GVVC Weekly – Week 43

Florist – Shadow Bloom (Official Music Video)

ダブル・ダブ・ワミーの看板アーティストのうちの一人、フローリストの新作からです。
実質的にはソロプロジェクトで、プライベートな雰囲気でもありながらも、今までは
バンド編成の作品をリリースしていましたが、今回はアルバムタイトル”Emily Alone”通り
完全ソロ・レコーディング作となっているようで、ほぼアコースティックサウンドですね。
ビヨンセのドキュメンタリーに謎に曲が使われていた事でも最近話題になってましたが、
それも納得というか、ちょっと違いを感じるんです。物凄くシンプルなんだけど、強烈な
日の光のイメージ、穏やかで優しい暖色系の静謐さを湛えていて、淡い写真みたいな音楽。
1stをヴァイナルで持ってるけど、たまに聴いちゃう。飾り気がないし、狙ってやってない
感じがすごくするんですよ。ナチュラルで天然って感じです。一輪挿しの花みたいな存在感。


Palehound – Black Friday [OFFICIAL AUDIO]

ペイルハウンドの久々のニューアルバムから新しく公開された一曲です。
エレアコ弾き語りをベースに、お手本のようなフレイヴァーをまぶした程よい肉付けの
サンベイズド・USインディ佳曲です。日常系の米単館映画のエンディングにありそう。
本人を模した編み人形のジャケットが何かいいね、似てるし。


Cross Record – PYSOL My Castle

エミリー・クロスのクロス・レコード。サイドプロジェクトを挟んでの新アルバムは
満を持してのセルフタイトル作です。先行曲は、淡いシンセレイヤーと波音のようなSEに
対して意外とハリのあるボトムラインのコントラスが不思議な輪郭を描くスローナンバー。
もう少し寂寞感というか、荒涼とした心象風景みたいなイメージだったんですが
少しウォームに、ウェットに、包み込むようなサウンドスケープへと寄っていますね。


Sacred Paws // Almost It (Official Video)

グラスゴーのセイクリッド・ポーズから、正式にアルバムリリースの告知が出ました。
それに併せて新曲ビデオも公開です。一つ前のシングルも紹介したんですが、今回も楽しく
陽気なシングルコイルサウンドと管楽器が入り乱れるトロピカルポップスで素敵な雰囲気。
ハッピーポストパンクとも呼べるようなサウンドで、でもUS西海岸のそれとは明確に違くて
どこか独特ですよね。正式なメンバーはこの女性二人だけのようです。ちょっと注目株です。


PURPLE PILGRIMS – Two Worlds Apart’ (Official Video)

NZの姉妹による宅録ユニット、パープル・ピルグリムズの新作アルバムから先行ビデオ。
サウンドはバンド系で、くぐもったハイ落ちローファイムードとリバーブ全開のボーカルに
スペースをゆったり使う節回しのポップ目なメロディーや浮遊感のあるシンセパッドの中、
空間系アーミングなども飛び出し、シューゲイズ的なフィーリングも少し入ってますね。
なかなか気持ちの良い音楽で、お外へお出かけの時に聴きたい感じですねい。
以前はNot Not Funからリリースしていましたが、今回は地元Flying Nunからのようです。


Herve Pagez, Diplo – Spicy (Official Music Video) ft. Charli XCX

Herve PagezとDiploの連名で、ヴォーカルにはCharli XCXをフィーチャーしたトラック。
まったくもって音楽的にはどうってことないんですが、ビデオが妙に面白いんで紹介です。
個人的にオススメシーンは水槽をハンマーで殴るとこと、オバQのポーズでイルカさん達と
ラインダンスするとこの特に後ろからのカットの部分ですかね。色彩も何かいいんだよね。
スパイスガールズの有名曲のカバーというかなんというか、リワークってことになってます。


Lower Dens – Young Republicans (Official Video)

ロウアー・デンズ久々のニューアルバムから最初に公開された楽曲はどうした?って感じの
大味なNew Order的シンセポップ楽曲で、正直良くないですね。雰囲気もなんか異様で、
We’re young republicansとか言い出したらまあ困惑する。まあ当然ガチなわけではなく、
今日日のこの状況下で若い共和党員とか共和党の家の子供とかのキモチになってみた的な。
ちなみにレディオプレイするには”too controversial”な為、オンエアーできないと言われて
いるみたいで、問題作となってます。確かにセンシティブな題材ですけど、それもどうなの。
正直アメリカでインディ音楽やっててリベラル側じゃない奴なんて居ると思えないというか、
居たとしても公言できる雰囲気ではないでしょうからね。それはそれでまた問題ですけど。



Jai Paul – Jai Paul – Do You Love Her Now / He

一応載せとこうか!アルバムの未完成リーク騒ぎ以来、結局リリースに至らず、なんか
兄弟とレーベル始めたりと、どうなってんの?状態だったジャイ・ポールさんももう30。
新曲を2つ提げて、リークされたアルバムを完成品でないままオフィシャルで再発、という
複雑な状況です。まだアノニマスブームの残り香というか時代も時代で、話題性先行の
意図したリークじゃないかという印象等もありましたが、第三者による100%悪意の事件で、
想像以上にいろいろ大変だったみたいです。当時から今に至るまでのストーリーを赤裸々に
ステートメントで公開していますが中々堪える内容で、人生設計も狂わされたでしょうし、
アンオフィシャルだろうが流出したものは喜んで享受する世の中ってのも、それを逆手に
敢えて装ってたりも実際あるわけで、どれが本当かわからない。ある意味犠牲者な彼です。

今週の小話コーナー

・ディアハンターのBradford Coxがシャネルのランウェイでモデル。
http://www.papermag.com/deerhunter-gucci-2638524129.html
雑誌とかのカットじゃなくてガチのコレクションデビューですね。

・スリーターキニーの新作のカバーアートまじ酷いわ。冗談にしても笑えない。
今年のワースト・アルバムジャケットに完全ノミネート。年末絶対入るよコレ。