GVVC Weekly – Week 87

The Regrettes “What Am I Gonna Do Today” (Official Music Video)

LAのリグレッツ新曲は完全に今のquarantineムードにマッチした雰囲気にも関わらず、
騒ぎが顕在化する直前に出来たという虫の知らせ的な話です。しょぼいストロークスの様な
楽曲をやる印象でしたが、今回はなんというか、ソフトでスローなインディ・バラード風。
結構コンサバなバンドだし、正直ギリギリなところではあるのですが、なかなかいい曲です。


Big Thief – Love In Mine (Official Audio)

厳密には新曲じゃないのですが、Two Handsのセッションからということで、同じサウンド
してるものの、陽の光を感じるあたたか~い楽曲で、その前のアルバムとの間の子のような
雰囲気。この…今の状況込みでたいへんグッとくる音楽です。来日公演も延期になったしね。


Disheveled Cuss “Oh My God” (Audio)

歌い始めて以降テラ・メロスのボーカル担当ニック・ラインハルトのソロプロジェクトです。
カオティック成分はなく、意外といい纏まり方をしていてサージェント・ハウス作品らしい
サウンドではありますね。中盤急にクラウト・シューゲイズゾーンに突入するのですがそこが
かなり格好いいアンサンブルになっています。バンド本体にも言えるんだけど、申し訳ないが
歌は邪魔しかしてないから、無い方がいいね。元々の通りインストで突っ走って欲しいかな。


Colin Caulfield – Second to None

DIIVの問題児くん(フロントもだが)が辞めて以降ベース担当コリンの本名名義ソロから新曲の
ビデオです。マック・デマルコも絡んでるということでなるほどなサウンド。特筆するような
音楽では無いですが、なかなかいい出来じゃありませんか?歌唱がキマってるし、ほどほどの
所で止めているというか、鬱陶しくなりがちな部分をよく抑えてます。ザ弾き語りバラッド。


Team Picture – Handsome Machine

イングランド、リーズのバンド、チーム・ピクチャー新作アルバムから二つ目の先行曲です。
ちょっとサイケ成分のあるズブズブ沼系のドリーム・オルタナポップを、スロウに展開する
楽曲で、なかなか小綺麗で端正な仕上がり。多分カッコつけた連中だと思うし、ヒップだね。
そんな特別なものではないけど、バランスがいい。でもこういうサウンドってさ、完全に
音源ありきだから、ライブが良くなさそうだなって思うよ。オルタナベースで装飾は繊細な
感じだと、どうしてもライブでは全体の出音がグシャッとなってしまうんですよね。悩み。


MUNYA – Boca Chica

GVVCで当初からずっと推しているムニャのオリジナル新曲が出ました。それほど劇的には
変わらないんですが、少し軽くなってポップだけどややインスタントな仕上がりに感じます。
声、歌唱は相変わらず素晴らしいんですがおそらくBPMはもっと落とした方がいいのと、
節回しにコクがないんですよね。これを洗練されたと取ることもできますが、小慣れてきた
っていイイ意味ではあまり使わない。最近作ったばっかな曲なんでしょ、正直イマイチかな。
キャッチー路線にはいかず、アンニュイさを保って芸術点高めのまま居た方が独自性出るよ。


White Denim – Work (Visualizer Video)

ホワイト・デニムの新曲。幾ら何でもこれはさ、流石に”ISOLATION”ッ でしかないやろ。

まあキーは違うけどさ。はじまりんとこ聴いてコレ思い起こさないやつ絶対いないから…。

今週のLPフルリリース

Austra – HiRUDiN (LP)

この人はほんと変わらない。blog全盛期だったあの頃から居るはずだから、もう10年は
最前線だよね。しかも、多くが都落ちする中一度もクビになることなくDominoから発表、
正直すごいよ。そんなめちゃ売れてる気しないけど、堅実なんでしょう。実際、クソな時は
ない。ニューウェーブっぽいSSWって言ったらいいのか、そこに少しなんちゃってオペラ
というか、やけに劇画チックなムードが特徴だよね。1stは今もたまにヴァイナルで聞くし、
完成された音楽性。リディア・エインスワースとかに近い方向性だと思うけどこっちのが
キャッチーかな。これ以上エレポップ的になるとキツイのの寸前でオルタナ、流石ですね。


Johanna Warren – Chaotic Good (LP)

かなり、いいアルバム。今まで曲単体で聴いていたイメージで、悪くないけどそこまで印象が
強くなかったが、LP全体として流すとトラック毎の対比や配置が素晴らしく計算されてた。
ジョニ・ミッチェルがドラマチックにオルタナポップ化したような音楽で、結構やかましい
バンドアンサンブルに突入したりもするんだけど、そこも強度があって、いかにもSSWって
感じのサウンドじゃないんだよね。サッと景色が変わるような空気感を操るパワーがあって
生々しく静謐な楽曲もあるんだけど、ラフでロウじゃなく、相当作り込まれた音像してます。
正直、声はそこまで特徴あるわけじゃないから、これ彼女だけでアコギの弾き語りだったら
果たしてそんなにイイかは微妙なところではある。でもこのスタジオ作は確実に佳作以上ね。
少しだけエモっぽさも感じるところもいいかな〜予定外にヴァイナルで欲しくなってきたよ。


Pure X – s/t (LP)

本当に久々って感じがする。大きくは変わってないし、正直3rdの時点で自分の好みからは
だんだん外れていたので、その延長線上であるこちらも個人的にはちょっと甘さが足りない。
独特の緩やかなタイム感とファズまみれで進行するボヤっと感覚が痺れたような音像は健在で
シグネチャーサウンドがはっきりしてるので、そういう意味での安心感はあるよね。ただこれ
まだ解像度が高すぎる気がするけどな〜、もっとトロットロに甘く煮込んで欲しいけども。
曲はあってないようなもんで、全部同じとも言えるし、アレンジもクソもないが、それでいい
音楽。どうしてもピュア・エクスタシー表記の頃が好きではあるんだけど、なんか無条件で
応援したくなる人たちであることは違いない。復活にツイン・シスターが反応してて、胸熱。