GVVC Weekly – Week 214

Voom – Magic ft. Fazerdaze (Official Music Video)

オークランドのヴームがなんと16年ぶりのニューシングルをリリースしビデオ公開。
2006年のアルバムが昨年Flying Nunからリイシューされてましたが、今年はついに新曲で、それも客演にフェイザーデイズをフィーチャーした新機軸のスタンドアロン・トラックです。
同じニュージーランド勢のFazerdaysによりシューゲイズ要素とメロディの甘さが付加されていて、オリジナルの音楽性からは完全に別バンドのような風情。
ややセンチメンタルな雰囲気を纏ったオルタナ・インディロックに、若干のエモ・フィールも感じる音像は中期のLast Days of Aprilとか、軽くなった初期シルヴァーサン・ピックアップスみたいなイメージに。
映像もゲストの方がさも自分のバンドかのような存在感で様になってます。程よくポップでいいね。


cruush – Sombre by the Weekend (Official Video)

マンチェスターのクラッシュがニューシングルをビデオでリリース。
オルタナに振ってるが、実際の中身は軽めのUKポップロックでしかないって所にちょいとシューゲイズとダークポストパンクが入ってなんとなくいい感じにしたというサウンド。
若干の軽薄オーラが漂うし芯のあるホンモノっぽさは全くないですが、若さの勢いは多少感じるしナシ寄りのギリギリでアリかな?気軽に聴くぶんには楽しめる枠。

https://soundcloud.com/mothercain/famous-last-words-an-ode-to-eaters?utm_source=clipboard&utm_medium=text&utm_campaign=social_sharing
Ethel Cain – Famous Last Words (An Ode To Eaters)

エセル・ケインがティモシー・シャラメ主演とルカ・グァダニーノ監督の組み合わせ(あのCall Me By Your Nameと同じ)の映画「Bones And All」にインスパイアされてリリースした単発シングル。
内容のせいかオフィシャルがサンクラしかありません。
この人ほんと声の響きがシックというかクラス感があって、更にあのルックスなもんで雰囲気的には逸材だと思うけど、基本の音楽性がちょっとメジャー臭いビッグなサウンドとコーラスのアメリカン・ポップスで勿体無いよね。
そこのギャップがいいのかもしれんが個人的にはやはりもうちょっとスカした音楽やって欲しいって気持ちがあり、その点で今回のアンビエント感が少し入ったオルタナフォークの路線はなかなか理想的だと思う。
デビューアルバムは音楽性に対してカバーアートが詐欺だと思うし、それでもあのジャケ写だけでフィジカル欲しいから(未だ存在してない…)今後に期待。

今週のLP/EPフルリリース

Nightshift – Made Of The Earth (LP)

なかなか幅広くて味わい深いオモシロ音楽性。
ボーカルの節回しやアフロ・トライバルの入れ方って部分ではノーウェイヴやトーキングヘッズ系譜の近年のNYポストパンク的な雰囲気もあるが、もっとゆるやかにトラッドなフォーキーポップだったり、しっとり目の楽曲もあったりで一本調子ではない。
こういうのってアウトプットが派手めというか雑多なエグ味が出てキッチュになりがちなのに、今作は全体のトーンがなんか渋いというか地味、音色とミックスのせいだと思うけど。
ただ、そのおかげで多少エキセントリックな部分すら入るごった煮のアートロックなのにも関わらずBGM適性もアリという希少種に。


Daisy George – see me now (EP)

先行曲を1つ紹介してた気がする。開けてみると想定よりももっと本気でジャズ要素が深かった。
ハッキリ言ってこのジャケ写は詐欺を通り越して誰得、ここまで中身とイメージ違い過ぎると逆説的なニュアンスも無くただ単純にミスマッチな気がするが…。
タグはalternativeとjazzとalternative jazzそしてLondonとなってて、ほぼその説明でOKというかそれ以上必要ない感じ。
カマシ・ワシントンとかの若干宇宙そしてスビリチュアルの雰囲気も入ったバンド系ニュージャズを土台にコンパクトにして、ストリート系のオルタナポップSSW要素を注入したような他にないような音楽。
M-2が特にすごいバランスだから、より一層この折衷感を打ち出して行って欲しい。まだEPだし、アルバムでどうなるか楽しみだね。