GVVC year-end list of 2020

今年も年間ベストトラックTOP30を作成しました。2020年に公開された楽曲のみです。
奇しくも昨年と同じ12/27に公開となりました。コメント入りで長いですがどうぞ。

30. Bye Bye Bicycle – Messed Up Family

ダサすぎるし外すかギリギリまで悩んだんだけど滑り込みランクイン。声がひっくり返り気味な
ところがむしろ良くて、それがなかったらだいぶ落ちる。この思い切りのいいヤケっぱち歌唱が
マジでツボでした。サウンドはJens Lekmanがベルセバ系バンドになったような感じで、まあ
ネオアコって言うしかないものなのでしょうが、一音目出た瞬間からスウェーデンがバレッバレ
なとこも愛嬌があっていいですね。発音も微妙だし、バンド名もヤバすぎてどこまでが本気か謎。

29. Night Tapes – Space Force (feat. Will Haff)

ずっとコード感が希薄で、息苦しく焦らしてからの一発煌めくコードストロークで一気に視界が
開ける。個人的に、何か感覚がないようなカンジがするからnumbいって表現してて、これって
別に斬新な手法じゃないんだけど、この曲はもう必殺ってくらい完璧な迄にキマってるというか、
わかっていても聴くたびハッとしてしまう位に気持ちいいんだよな。サッカーのスーパープレイ
見たような、もう結果わかってるのに何回リプレイ見てもスゲェ!ってカタルシスがあるアレね。

28. TANGINGUGUN – 最高気温がよだれをたれている

彼の凄いのは日本語の音楽の造詣が深いのにUSインディ文脈の土臭いヒッピーロック・サイケが
身についてて、その上で装飾がドリーム系っていうバランスが稀有過ぎる。かつちゃんとバンド。
そこにちょっとフィッシュマンズぽい歌唱っていうのもフィットしてて、歌詞までイイときてる。
あの素晴らしいオルタナスペースを運営してるってだけでも敬意に値するのに音楽これだもんな。
今年はGive Me Little More.に寄れなかったのが本当に悔やまれるね…二枚組コンピも中々ヨイ。
“アイスキャンディの棒ばかり 落ちているー”

27. Ambar Lucid – Head Down

まだ19とか?なんか前情報なしだと絶対そこまで若いと思わない。ちょっと形容ができなくて、
も少し上の世代だとR&B系の人がインディやオルタナ取り入れてやってんなってのがマーケ的な
感覚で作為的だったりするんだけどこの辺の世代だと自然とプレイできるのかな。何れにしても
本人の趣向じゃ無いとは思うけど、単純にめっちゃ良いシンガーで、歌唱が飛び込んでくるよね。
でも好きなのは今んトコこの曲だけで他は聴いてられないレベルだから、今後この路線でお願い。

26. FALL OF MESSIAH – Contreforts

一曲はポストロック枠入れるかってんで、これボーカルが全編準デスなので果たしてポストロック
なのか微妙なとこなんですが、演奏というかインストのアンサンブルは完全にポストロックでしか
ないのでいいでしょう。この映像通りの音楽、イメージだし、ベースの奴のエモ振りが素晴らしい。
なんか、このリストの中に入れるとちょっと浮くというか通しで聴くと少し、うるさい!って感じ
しちゃうのが考えものなんですけど、この路線をカバーできるのがGVVCの特徴の一つでもあるし
そこんとこよろしく。フランスのこの手にしちゃ臭くなく、ダイナミック。ERAで観たいサウンド。

25. Slow Pulp – At It Again

敢えて言わせてもらうがメディアの出方が完全にハイプ的だし、正直、この曲しか良くないよね。
でもこの曲はいい。悪いこと言わないから完全にこういうオルタナロック然とした方向性に舵を
切るべきだと思うよ。ボーカルの子の雰囲気にかなり助けられてる所もあるがだからこそ、より
フロントを立たせるバンド的な見せ方にしていくしかない。この楽曲は特にミックスバランスも
素晴らしくて、全パートがベストに聴こえてくるから気持ちイイんですよね。2分なのもグッドよ。

24. Moontype – Ferry

リストの中で最も年末近くにリリースされたシングルでしたね。甘いファズ全開の粗い粒子の中で
生ぬるい声のボーカルがかなり冴えたメロディを紡ぎます。アタック抑えめのスローにイーブンな
全体のアンサンブルが淡々としてていい。これ一歩間違うとモコモコでわけわからん音楽になる所
完璧にスッキリとしたナイスミックスで名曲に仕上げてますね。ちなみにこのバンド初期の音源は
ノイズがでかいとかじゃなくノイズの方がでかいという本当に意味不明な録音状態のEP出してて、
笑った記憶がある。そこから考えると涙ちょちょぎれる進化だし、ちょっとアルバムに期待してる。

