GVVC year-end list of 2021

今年も年間ベストトラックTOP30を作成しました。2021年に公開された楽曲のみです。
アルバム本体は2021年リリースでも収録曲の公開タイミングが前年のものと今年のもの
混在している作品があったりしますが、そういったケースも厳密に今年公開のものだけで
選別・選出してます。これは毎年同じで、ウィークリーでも捕捉が初公開から一週間でも
遅れてしまったらもう載せないようにしてるので、ウィークリー掲載を経ずに今回ここで
初紹介の楽曲もそこそこあったりします。一番重要な曲だけが前年先行リリースとかだと
すごくやりづらいので、11,12月開始で年またぎのLPリリースキャンペーンはやめてくれ!

30. Girlpuppy – As Much As I Can

ストレートに甘く淡く青いコーラスのlove you as much as i can~がちょっと耳に残った。
あとこのビデオも良かったかな。ルックスと声とサウンドがマッチしてるし、しっくりくる。
作り自体はホントもうDIYへっぽこインディポップでしかない愛らしいアマチュアリズムで
あくまでもスーパーヤング賞での入選ではありますが、これからの期待も込めて。この子と、
今回はランクインしなかったけどBored at My Grandmas Houseは似たような枠の注目株。

29. Oldsoul – High On Yourself

ボーカルがめんどくさ系ですけど、素晴らしく言霊の込もった歌唱で鬼気迫る演技派ですね。
昨年も確か入選してたはずで、その頃よりももっと歌モノに振ってますがこれはこれでいい。
一応はかすかにEmo入った純USオルタナインディだと思うけど、色々とちょっと謎が多くて
ネジの外れた面白い音楽性で、落とし所がもっさり後ろな謎グルーヴのドラムくんもナイス。
今年アルバム出すと思ったが、この曲収録のEP止まり。ステップアップしそうな気がする。

28. Hayden Thorpe – Metafeeling

バンド解散後の曲ではこれが一番好きだなー、ソロ化してから初めてガツンとしっくり来た。
でもやっぱサウンドにもうひと乗せ欲しいというか楽器隊にリードがいないからほんと歌が
バーンと音場支配してて、それ以外のインスト全てがバッキングでしかないような慎ましさ。
実際問題、敢えてのこのディレクションなのか不明だけど、もう少し盛ったらメチャクチャ
良くなりそうなのに…って文句ばっかでなぜランクインかというとこの空耳がクセになるの。
何でな~の?that I feel
何でな~の?that I feel
何でな~の?that I feel
メ~タフィ~リン♪

27. Jana Rush – Moanin’

異形のダブステップというかもはやジュークになるのか、暗闇の中でサックスの乱れ打ちが
耳を擘くダークでフリーキーなトリップホップ。なんか曲によっては猥雑なサンプリングが
すごく目立つしLP全体だと通しては聴けない曲も多いのですが、一曲目に配置している辺り
やはりこの曲は最もよそ行きのサービストラックなのかな。中盤のサスティンブツ切りした
寸止めビートの組み方だったり、終盤に突然鳴り始める開放ハットなどイベントも満載です。

26. Ovlov – Eat More

アルバムの中では一番メランコリックさも湛えた陰影のある楽曲でして、オルタナの翳りと
淡々としたクラウト感のあるビートにシューゲイズの洪水という、中期ディアハンター系の
ドリームに寄せたソニックユース的サウンドなんですが、さりげに女性バックコーラス等も
入りよりマイルドに、楽曲構成も端正な仕上がりでコンパクトに美しく、ついついリピート。
ちなみにこの客演は日本の一部で謎にカルト化しているリンゴ・デススターのアレックス。

25. Year Twins – Stun Gun Headbutt

最後はメロコアにまでなっちゃうプログレ展開の面白ストレンジ・アートポップパンクです。
あんまり他で聴いたことない路線で、もう第何ウェイヴかわからない新興エモの勢力だとは
思うんだけど、展開にクセがあるのとドラムがちょっと下手クソで、それが味になってるね。
シットな感じだが、他の曲でキンセラ兄弟路線だったり、割と叙情的な面もあったりします。
もう本当コレしかないって終わり方してくれて、ハイスタもスネイルランプも真っ青でしょ。

