GVVC Weekly – Week 186


Σtella – The Truth Is (Official Video)

ギリシャのステラがSub Popに移籍してリリースする新作アルバムから3つ目の先行曲です。
Arbutusからの前作も中々に良かったですが着実にステップアップとなるフォローアップは
より洗練されたサウンドに。トロピカルや無国籍サウンドまで感じさせるややフォーキーな
ごった煮シンセポップが特徴でしたが、特に今回の楽曲は圧倒的に毛色の違う鮮烈な一発で
一体どうしたのってレベルでクリアに、鮮烈にロマンティックなインディR&B。歌も明確に
恋愛の話と、スムーズにクリスタルなクセを抜いたショーン・ニコラス・サヴェイジ的な趣。

Julia Jacklin – Lydia Wears A Cross (Official Video)

ジュリア・ジャックリンが新作アルバムをアナウンスしオープニングトラックを先行公開。
ウェザー・ステイションのバックバンドメンバー参加や、あのオーウェン・パレットによる
ストリングスアレンジなどで従来より少しスケールの大きいサウンドになりドラマティック。
中盤以降まではリズムマシンによるビートでより淡々としたムードの中、静かに進んでいく
オルタナティヴなインディフォーク楽曲で、生ドラムのインから上げすぎない程度に徐々に
バーストする非常にシネマティックなトラックになってて、今までのイメージになく良いね。

Aoife Nessa Frances – Emptiness Follows (Official Video)

ダブリンのSSW、イーファ・ネサ・フランシスがパルチザンとの契約に併せて新曲のビデオ。
アルバムのディテールなどはまだありませんが、次のステップを先見せするようなこの楽曲、
若干ヒッピー系入ったオルタナフォークにたちこめる少しだけサイケな香りと多層レイヤー
そしてこの低めの深い歌声が粘っこく絡む音像は元来からのものとはいえ、より底なし沼に。
美しいハープが鳴る中のemptiness follows me…という虚脱感とジワジワ攻める鈍い高揚感
それほどミニマルな音楽じゃないのにズルズルとループする渦のような吸引力がありキケン。

Sarah Kinsley – What Was Mine (Official Video)

サラ・キンズレーが6月にリリースする新作EPから二つ目の先行曲をビデオで公開しました。
以前に何曲か聴いていた印象だと、とりあえずボーカルに特徴がある感じでサウンド面では
あまり明確な方向性はなくインディ全般を広く浅くといったやや軽薄な音楽性というところ。
ただ今回の楽曲も軽いは軽いんだけど、一時期のMitskiがやっていたある雰囲気を持ってて
さらっとライトな質感に対し逆にめんどくさ系の歌唱がうまく噛み合わさっており良いです。
ダンスのビデオも妙に魅力的で、ざっと過去作のビデオを全部確認したけど本人の見せ方や
トラックのディレクションだったりも明らかに今までで一番の仕上がり。この路線で行こう。

Young Guv – “Nowhere At All” (Official Music Video)

ヤング・ガヴが6月に早くもリリースする新作アルバムから新たな先行曲をビデオ公開です。
今年とかいうレベルじゃなく文字通りついこないだアルバムをリリースしてた記憶があるが
ジャケットも前回とほとんど同じだし実質、コンパニオン作なんではないかと。今回の曲は
あんまりにもプライマル・スクリームのソニック・フラワー・グルーヴなサウンドをしてて、
まぁもちろん好きなんだけど、もう少しだけひとクセ欲しいところではあります。でも品質
という意味ではこの路線として文句なく、不純物がないことの良さもあるかなと。かすかに
入ってくる女声か裏声のコーラスが効いてる。想像上のネオアコを絵に描いたような輝きね。

今週のLP/EPフルリリース

Diatom Deli – Time~Lapse Nature (LP)

一言で表現するならば紛れもなくアンビエントフォークなのだが、その典型とはかなり趣を
異にする。フィールドレコーディングを薄ら流しつつのナイロンギター弾き語りがベースで、
シンセは必要最小限。面白いのがエレクトロニクスの比重が低いのに電子音響っぽいトコ。
しかも歌のメロディがかなりフォークロアで、サイケにいなたい香りがするにもかかわらず
このコンテンポラリー感は凄い。リバーブ、ディレイ等でびしょ濡れの音像にするでもなく
割とドライな質感を保ったままタイム感と随所に挟む人力アンビエント的なアレンジのみで
音響感を増幅させている。リバースディレイや薄らシマーのパッド的な音色も局所的に多少
入ってるは入ってるが、本当にフレイヴァー程度の扱いで、これはRVNGなのも納得の内容。
これでちょっとオリエンタルだったり土臭い調整だと割と普通だがクリーンでライトなのが
本当に独特。声が少し弱いが、これだから良いバランスに落ち着いてる気もするし難しい所。
もう少しだけ旋律が甘くなると最高に好みかな。先行M-3は素晴らしいがやはり爽健美茶。
アートワークがめちゃくそ微妙だからもったいないですね、内容とマッチして無さ過ぎるよ。