23. Evann McIntosh – BULL$HIT

R&B枠はこれ。つっても俺が好きなやつだから、ハイパー感はゼロだね。派手な色付けされてない
ギターベースドラムの3点セットに、空間を広く取ったレイドバックなインディというか、もはや
ベッドルームR&Bっていう趣かなと。こういう音楽やるのにはこれがベストな編成だなと思うし、
ベースが本当に理想的なプレイングしてて最高。ちょっとラグジュアリーなとこも良くて、なんか
狭い部屋で聴いてても雰囲気出ないよ。バリキャリの住む高級マンションでシャンパン片手にチル、
ソファでイチャつきながらって感じだが、でもエロくないし、ドギツくない。そこがポイントね。

22. Oldsoul – Time Moves

まず、サビというかメインテーマの、sorry if I do ~♪んとこがキャッチーすぎるんです。たまに
このドレミファソ互換フレーズが炸裂してる曲あるけど、諸刃の剣とはいえこれは決まるとデカい。
一見普通のインディロック風ですが全体的にかなり謎アレンジの多い楽曲で、ヴァースのベースが
なんかウネウネしてるし、アルペジエイター的な(多分ギターにエフェクターで出してる)音や、
終盤の体感BPMが半分になるパートで謎の超絶重心後ろモタりアンサンブルになり、最後なんて
ディレイのエンドレス残り香だけで1分近くある構成など、随所でオモシロ編曲が光るね。あとさ、
ドラムが異様に生々しくていいイイ音してません?すごくいぶし銀な佳曲で、やけに記憶に残った。

21. Lavender Diamond – This Is How We Rise

インディ・ミュージカルポップとでも言ったらいいのか、どう考えても劇中で突然歌い出す感じの
楽曲みたいなノリだよね。まあ本当にミュージカルにしちゃボーカルがショボいからいいんだけど
すごくラブリーだなと。こっちまで楽しくなっちゃう、黙って聴いてられないというかフリ付きで
一緒に踊り出しちゃうんですよね。なんか重いようで軽い謎なキックの音など、全体のミックスも
素敵で、金物もストリングスも妙にエアリーと、中央に丸いボトムがあり、歌が生き生きと浮かび
上がるような、すごく整理された音像なんですよ。軽くJ-POP的な1回しだけの大サビもグッドね。

20. The Goalie’s Anxiety at the Penalty Kick – Joseph Stalin

このめんどくさ系のバンド名、個人的には嫌いじゃない。サウンド的には特に語るところはなくて
いわゆるインディ弾き語りスタイルなんですが、一瞬静止からの終盤のパートがあまりにも儚くて、
美しすぎて…ホントそこの純度のきらめきが深く印象に残ったんだよね。ボソボソ声で入ってくる
男声とエレアコの爪引き、リバーブ深く入ってるエレキの白玉と主旋律のボーカルが、絶妙な織物
みたいに絡み合ってて、息使いが聴こえてきそうじゃない?イメージだけど、ホームパーティとか
そういうのでこれ生でやられて、参加者が聴き入り静まり返る中でここのパート飛び出したらもう
一生忘れないと思うね。ちなみにこういうのがメインのバンドではなく、彼ら的にはこれは異色。

19. Team Picture – Handsome Machine

出た時の紹介でも言ったけど、シューゲイズ、ドリームを含むオルタナやUKロック等と呼ばれる
そういう音楽の全要素を一つにぶち込んで、センチメンタル系の絶妙なバランスに調理した様な、
完成されたサウンド。ボトムを太いままにしてるのがいいんだけど上モノが繊細なレイヤリング
だからライブで音が潰れるという諸刃の剣なんだよね。まあ録音芸術だから、音源はこれでOK。

18. KATE NV – Telefon

多分本人的にはアルバム中メインの曲ではないのは明白だが、個人的にコレがダンゼン好きだった。
これフラ語?何言ってっか全然わかんないが、細かい上物のフレーバーがすごい凝ってるんだよね、
作り込まれてて、音像もパキっとスッキリ、でも甘さも残したあったかいサウンドで、凄く楽しげ。
ニューウェイヴというよりかはもはや、スーファミ全盛期のファンタジーRPG的な何かを感じるし、
ちょっと高い服屋ではかけれないダサさがあるけど、愛嬌があって逆にフランフランとかにマッチ。
こんなんばっか出したら評価ガタ落ちだろうが、1曲入ってるのがいいんだよ。間口の広さがある。
フル編成ではないのでオケバリバリですが、この現地ロシアTV出演時のライブ映像妙にいいです。

