GVVC Weekly – Week 216

Alex G – Tiny Desk Concert

もう年末進行のためリリースが少なく、今週は単曲でこれといったものがないのでこちらをトップに。
今年も傑作アルバムをリリースしたアレックス・Gのタイニー・デスク・コンサート。
やっぱり今のバンド編成がすごくバランス良いです。今後もこのメンバーでやるべきだと思うし、元々の長所を一切スポイルしてる部分がない。
多作だけど、ここでやってる最新作からの2曲ってホント過去最高到達地点だと思うし、今、脂がのりきった状態じゃないですか。
ひたすらこの「喋ることがねえ」って感じのMCがいい意味でヒド過ぎて「この人は信用できる」と思えるよね。


GRAZER – One Another (Official Video)

メルボルンのユニット、グレイザーがリリースした単発ニューシングル。
10年ちょい前の流行、いわゆるへっぽこ宅録ドリームポップ路線で、初期のDrumsとWild Nothingを混ぜたような音楽です。
すいません、コレ音だけじゃまず載せてないんですが、なんかこのビデオの画が気に入って…。
ビデオって程のものでもないんだけど、ロケーションとモザイクのミスマッチが素敵だなと。オチは予想つきすぎるよなぁ。

今週のLP/EPフルリリース

Leland Whitty – Anyhow (LP)

ソロだから当然なのかもしれないが、本体バンドでやり過ぎに感じる部分が多少緩和されていて俄然聴ける。
往年のサントラ的な端正なシネマティックさとニューエイジ・アンビエントにオルタナジャズのアンサンブルが程よいバランスで配合されたリスニング作品。
これでも個人的にはまだもう少し大人しくしていいと思うんだが、錚々たる面々と仕事してるだけあり純粋にクオリティがほんと高くて、超一流のテクスチャーしてる。
でもこの抜け目ない感じとプロフェッショナルな作り込みが逆に芸術点を落としてんだよね、難しいところなんだけどさ。
全体的にBGMにするには弾き過ぎな気がするが、それでもミッドタウンのラウンジなんかでかかってるのが合うかなぁ?


Taken By Trees – Another Year (Denny Laine Cover EP)

いや、いいんだわ。この人って今までも曲が弱いのが最大のネックだったからカバー集だとより良いのは当たり前っちゃ当たり前か。一番有名な曲もアニコレのカバーだしね。
素晴らしいボーカルと絶対にブレない、レイドバックした淡いリゾートポップの音像がもう板につきすぎて貫禄すらある風情。決してラウンジーじゃないのがポイント。
ただ悲しいのはこの人の場合、何カバーしててもある意味同じっちゃ同じで原曲聴こう!とはならないですよね。そこ凄いとも言うんだけど。次はフルレングス(のカバー集)を期待。


Colonial Wound – Easy Laugh (LP)

めっちゃいいバンド。メタルコアとポストハードコアの中間かな、それもカオティックまでいくかいかないかのギリのポストHC、BOTCHライン。そこと最近ので言うとChat Pileあたりの融合体って感じ。
重すぎず、結構軽快だし曲も短いんでテンポよく進む、自己満展開も全然なくてテクニカルもやり過ぎないのが素晴らしい。ボーカルがスクリームになっちゃったSHINERって感じも。
全パート意外と控えめな部分があって、軽くオシャレですらある。ダーク要素が入ってないのってやっぱデカいよ。こういうのがライブみたい。


Nathan Salsburg – Landwerk No. 3 (LP)

Joan Shelleyの夫で、もっとスタンダードなスタイルのフォークギター・インスト作などもリリースしてますが、別枠でたまにやってるシリーズものの第三弾。
戦前とか戦中に録音されたような78回転のSPレコードからのサンプルをベースに生楽器でアンビエントギターや鍵盤などをオーバーダブしていくスタイル。
チリノイズが鳴り続けるボケボケの音像はある意味Caretakerの発展系みたいなものでビンテージかつ非常に小慣れたサウンドはBGM適正の高い音楽です。
当然、オシャレな雰囲気モノとしても機能するが、強烈にアカデミックな趣があってちょっと格調高いですね。前のも聴いたけど、この第三弾が一番いいと思う。

おしらせ
今年のプロパー更新は今週のWeeklyで終わりです。次回は恒例のベスト30をお楽しみに。