GVVC Weekly – Week 211

Daisy George – see me now (Official Music Video)

ロンドンのデイジー・ジョージが月末にリリースするセルフタイトルのEPから二つ目の先行曲をビデオで公開です。
ナリをみた感じだとまたしょうもないUKのポップ系SSWかと誤解してしまいそうなんですが、ニュージャズやソウルのシーンでベーシストとして活躍している人みたいで、中々どうして面白い音楽性をしてます。
今回に関してはまずベースにUKストリート感のある宅録系インディロック風の楽曲と近年のモダンSSWバンド的なメロディが乗り、そこにドラムがやかましくてスケールの大きいタイプのオルタナジャズがミックス、更に長尺のギターソロがラフな質感で入ってくる謎構成。
一つ前に公開していた曲ではラッパーの客演で人力ジャジーヒップホップみたいなトラックと、Brainfeederのセッションに出てたりするのがなるほど納得です。
こりゃ今後、アルバムとか作る段階になって全体像どうなっていくのか結構楽しみですね。


Hello Mary – Spiral

ブルックリンの3ピース、ハロー・メアリーが来年3月にFrenchkissよりリリースするデビューアルバムをアナウンスし先行曲ビデオを公開。
今年、事前に出ていた他の3曲も全て収録されるようです。ザ・90sオルタナロックを少しマイルドに丸くしたようなサウンドで、トリオ編成のためアレンジが潔くシンプルでリアルなライブ感のある仕上がり。
この曲は結構ダウナー寄りですがもう少し明るめにドライヴした勢いのある楽曲もあったりで、目新しさは全くないですが、いいバンドです。
意図的じゃ無いのかも知れないけど、アタックや刻みがなんかタテに緩いというかフワフワしており、それがうまいこと脱力感をプラスしてインディフレンドリーになってます。
インスト音が全体的にカラッと乾いているところボーカルは結構ウェット目というバランスも良いですね。


PVA – ‘Not (BBC Radio 1 Session)’ (Official Audio)

先日、満を持して1sフルアルバムをリリースしたPVAがBBC Radio1のセッションでBig Thiefの有名曲をカバー。
これがなかなかナイスなアレンジで、自分らの特色を出して大胆にイメージを転換させながらも原曲の歌唱のニュアンスはかなり忠実に拾った絶妙なハイブリッドカバーです。
あの曲だって聴いてすぐわかるし、それでいてオリジナルのフォーマットにキレイに昇華してて無理がなく自然。
ビッグ・シーフと音楽性があまりにも違いすぎるから、つかみの印象も面白いし、ちゃんとしっかり聴ける内容に仕上げてるのが素晴らしい。


Joey Bada$$ with Men I Trust: Show Me (Jimmy Fallon)

ジョーイ・バダスがMen I TrustのShow Me Howをサンプリングしてた曲をテレビでやるってんで、本物のメンアイトラストを連れてきて後ろで生演奏ループさせながらその上でラップする衝撃のパフォーマンス。
面白すぎませんかこれ?元ネタの本物連れてきて歌付きでバックで演奏させるって贅沢はなかなか観れないレア映像です。バンド従えて歌う機会なんて普段あんのかな彼?でもこういうことできるのがイイよね。


SIPHO. – ARMS

あまりにもソウル版レディヘ。

今週のLP/EPフルリリース

Pohgoh – du und ich (LP)

再結成から21年ぶり2ndフルとなる新作LPをリリースし、そっから4年でこれが3rdというキャリアはつまりアメフトとかと似たルート。
90’sエモ周辺にありがちなパターンだが、普通にフレッシュだし勢いがすごく若くて、初見の印象ではだいぶ年上の人達の音とは感じない。
でも確かに深く聴くと前作と同じくJ.ロビンズのサウンドでガツンとくるパワーポップ入ったオルタナ系エモは、その要素どれもが分離してない、何故かあの頃の人達でしか再現できないバランスの音楽でなるほど納得感あり。
JejuneとかRainer Maria、Versus等その辺よりははるかに尖ってなくてモダンにポップな仕上がりだけど、ああいうザ・バンドっていうアンサンブルの骨太感が醍醐味として楽しめるやつで、かつメロディがわかりやすく優秀。
ちょっとだけemo入った最近のフィラデルフィアインディとかの空気感に近い節回しがあったりで、M-3とかQueen of Jeansみたいだよね。
全体像として若干ダサいのはご愛嬌なんだけど全編通して楽曲が想像以上にいいからこれはちょっとフィジカルで持っておきたいな。