GVVC Weekly – Week 204

Bonny Doon – “San Francisco”

ボニー・ドゥーンが4年ぶりとなるプロパー新曲をリリースしビデオ公開。今回ANTI-からと
ステップアップ移籍を成し遂げてのカムバックです。元の良さとカラーは全てそのまま残し、
より西海岸とアメリカーナのフィーリングを増強したサウンドになっていて普遍的なムード。
ワクサハッチーのバックなどでの活動がかなり還元されたような仕上がりで、牧歌的ですね。
最初の頃のちょっとだけシティも入った雰囲気が独特だったので、個性という意味では若干
薄れた気もしますが、この抜け感ありつつもリッチに響く不思議なボーカルが最大の特徴。


Holy Motors – “Superstar”

ホーリー・モーターズが1stアルバムの5周年記念リイシューをアナウンスし、それに併せて
こちらのカバー曲を公開。カーペンターズのバージョンが有名な気もしますがオリジナルは
ボニー・ブラムレット(とその夫)とレオン・ラッセルの連名作のようです。これが異様に
バンドのサウンドにマッチし、重く深くメランコリックなムードに仕上がった妖しい音像。
クサ目の進行、フレーズでもシューゲイズを感じさせるベンディングがキマリまくった主役
ギタープレイがバキバキに鳴らしてて気持ちい。リイシューに収録されるわけではない模様。


Kelela – Washed Away (Official Video)

ケレラが実に5年ぶりとなるプロパー新曲をビデオで公開です。アルバムなどのアナウンスは
ありませんが、おそらく収録曲なのではないでしょうか。久々のリリースにシングル向けの
トラックではなく、ビートレスのシンセアンビエントフォークのような楽曲を持ってくるのが
まことにあっぱれです。何だかこの人は一味違うというかメインストリームに染まり過ぎず
いいバランスの存在であり続けていて素晴らしいですね。引き続き在籍はWarpのようです。


The Orielles – The Room

マンチェスターのジ・オリエルズが来月リリースする新作アルバムから二つ目となる先行曲。
クラウドベリージャムの疾走曲に、エモもポストロックも取り入れたチャラめのUKロックが
ビンテージやアートブックは無理でも若者向けアパレルにはバッチリはまるスタイリッシュ、
その上更に彼の地に脈々と続くガラージュというかクラブミュージックの香りまでプラスし
とってもイギリスらしくてかつモダンにコマーシャルでも軽薄過ぎない絶妙な仕上がりです。


Phoenix “Tonight” feat. Ezra Koenig

せっかくコルベール出るのに、エズラくんは連れてこれなかったのね。タクシーからの出演。

今週のLP/EPフルリリース

Blood Orange – Four Songs (EP)

一周回って、って感じで。今までの様々な変遷とか私生活でもほんといろいろあった彼がね、
ここでローファイ気味な宅録のサウンドに戻ってきたのが面白く、もうザ・インディ音楽で。
M-1なんかはスカイ・フェレイラのあの曲を思い出す…というかまんまなビートで胸熱です。
まあ本人なんで当たり前なんだけど。ちょっとレイドバック感もあってほんと肩の力抜けて
こんな感じでフルレングスの本気作を、今こそ作ってみて欲しいな。かなり美しくなりそう。
ライトスピード・チャンピオンにテスト・アイシクルズから見ているとやはりこの人は本物。


The Mars Volta – s/t (LP)

この人たちも、思えば遠くへ来たもんだ…枠かな。正直GVVCで掲載する機会があるなんて
思っていなかった。ここへ来てのセルフタイトルドはなんと、カオティックとメタルを捨て
相対的にマイルドに。リリース何も読んでないけどそもそも解散ていうかセドリックがもう
抜けてたんじゃなかったっけ?再結成って事でいいのかしら。みんな歳を取るもんだねって
感じの内容だけど、枯れ切ってしまったみたいなサウンドでは全然なく寧ろかなり良いです。
ほのかにスペイン語圏のラテンが香り立つプログレ・エモ・ブルースロックつーところかな、
とにかく一時期の奇天烈ぶっ飛び感はない、相応に大人の渋みを湛えた唯一無二の音楽性。
まあこのボーカルは個人的にこのくらいの調整でも十分暑苦しくてギリギリではあるのだが
at the drive-in時代、青春の輝きリレイションシップ・オブ・コマンド以降で一番好きです。