GVVC Weekly – Week 58


Mount Eerie – Love Without Possession (with Julie Doiron) official audio

かなり昔にもコラボレート作をリリースしていたマウント・イアリとジュリー・ドワロンが
再びタッグを組み、第二作を発表してそちらからの先行曲が公開されましたが、これは…!
素晴らしく美しい至高の仕上がりで、宝物のような輝きです。控えめなアコースティックの
バッキングに、オクターブでユニゾンするデュエットというと普通なんですが、何というか
歌唱の取り方がいい意味でアブストラクトで、所謂アコースティック・デュオみたいな音楽
やってる人達では絶対にできない表現内容なのよね。後半にはレイヤーのサウンドも入って、
最終的にMount Eerieでもみられるようなギターも登場する、プログレッシヴな構成ですが
抑制が効いているのに、瑞々しくて鮮やかな発色の景色が広がってて、いい映画みたいです。

Little Scream – Disco Ball (Official Audio)

モントリオールのリトル・スクリームがマージから来月リリースする新作LPの先行曲3つ目。
割とボトムの太いインディ・ロックなサウンドに、明瞭だけどやや線が細く可憐なボーカル、
そしてビッグなメロディ。奇をてらった所は一切なくも、すごく魅力的な音楽になってます。
この曲が一番シングル向きで、ミックスが素晴らしくいい仕事してる。ジャケットもステキ。
声がちょい似てるのか、UKですがルーシー・ローズのバンドサウンド系の曲っぽいですね。

Molly Linen – ‘When They Didn’t Care’ (Official Video)

グラスゴーの実質的SSWソロバンド、モリー・リネンが新作EPから先行ビデオを公開です。
同郷のC.Duncanもメンバーに入っていますね。以前公開していた曲はもっとサッド・コア
的な要素もあるフォーキーなものでしたが、今回はより明るめのソフトサイケ・トラッドを
感じさせるSSWバンド然としたサウンドで、USのQUILTのようなイメージに近いですかね。
もっさりしたベースがもの凄い主張してて、ダブ並みの音量かつ一筋縄ではいかない動きで
コーラスの所とか特に、歌メロとの兼ね合いが異様な感じになってて、こういう音楽でこれ
ちょっと滅多にないし、それでいて全然プラスに作用してるから面白い。落ち込んでいる時、
田舎だったり自然の中へ行ってみるのがどんなに良い事かを認識する作品、とのことですよ。

Sløtface – Sink or Swim (Offical Lyric Video)

ノルウェイのスラットフェイスから、非常にタイムリーな環境問題全振りのニューシングル。
楽曲的にはサクッと軽く小気味良く刻む、塩味のALTポップとなってますが、ビデオと歌詞
が真打、今回の中身でして、映像がちょっと衝撃的です。しかし見せ方がなんか上手いなと
思う、カジュアルでポップに訴求力ある感じで、同時に浮遊するプラごみの様子が皮肉にも
トラックに対するビジュアライザーとして、ある意味いい感じに機能しているというのが…。

The Japanese House – Something Has to Change

ロンドンのアンバー・ベインによるソロバンド、ザ・ジャパニーズ・ハウスが今年の3月に
リリースしたデビューアルバム以来の新曲を公開。この9月に来日公演も行ったばかりだね。
以前、数曲聴いていた限りではシンセウェーブ系のメランコリック・ポップみたいな印象で
結構、これという個性は感じなかったのですが今回の進化でちょっと抜けたかなと思います。
ニューウェイヴ・バンドのような構成で、無駄を削ぎ落としたスタイリッシュなトラックに、
逆回転系のシーケンスやボーカルのエフェクトなどで複雑なニュアンスを付与した仕上がり。
アレンジメントの方向性はクール路線なのに音の質感はややウォームってのも面白いですね。
ビデオもすごく良いです。脱ぎ捨てられた服の山に、ボックスシルエットの背広と愛犬かな。