17. Kate Bollinger – A word becomes a sound

少しだけソウルやR&B系のメロウネスも湛えた弾き語り対応型のソフト・ポップっていう路線、
それと気の抜けた炭酸みたいなレイドバック・フィーリングがキモなんだと思うけど、この曲が
特に一番良かったなあ。なんかサウンドのアナリシスだけでは説明できない妙な魅力があるのは
声かな?ネジ飛んだようなデチューン系の音がよく入ってるのもシグネチャーの一つになってて、
ふにゃふにゃな雰囲気と相性がいいんでしょうね。来年アルバム出そうだけどホント期待してる。

16. Lowell – Lemonade

なんかピアノ・バラードっていうと悪いイメージがありすぎてそれだけで軽くダサいんだけども、
この曲は耳に残る節回しがいっぱいあって、入りのタイム感もイイし、アレンジとしてはもの凄く
コンサバなものとはいえ、名曲だと思う。日本の年配の方でも普通に聴けちゃうフォーマットで
ちょっとこの子の音楽はいつもこんな感じだしコレでArts&Craftsってのも面白くて素敵だよね。
どうしても”You’re running in, running in running in circles around me”ってとこが耳に残る。

15. The Weather Station – Tried To Tell You

これの前に出た曲と悩んだんだけど僅差でこっちかな。チェンバーポップ的にならずに、ロックの
ドライヴ感を保ったまま、かつ上品にキャッチーに仕上げるためのストリングスワークってこれは
職人芸なんやで?外注じゃなくメインパーソン本人がその方面に学があり自らアレンジしてるって
所為だと思うんだけど、コンポジションと渾然一体となった完璧に効果的なアレンジで美しすぎる。
ほんとダサくなったり軽くなるギリギリのところまで攻めてる曲だと思うし、ポップに仕上げつつ
芸術点を損なわない、かつハイソにってほんと永遠のテーマなんだけど高次元でそれに挑戦してる。

14. flunkie – everybody feels

たった2分半のいわゆる密室エレキ弾き語りソングだからあまり多く語ることはないんだけども、
あまりにも儚くて繊細で美しい、あと小さい動物の赤ちゃんを手の中で大事に抱えているような
そういう暖色の優しいイメージに溢れてて、何回も聴いちゃう。ディレイ上から更にリバーブも
かかったボーカルのリクレクションが丸く柔らかくて、光を纏いながら上に浮かんでるんだよね。
世の中逞しいものばかり。これくらいぶっ壊れそうな脆いものでようやく普通に受け入れられる。

13. Perfume Genius – Nothing At All

いつもイイんだけど、今年のアルバムは特に最高傑作だと思う、ダントツで今までで一番の出来。
プライヴェートな感じから、作を追う毎にだんだんと開けてきたのが個人的にいいなと思ってる。
曲もどれにしようか悩むくらいの充実ぶりだったけど、ドライヴ感のある小気味良いこれにした。
Jimmy Kimmelライブ版が映像込みで素晴らしいから、敢えてこちらを掲載。今が最高到達地点
な気もするが、アートロックの芸術点を高い水準に保ちながらポップ路線に突き抜けて欲しいな。

12. Fenne Lily – Elliott


まず導入の鈴の音みたいなSEと、そこからアンサンブルのインまでの空気感が凄くキレイだよね。
そして吐息交じりの彼女の”Elliott…”もうそこでOK、控えめなストリングアレンジもちょいちょい
効果的に、実に慎ましやかで清廉潔白なサウンドしてるし、どこまでも無垢な世界観ではないか。
隙間風のオンボロアパルトマンの白い壁と年季入った木の椅子、素っ気無い一輪挿しのガラス花瓶
まさにそういう画が浮かんできません?直近のスタジオライブ映像もありまして、素晴らしいです。

