GVVC Weekly – Week 94


Sprain – Worship House

LAのスプレイン新作EPから、先行トラックです。まあ完全なるスリント系でして、これぞ
USポストハードコアというサウンド。カッコいいね~、ずっと緊張感の張り詰めたコード
だったのが終盤少し緩和していって少しライトなオルタナロック化したと思ったら最後また
元に戻って壊れて終わるの素敵な構成じゃないですか。多分これが一番いい曲なんだろうが
まとまった作品楽しみです。ポストパンクとは明確に違う、こういうのがライブ観たいよね。

Widowspeak – Money

8月暮れにリリースされるウィドウスピークの新作から2つ目となる先行トラック公開です。
前回の曲でも思ったけど、小綺麗になってアーシーサイケの土っぽさが減退したね。ただ
それによってモリーのボーカルがどこまでも清冽に突き抜けるから、全体のイメージとして
クリアになり耳障りはいい。ただ、どっちがより敢えてこの人たちである意味のある音楽
かと言われると…。しかし続けてると常にベストフォームを保つわけにもいかないっての
分かるし、変化しないと終わってしまうのならこれでいいです。本当に素晴らしい歌声だね。

Noga Erez – NO news on TV

ノーガ・エレズの新曲ビデオは音も映像も一気にメインストリームに歩み寄るエレポップ。
一体どうしたんだろうね、出てきた時は完全にM.I.A.路線の尖ったエレクトロニックSSW
って感じでコード感の希薄なサウンドに半分ラップの超・社会派な風情だったが、流石に
これは変わり過ぎだと思うぜ。本国で売れてきたって事なのかしら。人って環境ですぐに
変わってしまうのね。これ彼女がやってなかったら歯牙にもかけてないけど、どうしても
元々のイメージと人の雰囲気で、なんだかんだ魅力的ではある。これと元の中間をやれよ。

Deradoorian – “Corsican Shores”

コロナで発売を四ヶ月半くらい延期し、まだまだ出ないエンジェルのソロ新作から先行曲。
バンドになった直後のDum Dum Girlsをさらにスカスカにして芸術点アップさせたような
サウンドで相当アンニュイだし、既出のクラウトっぽい曲でも思ったけど彼女の雰囲気で
こういう小編成バンドサウンドってのは面白いし、よく考えたなと。純粋に音楽性って所
だけで考えると珍しくないんだけどエレメントと組み合わせの妙ですよね。凄く冷めてる。


Bryony Williams – I Can Be

UKのブリオリー・ウィリアムズ新作EPからオープニングトラックが先行公開されました。
ウクレレの小品集やアコースティックのチャリティEPなどを最近出してましたが本気作で、
単純にいい曲。コンパクトにパッケージされたパワーポップ味のある王道インディロックの
サウンドだけど、明確にSSWとわかるパーソナル感もあって凄く穏やかな歌い方してるし、
声・メロディ共にかなり淡白で乾いたギターのオーバードライブもあっさり塩味なもんで
オレでなきゃ見逃しちゃうね。尺が短めなのもグッドで、これ4分30秒だったら評価落ちる。

CRACK CLOUD – TUNNEL VISION

ヴァンクーヴァーのクラック・クラウドが来月発売の新作からビデオで先行曲を公開です。
フォーマット的には所謂痙攣系ポストパンクで、コンパクトなバンドだったらもういいよ、
って感じなんだが、コレクティヴって所が良くてサウンド面でも目新しさを提供できてる。
これはさしずめポストパンク版のBroken Social Sceneで、本当にそういう感じの音だね。
最後の35秒、一瞬にして空気が変わって以降がカッコ良すぎてもう、ここだけでOKです。

George Clanton & Nick Hexum – Topanga State of Mind [Official Audio]

最初の先行曲も紹介した100%エレクトロニカのジョージ・クラントン最新ワークスから。
うん、いいじゃん。レイドバック度合いと、行きすぎない肩の力抜けたサマー・チル感覚。
エスプリ空想から随分遠くへ来たようであり、先祖返りでもあるような、なんだかんだで
彼にしかできないバランスの音楽してると思うし、相方の影響度合いは正直、どの程度か
わからない部分もあるんだけども、これは間違いなく価値ある何かだとは思います。流石。


Barely Civil – Bottom Of The Lake / North Newhall

ウィスコンシンのベアリー・シビルが9月にリリースする2ndアルバムから2曲が公開です。
うーん、エモいね。ちょっとオルタナにも振ってるけど正当なオールドスクール・エモで、
やはりダイナミックなアレンジとバンド・ドリヴンというか、集まって演奏していく中で
気持ちよく編曲していくその工程だとか、息遣いがわかる。これはやってた奴じゃないと
リアルには感じられないかもしれないけど、醍醐味なんだよ。ザクザクしててすごくいい。

今週のLP/EPフルリリース

Flock of Dimes – Like So Much Desire (EP)

Wye Oakのジェンがソロでやっているフロック・オブ・ダイムズ久々の新作EPが先行なしで
突如リリースです。前作も良かったし、曲によってはバンド本体よりも好きだったが、今回
益々スケールアップして、ほとんどビートレスでコンテンポラリー室内楽感ある仕上がりに。
とても美しく穏やかな音像で、ボーカルの良さが際立ってるし、これは歓迎したい路線かな。
SUB POPに移籍との事で、1stアルバムは作品全体としては微妙だったので今後に期待です。


Ego Ella May – Honey For Wounds (LP)

プロパー作のフルアルバムとしてはこれがデビュー盤になるのかな。なんか、男も女もこの
フューチャーR&B、エクスペリメンタル・エレクトロニックソウル路線の人多過ぎ問題は
前提としてある。この言葉ここで耳タコだと思うけど例に漏れず「アトモスフェリック」、
だってそう表現するしかない。ただこの作品の特色としては、思ってたよりいい意味で渋い。
かなり抑えが効いていて、ジャジーなドラミングやギターを地味に聴かせてくる構成かつ、
サウンド面の奥行きが物凄く、なんかわからないけど、超絶にリッチな深みが出てて一切
ペラくないんですよ。そんなに特別に良いボーカルだとも思わないんだけど、なんというか
全体のプロダクションがガッチリ決まってる。コレかかってるバーあれば相当センスいいよ。
M-10が推しみたいでそこが再生ポイントだけど、明らかにLP前半部分の方がオススメです。
あとさ、Ella Maiと名前かぶり過ぎ。まぁあっちの方はこれと比べるとチャラすぎるけども。