GVVC Weekly – Week 263

adrianne lenker – ruined

ビッグ・シーフのエイドリアン・レンカーが来年リリースするソロ新作アルバムより最初の先行曲をビデオ公開。
いやいやもう言葉も出ないです、この人のだと認識せずに流しで新着を聴いててこれにブチ当たり絶句。本当にバケモノのストーリーテラーで、ソロだとボーカルの異常さがより引き立ちますね。
シンプルなピアノ弾き語りと見せかけて薄っすら乗ってるシンセパッド系のアンビエントサウンドや逆回転の挿入などちょっと小技が効いていてサウンド面も盤石な仕上がり。あとは歌詞がちょっと謎ですが、宝石が散りばめられたベストからアメジスト取り外してプレゼントしてくれたってとこなんか好き。


Punchlove – Dead Lands

ブルックリンのパンチラヴがリリースした単発ニューシングルのビデオです。
混じりっ気のないシューゲイズ・ドリームポップに全振りの音楽性で、目新しさというところでは特筆すべき点はないのですがサウンドがとても深く叙情的で、艶のあるダウナー・オルタナロック的な雰囲気もあり実に美しい。
3年くらいはやっているみたいですがこれまでEPと単発シングルばかりでまとまった作品はなし。今回かなり渾身の出来栄えだと思うし一応Kanineから名入りのリリースということで来たるデビューアルバムにまず間違いなく収録される代名詞的楽曲になることでしょう。期待!

今週のLP/EPフルリリース

Carrion Spring – how it all falls away petal by petal (EP)

ポートランドのベテランポストHCバンドの新作EP。キャリアの割に超寡作(ちゃんとしたフルアルバムなんか10年で2枚とか)な人たちなのでプロパー新作はレアです。
一応流れとしてはDrive Like Jehu発端の系譜だと思われる、確かにハードコアではあるがあまりファストありきに突っ込まず、マスロック的にも展開しかねないテクニカルな刻みと緩急のある演奏、痙攣した緊張感の中ギリギリでスクリーモに分類されるか際どいラインの歌唱により辛うじてオルタナロック的にも聴ける範疇のやつですね。
どっちかというと不穏系のコード使いなんですが、そこまでザクザクにぶっ刺してくるインテンシティではなく程々に弛緩してて聴いてて疲れないのでちょうど良いです。M-2とかアットザドライヴインみたいな感じになっちゃってますね。最後のM-5はデスキャブのフォトアルバムの曲のカバーです。年末にピッタリ(?)ジャケットの赤カラスもトランスアトランティシズムのオマージュでしょうか?

さて年末進行でリリース、プレミアが少なくウィークリーのボリュームが怪しくなってきてます。
プロパー更新は次週で最後か、量によってはもしかしたら今週で最後の可能性もあります。
恒例のベストトラックスは今年もやりますのでー!