24. Wednesday – Cody’s Only

ここまで行くともうオルタナってよりグランジか、触れる物皆傷つける鋭い尖りと不感症の
鈍色が同居した辛気臭い世界観に、心底痛切な激エモ歌唱と突っ込み気味のドタバタドラム。
スロウバーストしきる間も無く2分半で終わってしまう刹那感もただただプラス要素でして、
日常のやり切れなさを清く昇華するカタルシスはこれこそユースカルチャーとしてのロック。

23. Esther Rose – How Many Times

なんてことない構造だけど、思い切りのいいコーラスの躍動感が素晴らしくて即効性がある。
オルカンより更に本気のちょっとイナタいカントリーSSWだけど少しだけインディ範疇でも
語れるような、良い意味でのツメの甘さと気の抜けた緩さがありマイルドになってるからか
こういうポップに振り切って弾けた楽曲だと俄然いいバランスになるのかもね。ステキな歌。

22. cktrl – zero (ft. Mereba)

今年のR&B枠はコチラ。とは言っても毎度毎度、私が選ぶようなモノですので、イカツ~い
本気のソウルではなくアンビエントR&B的なヤツにはなるのですが。非常にリラックスした
UKレフトフィールドの風が漂うチルなムードに、ポストロック・ジャズのような洗練された
ギターワークが鮮烈な印象。SEに近いような扱いで突っ込まれたクラリネットも効いてる。

21. Izzy Johnson – Existing

アンビエントフォーク部門をグルーパー新譜からの楽曲と最後まで争ったが、こちらに軍配。
終盤にフルート入ってきてからの開放感と多幸感がホント素晴らしい。LPタイトルの通りに
アーシーでありながら同時に天上の音楽的な趣もあり、まさに光差す庭といったイメージね。
かなり控え目なボーカルも良くて、先人たちよりもクリスタルクリアでクリーン。美しいわ。

20. LUMP – Animal

この曲はなんかジワジワきまして、ふとフレーズが脳裏に浮かぶような妙な中毒性があった。
中盤の崩壊ブレイクが実に効果的で、楽曲を強く印象付けてます。本当にこのユニットって
組み合わせの妙というかどっちもある意味、地味っちゃ地味な人たちだから課外活動しても
結局地味なんだけどもまさに印象通り、期待通りのサウンドは両者の特色が綺麗に融合して
お互いをスポイルすることなく、アースカラーの渋さもそのままにパッケージされてて良い。

19. Mumble Tide – Good 4 Me

LPでは当然オープニングに持ってきた、頭から最後まで全てが完璧な改心のミラクルソング。
裏で微かに膜を張るキラキラしたシークエンスやささやかなトランペット、地味に技巧派な
相当イケてるギターソロなど、各パート細部のディテールが絶妙なレイヤーを構成し一曲が
渾然一体と煌めきを放っていて、もろこし畑のビデオもすごくマッチしてる。そして何より
歌の子がホント、ちょっとスター性のある逸材で、オリジナル掲載当時から言ってるがまず
歌唱が本当に素晴らしい。こういう脆そうな喋り歌いとこのルックスの組み合わせは魅力。

18. Courtney Barnett – Write A List Of Things To Look Forward To

これはもう個人的に、ずっとこれを待ってたっていう音楽性をドンピシャやってくれたのが
嬉しくてご祝儀です。最初のEP以降は微妙に裏切られ続けてきた脳内オーダー通りの一曲。
この人も生粋のストーリーテラーで、起伏のないちょっとダル目な喋り歌いは生ぬるくって
どこかねっとりしつつも、嫌味なく真摯に響く。下手すりゃネオアコってレベルのソフトな
インディ路線だけどバックバンドの元気は良くて溌剌としてる。ロックンロールはいらない。

17. Spoon – The Hardest Cut

ロックンロールはいらないと言った舌の根も乾かぬ内に、ランキング内で唯一と言っていい
純ロックンロールの楽曲がここで登場ということで落とします。まあロールまでしてるかは
さておき、この刻みの力強さですよ。正直、金のかかり方において次元の違う音してるんで、
その辺の追い風参考はあるにしろここまで説得力のあるビート出せます?シャッフルロック
っての基本ダサいものであるっていう認識があったけど、それはKISSのせいであって、この
ベテランおじさん達にかかればこの通り、マスにも訴求できるストレートなパワーを残して
いぶし銀の渋みとミニマリズムを加えることができるんです。ギリギリスレッスレの職人芸。

