GVVC Weekly – Week 96


Knot – Foam

Krillの実質的後身バンド、ノットのデビューアルバムから最初の先行曲が公開されました。
基本的には相変わらずのオルタナフィーリングで、クリルの曲と言われてもわからないけど
若干ねじれポップ度が増しているかな。少しポストハードコア勢のテイストも感じる所が
この人たちはポイントでして、90’sのオルタナロックや、ビルスピみたいなUSインディに
Les Savy Favからディスコードのバンドまでをいいとこ取りしているようなオイシイ音楽。

Young Jesus – Root and Crown

サドル・クリークよりリリースされるヤング・ジーザスの新作アルバムから最初の先行曲。
これはやられる。本来の元の音を知ってるからその心構えで聴くといきなりコレだからね、
不意打ちも込みでグッときてしまいました。すごくパーソナルだけど密度の濃い、なんか
切羽詰まったような歌唱に感じて、叙情的というより差し迫った狂気を感じるSSW的楽曲。
歌心がダイレクトに触れてきます。アルバム全体がこれじゃないだろうけど、どうなるの?


MJ Guider – FM Secure

MJガイダーの9月リリース新作LPからリードトラックは、まさにKranky印全開のムードで
トロピック・オブ・キャンサー化したサイケなGrouperって感じに仕上がっています。この
ドープに振れすぎない聴きやすさ、耳障りの良さをキープしつつコンパクトにまとめながら
バンド系の電化ダーク・アンビエントを明瞭に提示する手腕があっぱれでしょう。教科書。
本当にその筋の人達にアピールするにはこれじゃ少しお行儀が良すぎるかもしれないが、
程々にコマーシャルさを保ったモノが好きな軟弱者の自分みたいなのにはちょうどいいです。
まだ1曲だけどね、ミックス良好でこれ多分アルバムもいいと思うから、カラー盤欲しいな。

Hoops – Fall Back (Official Video)

フープスの10月リリース新作LPから、先行曲のビデオが出ました。カット扱いはこれが
一発目ですが、公開済みの”They Say”も収録されるようです。もうずっといるような印象
だけどまだ2ndなのに、すごい成熟度で軽くヴェテランみたいだよね。本当に安定してるし
それが少しつまらなくも感じるけど、瑞々しさがあるから大丈夫。変にシティポップ系の
フィーリングは入れないで、今回の曲みたいな路線でずっと頑張ってほしいけどな。 彼らと
RBCFが今のこういう、標準的なサウンドのインディロックのロールモデルって感じするね。

Lucy Feliz – Magic Hour

ブライトンのSSW、ルーシー・フェリースの新作アルバムから最初の先行トラック公開です。
バンド編成のドリーム・フォークっていう感じですが、展開がかなりはっきり分かれていて
起承転結が美しく、すごく良くまとまっている佳曲です。しっとりと始まり、印象というか
想定よりもダイナミックに広がっていき、終いにゃネオアコよろしくのパパパパ・コーラス
まで飛び出す始末です。音像自体は目新しくないんですが全体のコンポジションの妙ですね。

Wax Chattels // No Ties (Official Video)

NZバンド、ワックス・チャテルの新作アルバムが発表され最初の先行トラックが公開です。
Sacred Bones系のリリースを多く手がけるBen Greenbergがミックスということで、相当
効いてるというか、かなりその影響が大きく、このへばりつくノイジーな壁の発現はまさに
セイクリッド・ボーンズ経由のバンド系によくある鳴りに近い。Doomで性急なポストパンク
といった感じのサウンドですが、ギターレスのトリオ編成っていうところが音楽性にマッチ
していて、台湾系ベースボーカルの歌唱もかなりカッコイイ。これ少しライブ観たいですね。


