GVVC Weekly – Week 193

Vision Video – “Beautiful Day to Die” Music Video

アセンズのヴィジョン・ヴィデオがニューシングルをビデオで公開です。アナウンスメントは
まだ正式にはないようですが新作アルバムからのリード扱いですね。直球のニューウェイヴ、
ゴスで見た目やヴィジュアルイメージからしてもモロですがちょっとコクトーツインズ辺りや
キュアもめちゃ好きって感じのサウンドで、今回のはスミスが近年のドリームポップバンド化
したような楽曲になってます。直ぐ高インテンシティで歌い始める入りが非常にキャッチーで
ムードがわかりやすく一気に引き込まれるし、この手らしいメッセージもイタイ妄想ではなく
ちゃんと実体験に基づいた生死感からくるコーラスの言葉達だというのでおみそれしました。


DAPHNI – Cloudy

マニトバもといカリブーの別名義ダフニが久々のフルレングスでプロパー新作をアナウンス。
5月に公開されていたタイトル曲も収録されますが、改めての先行トラックがビデオで公開。
いつも通りと言ったらいいのかダンスミュージックでしかないのですが、本当に無駄のない
職人芸サウンドで、ブツ切りのサンプリングボイスがボーカル的に配置された今回の楽曲は
ピアノの雰囲気といい、高速歌ものハウスみたいな趣で特に自分好みなサウンドが踊れます。
シュパッと締まってソリッドに、でも軽いというこの音場作り流石だし機能的かつクール。


Brutus – Dust (Official Audio)

ベルギーのブルータスが2年以上ぶりの新曲をリリースしました。アルバムのアナウンスは
まだありませんが、こちらも次回作に向けた18ヶ月に渡るセッションから生まれた楽曲で
バンドの持つ要素を全て盛り込んだ非常にわかりやすい内容になっており実にシングル向き。
ポストハードコアとメタルシューゲイズ、ハードコアパンクとヘヴィ、ドゥーム等の要素を
それぞれ行き過ぎずギリギリでオルタナ範疇に止めるバランス感が本当に素晴らしいですし
あとは演奏と歌唱のインテンシティがほんと激烈、なのにどこか暑苦しくなくてドライね。
メタルコア的な雰囲気と若干のストリートで2ビートのパートではWhite Lungみたいな趣も。


Patrick Holland – Losing Touch (Official Video)

プロジェクト・パブロなどで活動していたパトリック・ホーランドの新作フルアルバムから
新たな収録曲はズッ友TOPSのジェーンが客演したインディホワイトソウル・ソフトロック。
前名義はちょっと曰く付きの経緯で廃止って感じでしたが今月末に本名名義では初のLPと
頑張ってますね。アリエルピンクの一番キャッチーなタイプの楽曲をトップス風にコートし
少しだけアブストラクトに抜け感を付与したような雰囲気で、既に出てる他の2曲も合わせ
全体的にフランソワ・アンド・ジ・アトラス・マウンテンズ的な小気味よい感じもあります。

今週のLP/EPフルリリース

Carlos Truly – Not Mine (LP)

Ava Lunaは銀座ソニーパークの地下でやってたライブを観たが中々良かったなと、その時
感じた印象とリンクするようなしないような…結局は抜けたメインボーカルの子が持ってた
カラーとエキセントリックさの影響が大きく、個人的にはそこイマイチポイントだったので
ブレインである彼のソロは俄然好きな路線に。まあNYっぽ過ぎて、トーキングヘッズ好きに
アートリンゼイ、ワールドを多少入れてくるオーガニック・アンビエント・ポストパンク的
折衷サウンドで基本センス良し。ダーティ・プロジェクターズとかのバリエーション物とも
評せる、アートロックR&Bみたいな趣も強く、TV on the Radioもちょっと入ってるかな。
11トラックですが20秒のインタールド2つに1分台が2曲、3分超えは1曲のみとほぼ小品集
って感じですがテンポよく進み内容もバランスに富んでいるためショウケースとしては十分。


ALAS – Uusi Vuosi (LP)

まあスクリーモになるんだろうが、北欧ってやっぱスゲェわ。なんでここまで柔和なんよ…、
常にスクリーム声のボーカルに対して演奏が不釣り合いにライトというか、ギターポップに
近いソフトさで、せいぜいUSのモダン・エモ勢くらいの激しさ。サウンドの圧力だったり
角も全然丸いですし、まあRefused聴いて感じる何かとある意味同じ性質のものがあるよね。
フィンランドでこの音楽性、なんかJawboxとかJロビンズ関連にあるギターの音色がたまに
聴こえてくるし、もっとenvyとかの音響アプローチみたいな部分も入ってるけど曲によって
ポップパンクぐらいの軽い雰囲気もあり本当面白いし聴いてて楽しい音楽。その分サラっと
駆け抜けていってしまう側面もあるので、深く刻み込まれるものではないけど中々オススメ。
全フィンランド語で曲名すら発音も不明ですがスクリーモはどっちにしろ何も聞き取れん。