16. Richard Greenan – If I Am Dizzy I Will Call It Rapture

基本展開も何もなくずっと同じですけど、飽きないというか聴いていられる完成度の音世界。
現美のインスタレーションであるようなループものの質感ながら、凄く存在感のある歌もの
みたいにも感じられる程、妙にこのスキャットと言っていいのか何というかなうめき歌いが
際立つアンビエンスが美しい。焚き火やチリノイズのように聴こえる金物の環境音、逆回転、
フリーズされるシークエンスの無常感と永続性が同居したミニマル・メディテーションです。

15. Ghostly Kisses – Blackbirds

スパニッシュ哀愁の泣き歌謡曲にすらなりかねん楽曲を、持ち前のジェントルでシルキーな
サウンドコーティングとシックな歌唱で一気にハイソにエレガントに昇華。これ本当凄くて、
ちょっとインディとかではない別次元の上品さはクラシカルな趣すらあって、スロウコアや
ドリーム路線に括られていた以前から進化し、もっと間口の広い音楽へ。ビート組みも秀逸。

14. Circuit des Yeux – Vanishing

芸術点はいっつも満点なんだけど、もうちょっとだけ聞きやすくしてくれんかなと過去作で
思っていた部分が程よい具合に解消された最新作は本当素晴らしい出来で、その中でも特に
スタンドアウトかつ印象的だったのがこちら。いや、怖いのよ。でもなんか聴いちゃうの。
強烈すぎるインテンシティの歌唱は、泣く子も黙るシアトリカル・ゴス・チェンバーポップ。
大真面目に受け取ると心底疲れるし、大サビの仰々しさとかガチで暗雲とか召喚できそう。

13. Single Mothers – Honey Bee

これは何と言えばいいんだろう、ダブ・ヒップホップというかポストパンク的なものだとも
表現できるがとにかく格好いい。初めて聴く意匠ではないしたまにあるけど音とテイクとか
絶妙にキマっててもう完璧。確か54-71が一時こういう音楽性だったよね。ビンゴさんとか
タイツで長髪のヅラ被って客席にダイブしたりして女の子を泣かせてたような気がするけど。
この短さもプラスに作用してて、最後一瞬ちゃんと違った展開してから終わるのもオイシイ。

12. Mess Esque – Jupiter (Mix)

これも歌唱の素晴らしさと音像のカッコ良さかな。スピーカーから流しててその場の空気を
ゴロっと変えられるような存在感、スケールのでかい宇宙的な響きの一応フォークであると
思うんだけどそこはDirty Three、枯れポストロックマナーのスロウコア・アレンジが光る。
割とベテランの人らが新しい出会いで始めた初期衝動の喜びみいたいなポジティヴィティが
溢れ出ていて、それって若者達には出せないフレッシュと老練の同居したコクがあるんだね。

11. Gold Child – Far From You

なんか偶にしちゃう表現なんだけど、こういうのって小学校の先生が児童に歌って聴かせる
音楽みたいなイメージがあって、穏やかでウォームでちょっと雄大でシンプルなリズムでと
邪なものが存在しない世界でキレイなメロディが朗々と歌い上げられるのが気持ちよくって
世の中捨てたもんじゃないという気分になるね。まやかしだけど。ギターのフレージングも
凝ったものではないが好みの音色で、好きなものしか入っていない料理みたいな感じかな。
“ I have your picture in a frame, I hope you always remember my name ♪ ”

10. Penelope Isles – Miss Moon

デイヴ・フリッドマンのプロデュースもあってかかなりビッグな音響で壮大に展開していく
微妙に組曲構成のインディ・ポストロック絵巻は、ブロークン・ソーシャル・シーン路線を
少人数で展開したような雰囲気で、全体的にアレンジが素晴らしい。後半コーラスパートの
どこまでも駆け上がるような高揚感は瞬間的な勢いが凄く、ボーッと聴いていてもそのまま
リアルタイムで一気に持ってかれるフック有り。中盤の少し間延びしたパートで、ビートは
完全に8なんだけど、キックを一発だけスネア前16の位置に挿入してるのがクレバーだなと。