Presentable Corpse – Ancient Grief / Tuesday Morning

近年ソロでかなり活動的なジョージ・エルブレヒト、お次はプレゼンタブル・コープス名義。
いわゆるネオアコサイケポップ的な楽曲が2つ出まして、特にM-2の方は初期ヴァイオレンズ
的な方向性に近いのかな。ソニック・フラワー・グルーヴ期のプライマルスクリームっぽさ
かなりありますよね。しかし、ずっとこの老け特殊メイク何なの。この人自分の本名名義の
同じアカウントで、縦横無尽にいろんなプロジェクトでの新作を発表するからこんがらがる。

どうしてもこのビデオが印象深い。チェアリフト時代、キャロラインの恋人役で大学舞台の
MVドラマに出てて、というか役じゃなくて当時はガチ彼なんだけどこれオリジナル本当に
面白くて、フラッシュ版はビデオの途中で分岐選択肢があり、真のインタラクティブ仕様。
それによって正史・死亡ルート・百合ルートとか展開が変わるんです。この人が今上で老人
になりきっているわけで…、確かこのビデオblog never sleepsで紹介したな。8年前かよ。

Lomelda – Wonder (Official Music Video)

ロメルダの2年ぶりフルアルバムは引き続きダブル・ダブル・ワミーから。そちらから最初の
先行トラックがビデオで公開です。あれ、こんなんだったっけ?なんか今までの印象よりも
翳りのあるオルタナロックのサウンドになっていて、スケールの小さいBig Thiefみたいにも
聴こえるね。いかにもソロアーティストといった感じの音像だった気がするんだけど今回は
全編こんなので来るのかしら?スローコアとも言えるテイストで、なかなかいい曲だと思う。

今週のLP/EPフルリリース

Men I Trust – Forever Live Sessions (LP)

延期になった来日公演の振替は、なんだかんだ結局行けず実際に観れてないが正直、周りの
評判はすげー悪かった。ライブは良くなさそうとは実際思ってて、あのアルバムも編集盤
みたいな内容だったし、正直楽曲に対しての音作りというかミックスがあまり好みじゃない。
そういうのもあって振替に無理して行かなかったというのもある。それでこのライブ版の
音源、というかガレージセッションだけど、とにかく音はこっちのが断然好みなんだよな。
アルバムよりも遥かに聴けるし、人によるとは思うがほとんどの曲は今回のバージョンのが
良いよ。ミラクルが起こっていたTailwhipですら遜色ない。これがオリジナルアルバムでも
よかったんじゃねえか…。でもやっぱ無理してでもライブ観れば良かったな、とはならない。
少しでもブーミーになったら即アウト、生ライブの音響に映えるわけがない音楽性なんだよ。
しかし、改めて楽曲の質は際立ってる。地味だけどキラリと名曲って一番オイシイやつよね。


Julianna Barwick – Healing Is A Miracle (LP)

正直、前情報なしで客演にヨンシーとノサッジ・シングが並んでるの見たら不安しかないよ。
ビートが入ってる先行曲聴いてコレ大丈夫かと思ったが、全体的にはそのまま、正統進化で
少し重厚になっているけれどいつもの彼女のテイスト。変化をつけるためだとは思うけど、
通して聴いてもやはりJonsi参加のトラックは邪魔しかしてないね。お得意の聖歌隊みたいな
サウンドで、クワイヤーにヨンシーのハイトーンヴォイス加えるような方向性のコラボでも
良かったはずだが、トラック含め何でこの起用法なのか本当に謎だし、Ninja Tuneが余計な
事言ってねえだろうな。M-6みたいなのも個人的にはやめて欲しい。NosajコラボのM-9は
空気読んでか中途半端にしかビートを導入しておらず、これも双方痛み分けの誰得コラボ。
メアリー・ラティモアは無難に馴染んでて問題ないですが、変にする方が難しい組み合わせ。
M-1とM-5が良いかな。今回は開けた雄大な自然ってイメージだろうが、教会のままでいい。
現在のサウンドクオリティでNepentheまんまのアルバムもう一回作ってくれないかしらね。