GVVC Weekly – Week 95


Bill Callahan – Pigeons

ビル・キャラハンが昨年に引き続き今年も新作をリリース、当然安定のDrag Cityからです。
謎の”Hello, I’m Johnny Cash.”という一節から始まるこの最初の先行曲は、やや控えめな
バンド編成のサウンドで、彼の作品群の中ではこれでも派手な方に属していると思いますが
必殺のバリトンボイスによるストーリーテリングが全編炸裂するチェンバーポップ的な一品。
ブラス隊もとても美しい。アルバムにはSMOG時代の楽曲リテイク等も収録される模様です。
全体像が見えてないけど、基本的にこの編成の録音ならかなり期待できそうな気がしますね。

Fear of Men – Into Strangeness (Official Video)

フィア・オブ・メンが久々の新曲ビデオを公開です。すごい変わりようで、前を知らないと
バンド名のイメージなんかからしても、こっちの方がしっくりくるようなポストパンク系の
ちょいゴスなサウンドとビジュアルに。前のどこか捻くれてる淡白なギターポップ風でいて
微妙にサッドコア・スローコア等も感じさせる路線が好きでしたが、確かに少し中途半端な
所があったから、これの方が提示されているものはわかりやすいし、売れそうではあるね。

The Earnest Spears – Liar

イングランド、ウスターからジ・アーネスト・スピアーズの新曲。音と見た目があってなく
あーはいはい最近のUKのポストパンクねってところに、若干ハードコアパンク味がかった
ノイジーなオルタナロックのテイストでダサカッコいい勢いがいい意味で笑っちゃいます。
正直もうポストパンクは元々からしてさして個人的には好きではない所に、タケノコ並みに
次々現れる昨今ウンザリしてるので、少なくともこれくらいは変化をつけてきて欲しいかな。

Caitlin Pasko – Horrible Person

ブルックリンのケイトリン・パスコが8月にリリースする新作アルバムから、最初の先行曲。
Patient Sounds路線のキレイめフィールドレコードディング系アンビエントにそれだけでは
割とよくあるヤツな所を、トラックの抑揚などはつけないままにガッツリ歌い込むことで
ちょっと他にない感じのサウンドスケープになっており、現状ではまだ完成されてない感が
ありますが、この方向性をそのまま極めてみて欲しいな。Grouper的なそれとはまた違う、
アンビエント・ドローンSSWの新しい方向性が垣間見えてて、これは面白いと思いますよ。

Disq – I Know What Its Like (Jeff Tweedy cover)

去年、ウィルコのJeff Tweedyが出してたソロ作の楽曲なんですが、この曲は確かに何か
妙な魅力があって、この一曲だけ単体で自分も実はかなり聴いてたんです。それをDisqが
カバーしたものが出まして、ストレートな仕上がりなんですが、凄く分かるんですよね。
同じように聴こえてる、同じようにイイと思ったんだろなってのがリアルに伝わってきて
なんだか載せずにはいられないというか。キャロラインのあの曲を、救われるフラワーが
カバーしてた時も思ったんだけど、もう確立された大名曲とかじゃなく、半年とか1年位の
最近出たやつを、これイイんだよね~って感じにサラっとカバーするのが今っぽいかなと。


Cloud Nothings – Story That I Live / The Mess Is Permanent

クラウド・ナッシングスがコロナ禍の中、それぞれ自宅でレコーディングしリモートで
制作された新作アルバムをリリース。2曲フリーでストリームできます。ちょっと重めの
グランジ路線や殺伐とした感じに舵切っていた時期もありましたが、これは当初のノリが
感じられる楽曲たち。ただ個人的にはジャングリーでガサっとした4曲入りの7″とかの頃が
好きだったから、コレはもうそこから更にメロコアっぽくなっちゃった以降のサウンド
ではありますが…。何で拾ったかと言うとね、なんかドラムの音が妙にイイんですよね。

Sufjan Stevens – America [Official Audio]

いろいろ細かいモノやコラボは出してたとはいえ、プロパー作となると久々のスフィやん。
5年前のCarrie & Lowellってのは本当に奇跡的な名盤で、AGE OF ADZとの落差が激しく
プライヴェートで美しい穏やかな作品だった。正直ちょっとカオスな音楽性の人って印象
だったから、あれはなんだか特別なんだよね。で、今回のこれは長尺っていうこともあり
軽く組曲のような構成で、中盤なんか祝祭感と破壊的なシークエンスが暴発する阿鼻叫喚。
アルバムクローザートラックだっていうから納得だし、それを先行公開するなよと思うが、
まあその辺も含めて彼らしいとは思う。ちょっと無理してるというか、狂ったような感じ
出してきていても、繊細でぶっ壊れそうな雰囲気がウラに見えるからいいんでしょうね。

今週のLP/EPフルリリース

Cindy – s/t (LP)

シューゲイズ + イタロ・ディスコがコンセプトっつうとどうしてもCHROMATICS、IDIB勢
に近い趣になってくるとは思うんだけど、イメージするところからそう遠からず少しだけ
外してきてて、芸術点が高いね。これおそらくミックスで、深すぎるリバーブが妙な響きに
なるくらい凄く中域に寄ったというかレンジの狭い、でも謎にヌケのいいコンプサウンド。
これでコテコテの歌ものやってたら結構キツいが、アブストラクトな仕上がりだからいいよ。
10年前の後遺症でレトロっぽい音像ってもうずっと食傷気味だけどなんだかこれは許せる。
でも、この音楽性ではどうしてもジョニー・ジュエルの影がチラついてしまうわな…難しい。