11. Mamalarky – Almighty Heat

イチオシのバンド。一言で片付けるならヒッピーロックの系譜ではあるけど、本当に一筋縄では
行かない楽曲構成、なのにキャッチーだし、照りつける太陽と木漏れ日が感じられるアウトドア。
凄くいいLPで、あまり明確に1曲をピックするような音楽ではないんだけども、能天気なリフで
リゾート感もあるハッピーなこの曲をチョイス。チャキチャキしたミッドファイのサウンドの中
この路線にしては甘めのボーカルと、ヤバすぎるルックスと存在感のリヴィが燦然と輝いてます。
こちら絶対に何か仕込むって多分決まりを設けてるとしか思えない取ってつけた3拍子化が炸裂。

10. Dogleg – Kawasaki Backflip

LP中一番の曲は昨年のリリースで2019の年末ベスト上位に入れちゃったんだけどその次にイイ曲。
まずこれイントロから意外とリズムのギミックが面白く、ドラムの入り、イーブン8のフィルイン
的なフレーズからの小節変わる直前の最後の食いのキックが微妙なとこに落ちてて、意図してかは
不明なんだけどそのせいで直後のパートがシャッフルしてんだかしてないんだかの妙なノリなのね。
んでその次は完全にイーブン8、一回ブレイクして入り直しというイントロ4段構えが格好いいのよ。
こういう絶対に宅録や広義の電子音楽では出せないナマのリズムギミックの高揚感がこれでもかと
バンド全体のアンサンブルで表現されてまして、エモとかいう枠を越えてちょっと感動しちゃうの。

9. Kluster B – Love Must Conquer

何度聴いても凄い。一曲の中でイメージがあっち行きこっち行きすんだよね、それが自然と繋がり
カオスだけどまとまってる抽象画みたいな聴後感を残すの。神々しいシンセウェイヴ系の入りの後
ギタポ系の日の光と、不協和音系のブリッジから最後の揺れモノカッティングアンサンブルに突入。
ドラムの音もカッコいい鳴りしてて、アヴァン、フリージャズロックっぽさがあんだよな。そして、
シックな趣もあり、少し魔女みたいな翳りもあるかなり不思議なボーカルが最大のポイントだけど
それが本当馴染んでる。彼女のソロ作の曲も入れようかなと思ったけど、これがあったから選外に。

8. Pillow Queens – Holy Show

なんか今年の1曲って言ったらコレかなってくらいのとこある、雄大な山びこリバーブをドンドコ
太鼓にかけた、アーシーでスケールのでかいサウンドスケープと、それにマッチした歩幅の大きい
ダイナミックなギターサウンドとフレージング。かつ全体の雰囲気はどことなくスウィートなのは、
歌詞が割と甘いからなのかな。大変、映像喚起力のある楽曲で、どうしても恋人と自然のあるとこ
旅行してるようなイメージが浮かぶんだよね。特別なことはしていないんだけど、映画の1シーン
みたいな感じで、なんだかんだそういうものを評価してしまう。ジャケット写真も100点、花丸。

7. Adrianne Lenker – anything

なんて美しいのかしら。延期になってたバンド本体の公演は当然のように中止で、結局観れないか
って感じだが、正直このソロの方が好きだったりするんだよね。ほぼ、弾き語りでしかないから
あまり語ることはないんですけど、湧き水のような清らかさでこちらの心まで浄化されそうになる
イノセンス。やはりあの少女みたいなババアみたいな声も凄いが、一体どういう人なんだろうね。
Christmas eve with your mother and sis, don’t wanna fight but your mother insistsて歌詞
すごくなんか状況がリアルに想像できてグッと来るわねえ。このキー下げバージョンも最高です。

6. Young Jesus – Faith

プログレッシヴな展開の中にポストロックとオルタナとエモが入ってて、妙に男の哀愁というか、
ダンディズムとは違う、もうちょっと情けないカンジの何か、でも童貞臭いとか青臭いとかでは
ない、エモ~いフィーリングが全編にわたって溢れてる…終盤の微妙にしょぼい咆哮も本当ツボ。
うだつが上がらなくて娘とか妻に迷惑、心配をかけてる的な方向性のアレですよね、でも歌詞は
宗教的なとこから人生哲学のような内容です。つまり、主人公は食えない学者だと思われます。
単純に楽曲構成もすごい美しいし、短編映画みたいね。こんな大人になりたい(なりたくない)。
絶対にヒゲが生えてて欲しい音楽性だが、下手しい全員ちゃんと生えてますので安心して下さい。

5. ellis – fall apart

出た時、単体で記事にしたくらいハマったね。まずベースとなる彼女のサウンドがあり、それを
生かすのは前提でかなりヒット狙いに行った楽曲とアレンジ、ミックスが結実してるなと思った。
恋愛ドラマの主題歌にできるようなドリーム・シューゲイズでここまで甘く、感傷的にするか?
白けるから、敢えて当時は言及しなかったけどエド・シーランのあの曲にサビが似てなかったら
1位だったかな。あと、もし自分の性的嗜好が違ったら今のようには受け止められないだろうね。