9. Sun June – Everywhere

アルバム単位だとトップ3ですが、あまり1曲でどうこうという音楽ではないためこの位置で。
どこまでも薄味で自然賛美的で、瑞々しくクリーンかつナチュラルと好きな要素しかないわ。
バンドの仕上がりもかなり高次元で、クサみを乗せてくるパートが存在しない為、歌込みで
全体の演奏がサントラ的な風情すらあり、ある意味シネマティック。デトックス成分も強く、
アウトロ1分の展開は美しすぎて、アメリカのでっかい自然公園で天然の噴水が吹き出してる
その姿がありありと目に浮かびマイナスイオンを感じるレベルはもはや『出すって大切ーッ』

8. Ada Lea – damn

LPでも1曲目に持ってきてたし、本人的にもこれはブレイクスルー楽曲なんじゃないのかな?
もう映画観た気分。主人公のあまりうだつの上がらない日常のルーチンを淡々と見せられる
冒頭の15分、そこからだんだんと抱えているフラストレーションの深層部が明らかになって
感情がかき乱されてくる。今もうそこに居ない人間のこと考えながら一人街を歩く。そんな
一連がリアリティと共に喚起されるのはつまるところ歌唱、ウタゴコロの力なんですけどね。

7. The Weather Station – Parking Lot


アルバム自体は今年のリリースだし、作品として年間ベスト3入りなんだけど、収録曲中で
一番いい曲とその次にいい曲は2020年公開なんで、2021年のものでとなるとこの三番目に
いい曲を選ばざるを得ない。まあ、その一番の曲は前年のベストトラックに選出してるので
別に良いんですが…もうこの作品については何度も書き連ねてきたので今更、何も追記する
内容も無い位だけどもとにかく、ほっこり系じゃなくピリ辛インテリのエレガンスを纏った
室内楽モダン・アートポップでも頭でっかちにならず柔和さとユーモアも多少は残しながら
オーセンティックなロックの8ビートを優雅にドライヴさせることができるというこの証明、
調整力と滲み出る気品・芸術性素晴らしすぎてある種のハイブリッド完成系、終着地点です。

6. Indigo De Souza – Real Pain

アルバム単位だと4位です、これは個人的に伏兵だったね。この作品もあまり1曲コレという
性質じゃなくて、全編通しての中にキラリ輝く瞬間が大量にあるような印象だったんですが
中でもこの曲はギミックもあり、ブレイク戻りの掴み、求心力とカタルシスが尋常じゃない。
中盤の凄くバイポーラーっぽい抑圧展開は長いし、後ろで流れてる金切り声が痛々しいわで
ここ集中して聴けてる人あんま居ないと思うんだけど、だからこそ直後のフックの破壊力が
倍増してるんですよね。初見だと多分もう曲変わってて次のトラック進んだと思うはずだし、
実際そう思ってたけど、後々なんかそれありきの構成って考えると納得。歌詞もいいですね。

5. Magdalena Bay – Secrets (Your Fire)

吐息が漏れまくるYour fire, your fire (la la la la la…)んとこがもうホントすっごいフックで、
LP中から1曲選ぶなら迷わずこれな素晴らしい完成度の一発。砂糖漬けの90’sクラブポップ、
マテリアルワールド・スウィートドリームズって感じで、インターネットやヴェイパー云々の
表層的なとこは割とどうでもよく、普通にいい音楽というか、メインストリームドンズバは
苦しいけどある程度チャラい調整じゃないと聴けないっていうワガママ層におあつらえ向き
サブカル・ポップ。苦労してないナメたクソガキの感じが若干癪に障るのもまたご愛嬌です。
ビデオはちょっとこれね、流石にグライムズに影響受けすぎでしょ。音もちょっと似てるし。
とにかく、中世ヨーロッパまがいのゲームっぽい格好して武器を装備してる感じは禁止です。

