GVVC Weekly – Week 265

Waxahatchee – Right Back to It (feat. MJ Lenderman)

ワクサハッチーことケイティ・クラッチフィールドが3月リリースの新作アルバムをアナウンスし最初の先行曲をビデオ公開。
今回の楽曲ではソロでも活動するWednesdayのギタリスト、MJ Lendermanがフィーチャーされておりましてデュエットのような仕上がりになってます。前作LPもなかなか素晴らしかったですが、同方向性のままそこからさらに研ぎ澄まし、オルタナロックを捨ててアメリカーナに寄り出して以降の集大成のような雰囲気で、ワクサハッチーここに完成といったような凜とした趣があります。
フィル・クックの客演バンジョーもかなりいい味出しており、ゆったりとしていながら音楽としてとんでもない強度、自信たっぷりの歌唱と脂の乗り切ったサウンドで全体の仕上がりが楽しみですね。映像も素晴らしい。
なおWednesdayは3月に来日公演控えてますし、前座にそのMJ Lendermanソロというお得な内容になってますのでオススメ。


Dancer – Passionate Sunday

グラスゴーのダンサーが3月にリリースするデビューフルレングス作より最初の先行曲はアルバムでのクローザートラック。
身も蓋もないこのバンド名はスカスカで気の抜けた脱力ポストパンク・宅録インディポップのサウンドになんとなく合っている。本パートに突入してからはめちゃくちゃシンプルな作りですが、ダルダルに弛緩したイントロ導入部が非常に効いていて、全体の印象における芸術点をアップしてます。tweeまで入ってしまっているようなヘッポコ歌唱と頭のネジ抜けた人懐っこいメロディがマジキチスマイル感じさせる2分半。


Plantoid – Modulator

UKのプラントイドが来月頭にBella Unionからリリースするデビューアルバムより三つ目となる先行曲をビデオ公開。
昨年出ていた前の先行曲(“Dog’s Life”)もポストハードコア〜マスロック路線でなかなか良かったのですが、今回はよりしっとりウェットに攻めるジャジー・プログレ・ジャムのトラックと思ったより楽曲に振り幅があるようでこれはアルバム飽きなさそうです。ボーカルが甘めなため通常暑苦しく、鬱陶しくなりがちこの手の音楽性をそこそこ清涼感のある聴き易い雰囲気にまとめているのが素晴らしい。
ただ、もう少しさっぱり終わればいいのにどうしてもズルズル展開させ尺を長くしたがる癖があるようで4分過ぎのブレイクで終わればよかろうにそこから蛇足のジャムセッション本番採用になっており気が削がれます。ライブとかならいいんだけど、音源にコレいらんって(しかもまだM-2)。


Gouge Away – Stuck In A Dream

昨年復活したフロリダのガウジ・アウェイがついに3月にリリースする6年ぶりの新作アルバムをアナウンスし先行曲をビデオ公開。昨年公開していた楽曲も収録されるようですが、今回のシングルは1曲目のオープニングトラック。
そこそこ長いブランクがあるもののサウンド的に前作から大きな変化はなく、おそらくこれは明確に一発目向きの激しめなサービス曲だと思われ、女ボーカル版Drive Like Jehu的なところをすこしだけオルタナに寄せたって感じのサウンドで尖りと落ち着きのバランス感覚に優れるいぶし銀ポストハードコアサウンドが非常に乙です。
バンドとしての全体的な圧もフロントの子もそんなにいかつくないのが良くて、インディロックの範疇でも全然いけるくらいなのが間口広いと思います。


Omni – Plastic Pyramid (feat. Izzy Glaudini)

2月にリリースされるオムニの新作アルバムから二つ目の先行曲がビデオ公開。
基本的な部分はいつもの彼らのサウンドではありますが、今回は客演により初の男女デュエットということでこれまでにない趣が付加され、ちょっと面白い雰囲気に。
大胆なリズムチェンジがあったり軽くセリフっぽい掛け合いまであったりと、そもそもの音楽性がかなり特徴的なサウンドの一発芸でそのまま一本調子に進んでいくようなきらいがあるんで、バリエーションとしてこういうのが入るとかなり幅が広がりメリハリがつくと思う。とにかく客演のメリットが明確に大きいのでこういう路線の変わり種は今後も入れてって欲しいし、何ならこの子レギュラーのメンバーにしたら?(無責任)

今週のLP/EPフルリリース

Kali Uchis – ORQUÍDEAS (LP)

いや何なんですかねこの人は本当に凄い。R&B感はさらに薄れて、もはやめちゃくちゃ歌がいいラテンハウス~インディダンスみたいな仕上がり。年間ワーストレベルの酷すぎるカバーアート(載せたくない)から繰り出されるサウンドは普通に洗練されたポップスで、全然エグくないんです歌唱も楽曲もアレンジもね。
全体の雰囲気に余計なサグ味もなく、歌唱はどこか可憐ですらある、非常に女性的な佇まい。なぜアートディレクションの魅せ方だけがこんなケバいのか謎で謎で仕方がない。1stのジャケットは別に普通だったのにな…。
もう基本的にはスペ語で行くように舵切ったみたいで何言ってるかは全然わからないんですが、中南米ルーツを強く感じさせるサウダージはがっつり湛えているものの、どこか暑苦しくなくサラっとしていてクールなんです。さすがにM-6とかはちょと匂うけど、その後またすぐ爽やかになるし、冒頭から5曲の流れが本当に素晴らしく今年最初の名盤と言って差し支えないでしょう。欲を言うならいつも長いから客演の曲を全部削ってトータル10曲くらいにすればいいのにな。