。現状アルバムのアナウンスは
ありませんが中々素晴らしい会心のトラックで、甘~いインディソウル・ファンクラインの
ねっとり系ダンスポップは同郷のAlpineあたりに通じるサウンド。前回のアルバムではこの
印象は全然なく、随分とキャッチーにしてきたなという感じですがちょっとモサイというか
決してアーバン系じゃない風情と、歌詞やバンド名の皮肉たっぷりなムードが特徴的かなと。

SALES – Can’t Be Yours Forever

セイルズが3年ぶりとなるプロパー新曲をリリースです。バンドとしてのアクティビティ自体
丸一年ぶりとかのレベルで、事前告知もなくサプライズでの公開となりました。例によって
ここから単発シングルを立て続けに繰り出してからのパッケージ作アナウンスになるかな?
サウンドの方ですが本当に一切何も変わっていないあまりにも平常運行いつもの彼らでして
漠としたセンチメンタルR&B風の内気なウォールフラワー・ベッドルームポップ極北ソング。
コロナが起きなかった世界線に暮らしてるんですかね…代わり映え無さ過ぎて逆に凄いです。

Spoon – The Hardest Cut

スプーンが4年ぶりとなる新作アルバムをアナウンスし最初の先行曲ビデオを公開しました。
彼らは元々から自分の守備範囲内では最も純然たるロックに近いラインのサウンドですが、
今回は殊更ロックンロール感を強めたテイストになっておりそれ自体あまり好みではない。
この曲に関してだけだけども、なんつーか極端にスタイリッシュなったKISSみたいだよね。
でもやっぱ流石で、いつも思うんだけどタテの刻みが本当に力強く説得力がある鳴りなの。
それもガツガツ行くんじゃなく真に抑制された後ろ目に落ちる、強烈にウラ拍を感じビート。
グルーヴとしか表現できない、ベテランじゃないと到達できん境地でしょう。あと付加価値
というか実際かなり重要なファクターとして、異様なビンテージ感とハリコシの強いこの音、
正直かかってる金が全然違うっていうの一聴して分かりますがまあそこはしょうがないよね。

今週のLP/EPフルリリース

Bitchin Bajas – Switched On Ra (LP)

めちゃめちゃイイ…。一応はサン・ラのカバーアルバムという風体ですが、メインテーマの
フレーズとかはバッチリ聴こえてくるけどこれだけトロトロにアブストラクトになっていて
ちょっとニューエイジも強いんでそんなにガチガチSun Raな感じではない。ただね、やはり
原曲が良いっていうのは大きいのか、元々ビッチン・バハスかなり好きだし聴いてるけども
その自分をしても彼らのプロパー作より明らかにこっちのが素晴らしいし断然オススメです。
つまるとこサン・ラすげえって話なのかもしれないですけど、休日音楽にすらなり得る程に
マイルドでメロウなジャジー・アンビエント作品になってます。これ入門編級に聴き易いよ。
OTARIオープンリールでアナログ録音、ミックスはアルビニのエレクトリカル・オーディオ。


Natalie Jane Hill – Solely (LP)

先行が出す曲出す曲素晴らしくて期待してた。この打楽器ほぼ鳴ってない純フォーク系では
今年断トツの好内容で、いわゆるちょっと神聖な感じの70’sフォークっていう範疇だけども
完璧にモダンに洗練されており、この流麗でミニマルなギタープレイがすげー独特な雰囲気。
ギター一本ではなく随所にストリングスや本当にささやかなパーカッションなどが効果的に
配される。M-1、M-3あたりのサウンドとか白眉です。近年だとジェシカ・プラットだとか
ベドウィン辺りのいいとこ取りした塩梅ですが、もっとクリスタル・クリアで聖水のような
清らかさ、全くもって土臭くない透明感ですわ。昨年作も悪くないけど一気に花開き過ぎて
ビビる、一年でここまでアップデートできる?ペダルスティールがアンビエントに聴こえる。
それくらい自然にモダン、それって凄いですよ。曲も声もいいし、本当にイチオシ傑作です。


Minus the Bear – Farewell (LP)

一応載せとくか。先に断っておくと当然オリジナル音源の方がいいので、既存のファン以外
2ndとかから聴いた方が…とは思うけど、これで本当に最後のリリースだろうから記念でね。
解散発表後のツアーからセレクトされたライブ盤で、考えられうるベストな楽曲はほぼ網羅。
ポストハードコア系のバンドで名を馳せていたやり手のメンバーが集まったスーパーバンド、
楽曲にちょっとニューウェイブっぽさがあり、ダンディなエモ系のボーカルとそして最大の
ポイント、ギターに『絶対タッピングするマン』を擁していたことでなぜか商業的にも成功。
更には売れてからも15年は一線で休まず存続できたってのはアメリカだとしてもミラクルで、
こんなバンド居ないでしょう。特に3rdくらいまではEPも含めて実際になかなか素晴らしく、
かなりテクニカルな部分を親しみ易いフレージングに昇華して出自のポストコア的な熱量で
ガツンとダイナミックに持ってく音楽性にタッピングマンのピロピロな音が効果的に融合し
他に類を見ないサウンド。あえて言うと相当ダサカッコいい系で決して芸術点は高くないが
だから売れたとも言う。所謂バンド小僧が喜びそうなフレーズのオンパレードで日本で言う
the band apart的な部分がある。ライブ盤だとよりそれが顕著だね。一度O-nestで観たな。