4. Skullcrusher – Storm in Summer

出て来方がハイプでちょっと警戒してたが、この曲で完全に気を許しました。みずみずしく
清らかで美しい。少し曖昧なアンビエント系で攻めるのかと思ったら一気に木漏れ日の下に
飛び出したSSW、線の細いボーカルは重ねまくってメロに説得力を出す。(マイラバと同じ)
レーベルや業界的にどうしてもルックスを考慮した評価になっているんだろう点は仕方なく
まだ実力が未知数。すっぴんの状態でアルバム出す前に捕まってデビューLPが大手からだと
逆にいろいろ定まるまで時間かかるのであれなんですが、来年がおそらく勝負どころだね。
この曲に関しては本当に良いと思うしスーパースターまである逸材だと思うので期待してる。

画的なとこも含め、このライブセッションもいろいろ素晴らしくて完璧なプロデュースです。

3. Gojira – Born For One Thing

流石に普段取り上げる範疇の音楽か正直ギリギリのラインなんだけど、まあRefusedとかが
OKならこれくらい許して貰えるかな。ちょっと完成度が高すぎてね、聴いた回数で言ったら
多分1位だしここでも1位にしようかとすら実は思った。全てのパートが素晴らしいんだけど
最大のポイントは中盤以降出てくるキック主導のリズムが徐々にメインテーマになっていき、
終盤はスローダウンしつつも全く同じ刻みをリフとしてバンド全体で叩き込むこの構成本当
美しくすらあるし、纏まり様が凄い。勿論、演奏力って部分もあるけどこの曲だけ異次元。
一応プログレ入ったメタルなんだろうけどやっぱりこう、刻みと重さだけで、急にピロピロ
弾き出したりしないシンフォニックな要素が無いものは俄然聴けます。本当に気持ちいいよ。

2. Mr Twin Sister – Ballarino

やっぱりこれが出た当初予想した通り、ここまでキャッチーにパッケージしたサービス曲は
この1曲だけでしたね。でもアルバム全体で考えた時はその方がいいし、ベストなバランス。
これ程までに素晴らしい声って中々ない。もうこのボーカルを据えるだけでどんな音楽でも
ある程度以上には魅力的になるマジック・スパイス。コケティッシュと奇天烈天邪鬼パンク、
メロウなドリームとキッチュなアーティストリー、コンテンポラリーダンス、悪魔と天使が
全て同居したアンドレアの個の力と、NYダンス・ポストパンクにシカゴハウス、R&Bから
インディロックをごった煮でブルックリン流に調理し、極限まで洗練させたモダンポップス。
“ Ballarino Ballantine, Held up in front of me ”

1. Cassandra Jenkins – Crosshairs

イメージとしては2月の時点でまあこれかなと決めてはいたが、どうにもアルバムと音楽性が
1曲だけ取り上げてどうという作品ではないのもあり、曲のチョイスについては難儀してた。
シンプルだけど曲に合っていて、とても美しいこのビデオが特に印象に残ってたのでコレで。
アルバム単位では他とトリプルスコアをつけて問答無用の圧倒的1位、もうテーマから何から
共感の嵐だし、ある意味やりたい音楽の一つ完璧にやられたという感じでグゥの音も出ない。
知的で上品で凛として、ミニマルだけどオーガニックな自然賛美の詩的なアートロックです。
ほとんど囁きみたいな微弱なウィスパー歌唱でひっそりと歌われる穏やかで静謐な音世界は
ちょっと外を歩きたくなる。自然とのダイレクトな触れ合いが、人間にとっては深い次元で
ファンダメンタルであるという当然の事を押し付けがましくないメッセージで伝えてくれる。

あとがき
今年も、1週も休まずにWeekly更新できたのは良かったが、コロナ関係なく、環境的な所で
色々と個人的にはこんな筈じゃなかった。ま、ここに並べられているものは100%偽りない。
広告なし、一切のマネタイズなし、利害関係もなし。だからこそ真実だけがある。少しでも
価値を生み出すならミクロの欺瞞は発生してしまう。勿論程度の問題で、完全排除は難しい。
それは分かっているんだが、潔癖症なもんで幾つになっても割り切れるものじゃないんです。
見てくれてる皆さん、特に毎週欠かさず来てくれてる一定数の方々には本当に感謝しかない。
来年はもっと動けたらと思います。とりあえず健康が欲しい!