GVVC Weekly – Week 139

Cola Boyy – Don’t Forget Your Neighborhood feat. The Avalanches (Official Video)

コーラ・ボーイの新作アルバムは引き続きAIRニコラス・ゴダン主宰Record Makersから、
MGMTのレーベルと合同でのリリースでその両レーベル主が実際にゲスト参加もしてます。
最初の先行トラックとなるこちらは、あのアヴァランチーズをフィーチャーということで
もう、まさにな感じのバウンシーかつキャッチーなコラージュ・ボーカルハウスの楽曲で、
逆のパターンで客演もしていましたが(その楽曲も結構良かった)似たようなフィーリング。
楽曲は1:40頃から始まります。何かあれ、フレンチエレクトロハウスが流行っていた時代、
キツネだのエド・バンガーだのっていう界隈のヒット・シングル的な趣があり、パーティの
大団円を感じさせるピースなムードがあっていいし、それがアップデートされて面白いかな。

ellis – what if love isn’t enough (official visualizer)

エリスの新作EPから2つ目となる先行トラックがまたまたヴィジュアライザーでの公開です。
EPのタイトルとなっている一節が歌詞に出てくるので、実質的にタイトルトラックなのでは
ないでしょうか。この人の音楽が好きなポイントは明確にいくつかある。まず完全にギター
ベースの音楽で、シンセやパッド系のシークエンスは無いかフレイバー程度。そして最大の
ポイントは思い切ってめちゃくちゃボーカルを大きくセンターに据えて聴かせるミックスね。
昨今のネオシューゲイズ・ドリームポップという音楽性においてこの2つの条件って意外と
満たされない。かつ砕け過ぎず芸術点も保ちたい。彼女も正直ギリギリな部分あるんですが
声がいいし、歌唱も可憐で儚いのが超プラスに作用してて、一気にアリになってるんですよ。

Kings of Convenience – Fever

キングズ・オブ・コンビニエンス12年ぶりの新作アルバムから2つ目の先行トラックです。
目新しいところはないですがサウダージ感のあるそよ風よろしくソフトブリーズ・ポップで、
早々にボーカルトラックが退場しインスト化するロング・アウトロがかなりいいアレンジ。
チェスをプレイする二人を真上からドローン(多分)空撮したジャケットもありそうで無い。

Wy – Braid

スウェーデン、マルメのワイが先日リリースしたばかりの新作アルバムから、ビデオカット。
ドライフラワーと林檎、穴を掘る…曲に合っていて鼻ピがいけてるし、なんか凄くいい映像。

今週のLP/EPフルリリース

Wyldest – Monthly Friend (LP)

最初の先行M-2が凄くいい曲で楽しみにしてた。いや全体的に期待値通りくらいの出来かな。
数名の成功をロールモデルとした、いわゆる近年多い女性SSWソロバンドの系譜でしかない
とも言えるけど、カラっとしたところがなくて内気な雰囲気と湿り気、UK勢っぽさがこれは
良い方向に出てるパターンでうまく差別化になってる。ドリームって言葉使うほどにウェット
深くし過ぎてはいないし、感傷過多な訳でもなくて上手い具合に中庸。淡々と歌ってる時が
声に憂いというか艶があってエモいからあまりクワッと行かず、ボソボソしてた方が魅力的。


Vanity Fairy – Love From Above (EP)

プロジェクト名がもうCom TruiseとかRL Kelly的な冗談ネームで、やりすぎにキッチュな
ディスコ・リバイバル系の音楽性ときたらもう絶対イロモノとしか思えないからそう構えて
聴いてたら曲が異様にいい。特にM-1とM-2は下手したら軽く名曲レベルで、何なのこれと
真顔になる。Not Not FunとかのLA周辺にいかにも居そうなサウンドだけど、そこはUK、
もっとキャッチーというかわかりやすくマスっぽさがあるんで、相対的に聴きやすい音楽に。
コンパクトになった歌のヘタクソなヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアー、等と言ったら
怒られるか?Hot Chipとかあの辺の初期感もある。妙に上ずった変なボーカルもクセ強い。
ふざけてるけど割とマジメに響くのはトラックにあまり遊びが無いからで余計にABBAみUP。