エフタークラングはフルアルバムをリリースしたばかりですが、引き続きEPをリリースし
そのタイトルトラックとなっている楽曲のビデオが公開されました。コレ、素晴らしいです。
かなり室内楽的な要素のある、ポスト・クラシカルなんて言葉の似合うアンサンブルで
ドラムもギターも入っていませんが、凄くちゃんとしたスタインウェイのグランドピアノと
こういうシンセがこんなにも自然と調和してる、かつ歌の入った音楽聴いたことあります?
う、美しい…。相変わらずデンマーク語で、何言ってるかは全くわかりません。
Duster – Letting Go
再発からの流れで、正式に復活したダスターの完全新作アルバムから新たな先行トラック。
イントロからテルミン系のノイズというか、謎のフィードバックが全編にわたって背景に
流れ続け、楽曲そのものは穏やかなんですけど、感情のこもらない枯れ気味のボーカルと
相まってちょっと真顔で聴いちゃう音楽になってて、ウィルコのYHFに入ってるような、
音響オルタナフォークが、スリント流れのポストHCで殺伐とした雰囲気に接近した感じ。
American Nightmare – Life Support
コールド・ケイヴのウェスリー・アイソルドがその昔やっていたハードコアパンクバンド、
アメリカン・ナイトメアが結成20周年記念の再結成ツアーをするそうで、それに先駆けて
シングルを発表しました。ハタチくらいの時にやってたのかな。やっぱりボーカルが本当
カリスマティックで、違いを感じる。B面はレモンヘッズのカヴァーですが、そっちとか
Cold Caveの時と完全に同じ声だし、なんだか不思議。ツアーはCeremonyがほぼ帯同
とのことで、全身黒ずくめのお兄さんたちですごいことになりそうですね。公式物販に、
服に黒く染みちゃう、黒い香水とかあるんですヨ。黒い服しか着ないでしょ?っていう
おもしろマーチャンダイズっていうか。”デス・パフューム“、中二病ってレベルじゃねえ。
Kevin Krauter – Surprise (Official Video)
Hoopsのフロントマン、ケヴィン・クラウターは、本名名義のソロ活動も行なっていて、
こちらはその新曲ですね。一言でいっちゃえばドリームポップなのかもしれませんが、
そこまで白昼夢感はない、地に足がついたような雰囲気。ギターも少し歪みかかってて
ザラ目があり、歌唱もフニャフニャ過ぎないからですかね。シューゲイズ味も効いてる。
一聴、ありふれた音楽っぽいけど、不思議と繰り返し聴けるクオリティで、さすがです。
Moreish Idols – Baseball
サウスロンドン、ペッカムのモーリッシュ・アイドルズがニューシングルを発表です。
キッチュなディスコ・パンクというか、洒脱なインディ・ダンス系のバンドサウンドで、
珍しいフォーマットではないですが、音のヌケが何だかもの凄く良いのと、サックスの
プレイがめちゃくちゃカッコイイのとで、お腹いっぱいになる満足度の高いトラック。
将来を嘱望されながらも、ヒザの怪我で成功できなかったブラジル出身の元野球選手に
インスパイアされた楽曲とのことです。前回の曲から比べると急激に化けたねこれは。
Jon Hopkins & Kelly Lee Owens – Luminous Spaces (Official Audio)
元々はケリー・リー・オーウェンスがただリミックスする予定だったのがあれよあれよと
歌い始めちゃって、なし崩しでコラボになったという、割と最近よく聞くパターンですね。
言われないとこの組み合わせとは思わない音で、随分とライトな質感の音楽になってます。
ケバさが希釈されてちょっと趣味が良くなったダッチトランスみたいなサウンドで、もう
ハウスっていう雰囲気では無いかな。強い光を感じるイメージで、やや高速の4つ打ちは
先日のNAVVIの新譜に一曲だけ入ってた”To Know You”に近いものを感じる。
これやっぱいいですね。
FEET – Vegetarian Christmas [Official Music Video]
イングランド、コヴェントリーのフィートが発表したクリスマス・シングルですが、
ヴィーガンの為のクリスマス、つまり肉に対してのオルタナティブとなるような
クリスマス・ディッシュを提案する、っていう感じの内容でちょっと面白いですし、
フックのとこが結構ね、熱こもってるというか、説得力がある。すごくシンプルに
キャッチーで、本当クリスマス会で流しとくのにちょうどいいような感じの雰囲気。
“Nothing’s a tradition until it starts.”と歌われてますが、まさにその通りですねっ。
・The 405がついにサイトを閉じるようです。結構突然で、いきなしWixの広告出てきて
びびったわ。08年開始で、長らく有力音楽メディアの一翼でしたが、遂にまたひとつ…。
・フォスター・ザ・ピープルが例の代表曲をライブで演るの、永遠にやめるらしいです。
Foster The People – Pumped up Kicks (Official Music Video)
この歌詞の内容というのが、アメリカの学校で度々発生する銃乱射事件を描いたもので、
というのも元メンバーの一人の親族が、かの有名なコロンバイン高校の
マス・シューティングに実際に遭遇した生き残りだというので、ゆかりも深く、
それが起こってしまう、続いてしまう背景を憂慮しての、風刺的なというか…作品。
でもこの曲はアメリカで大ヒットした、まさに”一発屋”的なレベルで
認知されているもので、曲調もまあ、一応アップテンポというか…ダンサブルで、
それも底抜けに明るいわけではない、ちょっと狂って飄々としたようなニュアンスもある。
そういう背景もあってか、一部からですね、
「むしろその銃乱射を奨励している、犯人を英雄視した歌詞でけしからん」的な
難癖をつけられているようで、もうほんと長いことこの曲にコントロヴァーシィが
ついて回っていて、いい加減白旗を上げざるを得ない、といったところみたいです。
まあね、そもそもそのサビんとこの歌詞が
“バッシュを履いたイケてるグループの連中ども、俺の銃がら逃げてごらん?ほぉれ”
を連呼するっていう内容なので、さすがに問題視する人がいるのも無理はないのかな、
っていう部分はある。まあ、そんなのいっぱいあると思うけど、なまじ有名曲すぎてね。
この問題についてマーク・フォスターは、
「もし自分の曲が、公共(聴衆)によって自然と何かのシンボルに成ってしまったら、
もうそれをコントロールする手段は自分にはない、その曲が何であるのかを決めるのは
“公衆”だ。」というようなことを語っていて、潔いとも言えますよね。