GVVC Weekly – Week 185


Emily Yacina – DB Cooper (Official Music Video)

エミリー・ヤシーナが7月にリリース予定の初期の楽曲+新曲3曲のコンピ版から先行曲です。
その新曲3つは全てJay Somプロデュース・レコーディングらしく、これがそのうちの一つ。
サッドコアまではいかないですが、ちょっとセンチメンタル文化系感の過剰な寂寞たる世界、
淡々とした映画っぽいムードのバンドサウンドSSWで、ブレイクスルーとなった前作よりも
更にアレックス・Gに近いものを感じますね。正直、10年以上やってるって知らなかったな。

Glasser – New Scars

グラッサーが約4年ぶりに新曲をリリース、アルバムのアナウンスなどはありませんが今回
One Little Independent (Indian)からのリリースになっているみたいです。メロの雰囲気
そのものに大きな変化はありませんがアレンジが少し新機軸で、非常にシネマティックかつ
壮大なオーケストレーションの入ったものになっており、元来の若干キワモノ的な部分が
あったエレクトロニックアートポップ・エクスペリメンタルから進化しています。これ正直
ゼロからこれを聴いてたらば別に拾ってなく、今までからの対比ありきではあるのですが、
こういった方向性で一枚作るならぜひ聴いてみたいし、近々のフォローアップを期待します。

LIES – Blemishes / Echoes [OFFICIAL AUDIO]

マイク・キンセラとネイト・キンセラが新バンドのライズを結成し、お披露目楽曲を公開。
さすがに誰かを説明させないでくれってネームですが一応アメフト、JOA、Capn’ Jazzと
書いておくか。今回はemoって文脈を少し脇に置いたUSねじれポップ的な、ある意味宅録
DIYインディの延長にあるようなサウンドで、バキっと強力なバンドアンサンブルありきの
音楽ではない。かといってOwenでやっていたようなアコースティックベースでもないから
今までのキンセラ兄弟および血縁関係者絡みのどのプロジェクトでも明確にこういうのって
なかったと思うし、これは面白い。2曲同時に出てますが、“Blemishes”の方が良いですね。


Feist – Note of the Sad Dressing Room (?)

偶然鳴っていた野太いノイズドローンをベースにして、即興でそれについて歌うファイスト。
素晴らしいウィットだしミュージシャンの地力が出てて、やっぱ歌える奴が一番強いんよね。

今週のLP/EPフルリリース

Warpaint – Radiate Like This (LP)

この人たちも大枠の音楽性はほぼ変わらないまま、順当にブラッシュアップされて来ていて
前回でもう完成したと感じてたが、ここでさらに上を行く進化。ネオR&B的なエレメントを
スムーズにマイルドに加えて、過去イチきめ細かく洗練されたサウンド。パート各人がソロ
やっちゃうくらいの強者揃いってのもあり、リズムの引き出しが多めで上モノのレイヤーも
重層的で、それでいてゴチャゴチャした感じがなく素晴らしい。その分、不穏な感じの強い
ダークさは減退して来たけど。歌があくまで楽器的ポジションで比重が小さいのもポイント。
出だしの頃から思うのは、いわゆるライオットガールだとかポストパンクっていう文脈での
女性オンリーバンド群とは明確に何か違った、もっとオルタナで間口の広い妖艶な雰囲気が
あって、しなやかで柔和で深淵、鋭利かつ母性も感じるようなすごく味わい深い魅力がある。
ライブを1回観た時も同じ印象で、音楽性的なとこだけでは説明がつかんオーラがあったね。


kelz – 5am and I Can’t Sleep (LP)

色々と思い浮かぶところは、トラックがショボくなった初期Memory TapesやAir France、
Something in ConstructionものやWhite Poppyなど、淡いドリームに少しだけのハウス
そしてメランコリックなシンセは決してニューウェイヴ風ではないという塩梅のあれですね。
それが宅録女子的なフィルターで可愛らしいDIYポップとして鳴らされており、スゴク良い。
こういうのってやっぱりクリーンのギターをシークエンスっぽく使うのがキモなんだろな~、
これシンセ一辺倒だと全然違ってくるからね。そしてまあなんだかんだメロディもグッドで
ウィスパーだけど過剰にアンニュイではないし今だとMUNYAあたりと並べても違和感ない。


Red Snapper – Everybody Is Somebody (LP)

スーパーベテラン久々のフルアルバム。SAULTが流行ってること考えるとタイミングとして
いいんじゃないかな、同郷だし大枠では近い音楽だし。ジャズベースの人力トリップホップ、
アフロ風味、ちょいダークだけどクリーンな雰囲気もあり聴きやすいといういい意味の中庸。
まあ90’s終盤から00年前後の音楽っぽい質感がまんまで、ちょっと古臭く聴こえるかもな
って部分はあるが(Zero7とかみたいな感じというか)狂ったような感じがなく何ていうか
オーセンティックだから安心するんだよね。個人的にWarpから出てた頃のサウンドよりも
今くらいの方がガツガツしてなくて好きです。すごくライブ感のある生々しい音像でステキ。