ブレイズが来年に予定されている新作フルアルバムから最初の先行トラックをビデオ公開。
曲名にもなっているラファの大親友アシュリーをフィーチャーした内容で、皆既日食の日に
車で出かけて収録された映像らしく、楽曲のイメージにマッチしていて、美しい自然の中
エレピや、ゴダンのエレキ(リッチモンド)のシーンと共に、森に囲まれたセノーテ的な
泉に浸かる等、乙なシーンもあり、ラファの魅力も全開に放出されていて百点満点の内容。
サウンドの方は、前作までフレーヴァーとして多用されていたエレクトロニクスがかなり
鳴りを潜め、自然光を強く感じるクリーンでオーガニックなポストロックといった音楽に。
sonna辺りにエモーショナルなボーカルが入ったような感じとも言えて、ある意味では
15年位前に日本でも流行った綺麗な歌モノ系ポストロックの延長線上にあるものとしても
聴けますかね。前作から相当熱の篭るようになった歌唱も引き続きプラスに作用してます。
なおBraidsのライブは過去2度ほど観ましたが、本当に素晴らしく掛け値なしにオススメ。
個々の演奏力というより機材を扱うテクニカルな部分のスキルが全員もの凄い次元にあり、
ダイナミックさ、生ドラムの躍動感っていう点においてエレクトロニクスの同期が足かせに
全くなっておらず、やろうとしていることの再現性が高いんですよ。次も来てくれるかな?
Soccer Mommy – yellow is the color of her eyes (Official Music Video)
サッカー・マミーの新作から第二弾の先行トラックはショートフィルムスタイルの本格的な
ビデオで登場です。かなりセンチメンタル過剰に仕上げられた7分超のロック・バラード的
楽曲で、ゴールドがかったフィルターの中で時間が止まったり遡っているような感覚の世界。
ディレクターもエターナル・サンシャイン等に言及しており、強烈に”恋愛”を感じさせます。
大名曲だとは全然思いませんが、本人も迫真の演技ですし、一切奇をてらってない普遍的な
テーマが完璧にプレゼンされ、パッケージされているので、これはぐぅの音も出ませんよね。
Field Music – Money Is a Memory
フィールド・ミュージックのコンセプチュアルなニューアルバムから新たな先行トラック。
すっごくトーキングヘッズっぽい洒脱なアートロック・ポストパンクサウンドですが、
コンパクトに、シンプルに纏められていてとても聴きやすい、そこいらへんのカフェでも
かけられるような、ある種の爽やかさすら感じるような仕上がりです。マニマニマニマニ!
Field MusicとField MouseとField Miceが混同しやすいフィールド3傑だったのに、
Field Medicまで出てきてもう何が何だかですよね。しかも全部遠すぎないっていう…。
JFDR – My Work
パスカル・ピノンなどのメンバーが本名を省略した文字列でやっているソロプロジェクトで、
来年3月に出る新作フルアルバムからの先行トラック。一つ前のものはエレクトロニックな
トリップホップ風味の楽曲でしたが、今回のこちらは一転クリアーなアコースティック編成。
ソリッドな氷の冷たさと、透明度の高い水の清冽さを湛えたアシッドフォークサウンドで、
かなりキツいアイスランド訛りの英語と相まって不思議な質感になってます。本名読めんわ。
James Blackshaw – Why Keep Still?
ジェイムズ・ブラックショウ4年ぶりの新曲はアダルト・スウィム・シングルズとして発表。
まあ普段通りの彼なのですけど、いつもより順張りにドラマティックというか、冬の時期に
イルミネーションを見て屈託なくキレイーとか言うような感じの12弦ギター万華鏡でですね
つまり比較的キャッチーな仕上がりだなと思ったのであえてピックアップ。うん、キレイー。
Phoebe Bridgers – Georgia Lee (Tom Waits cover)
トム・ウェイツのトリビュートアルバムから、フィービー・ブリッジャーズによるカバー。
原曲とキー変えてますが、アレンジ的にはそんなに違わないのにイメージ変わりすぎというか
あのドスの効いたオッサンしゃがれタバコ声が、この天使の歌声になるともう一気に景色が
子供に歌いきかすような、軽く童謡的な趣に。まあ、元がいい曲ってことでもあるんですが。
NOISY – Do It Like That
面構えだけでUKのヤンキーとわかるノイジーの新曲ビデオはある意味で衝撃的な内容で、
ダサすぎてもはや清々しいと言ったらいいかな?これは100%いい意味、バカにしてないよ。
正直どこまで計算してやってるのかわからない、本気でカッコつけて何の冗談でもなしに
コレだとしても、確信犯だとしてもどちらにしろすごいです。90’sの、洗練されてない頃の
半ロック半クラブミュージックというか、もっともキツい音楽ジャンル死語の一つである
“デジロック”的なニュアンスもあり、しょぼいオアシスがミクスチャー(これも死語)化
したみたいな、chav感全開のチンピラ音楽。YOな身振り手振りも最高にキマってるYO!
これはね、7年ほど前、Pictureplaneのライブを今はなきSECO barで観た某氏が放った言葉
「ガキが調子乗って作った音楽って感じだね」を捧げたい。俺はこの言葉が忘れられない。