4. Lisel – Die Trying

なんていい曲なんでしょうね?コーラス終わりに挿入されるラッパが余りにもハマり過ぎていて、
初見で聴いた時、イイなとかを通り越してもう笑っちゃったよ。すごく朗らかな歌唱とメロディ、
ボーカルは小学校の先生みたい。ベースもつんけんしてない人懐っこいフレージングでもっさり
した音像と、無難にまとめたらばエヴァーグリーン系のSSWポップス化しそうなドコなんだけど
バックに流れているピッチの揺らいだ持続音がいい感じに機能してて空間とイメージに広がりが
出てる。そして、じわじわ盛り上がった所にあのラッパが登場ですよ。ほんと構成の妙技だわね。

3. SOUL GLO – (Quietly) Do The Right Thing

曲が公開された時もEP出た時も散々レビューして、もう書くこと無いんだけど、100点満点しか
つけようがない完璧な音源。ハードコアパンクでこれよりいい曲存在するわけねーと思うがまあ
微妙にポストHCだし展開・構成考えるとそんな単純なものじゃないかな。とにかくリズム遊び。
HCベースのマスロックにある、シンコペと拍子・BPMを洪水のようにスイッチしまくっていく
アレがこのボーカルの異常なインテンシティで先導されてくの、余りにも爽快すぎてね、これは
確実に一生聴き続けるわ。あと、キックをツインにしないとこもイイんだよな。どんなに高速に
なってもシングル打におさめていればそれだけでインディ・オルタナポイントの減点を防げます。

2. Lido Pimienta – Te Queria

当時のレビューでも言ったけど、歌心。ここまで溌剌とした歌心ある?もう、初見で一緒になって
歌っちゃうでしょ?なんと愛嬌のある節回しというか、これぞ歌だよね。歌い上げるとかじゃない
みんなでニコニコになってお日様の下朗らかに歌う、そういうのでいいんだよ。あとは中南米系に
珍しく、まったく暑苦しくないんだよね。ラテンアメリカって基本的に好きなんだけど情熱過多に
なりがちなとこがあるから上品さとクールネスが欠乏しやすいんだけどその点この曲は平熱で良い。
スティールパンやサックスの細かいフレーズがめちゃめちゃイイ仕事してて、暖色系のイメージと
彩りはしっかりと付加しつつ、コンパクトでインディと言える可愛らしさを残すバランス調整なの。

1. Nap Eyes – So Tired

もう年の半ばからこの曲が1位とほぼ決まってた。それくらい聴いたし、ふとした時にもこの節が
自然と浮かんでくるんだよね。”I’m so tired of trying to recreate” こんなにしっくりくる言葉、
ないってくらい。ここだけじゃなくてリリック全体的に素晴らしいのですよ。サウンドはオルカン
入ったインディロックだけど、本当に心に残る楽曲というのは初見で歌詞が刺さるのが絶対条件。
ジャケットも美しいしアルバム全体もなかなかに傑作でした。音変えてきてコレってのもプラス。
しかし昨年に引き続き、基本は穏やかだけどその裏にちょっと軽く諦めだったり無抵抗感、甘い
観念みたいなものが見え隠れする楽曲を選んじゃうのはなんか私、精神的に問題あるんですかね。

以上
いや、とんでもねえ一年だったな。まあ、今年が『こんなはずじゃなかった…』な一年ではない
人なんて、都市部の人間では基本的に居ないはずだし、何を言っても仕方ない。正直元の世界が
自分にとってそれほどいい所ではなかったというのもあり、影響という意味では限定的な方だと
個人レベルでは思うけれど、仮にもこの音楽というものは…
実体がないもので、もはやこの自由市場に流通させる商材としては元来不向きなもんを無理くり
インダストリーとして成立させてるって側面があるから、どうしてもこういうことが起こると、
歪な状況になる。そもそも生業になるのか?っていうことから見直さなきゃいけないというかね、
興行やその箱運営と、録音芸術は切り離し、完全に別物っていう観点にして行かざるを得ない。

とにかくストレスが溜まってるのは皆同じ。
100%元通りの世界というのは多分もう戻ってこないが、
とにかく皆が音楽を聴き続け、作り発表し続け、音楽の話を止めないということが第一でしょ。