GVVC Weekly – Week 98


Fenne Lily – Berlin (Lyric Video)

9月にデッド・オーシャンズからリリースされるフェン・リリーのLPから2つ目の先行曲。
もう、そこで歌ってるような生々しいボーカルとドラムに、可愛らしいアニメーションと
そして何よりいいメロディ。実にシンプルすぎるサウンド、編曲ですが、これでいいのだ。
ベルリンに1ヶ月滞在した際、録り貯めてたボイスメモを結局紛失しちゃったんだけども、
ホームに帰ってからなんとかそれらを思い出そうと、生活してた部屋にあったモノとかを
スケッチで描き起こしてみてると、不思議とメロディも蘇って来たりして、そのうちの1曲
とのことですね。そういうのって結構あるあるで、いい作品になったりするのなんかわかる。

Sylvan Esso – Ferris Wheel

シルヴィアン・エッソの新作LPから先行曲ビデオ。コラボや単発ものも含めると割と多作な
印象で、毎度毎度一応チェックはするんだけど紹介するほどのものでもないってことが多い。
そもそもの音楽性が若干チャラめというか、メインストリームとインディの境を行き来する
感じなのもある。今回もそこは変わらないが、いつもよりイイなと感じたのは節回しが少し
凝って聴こえたのと、トラックがもっと軽い感じだった気がするんだけどかなりソリッドに
進化してて、変な話Major LazorとかMOが絡んでる路線のダンスポップヒット系音楽的な
趣になってるのがうまくハマってる。ビデオも込みでパッケージとして完成されてんだよね。


Trayer Tryon – new forever (w/ julie byrne)

ハンドレッド・ウォーターズのメンバーによるソロ作は、Julie Byrneを迎えてのシングル。
組み合わせを聞いただけでおそらく良いだろうってイメージできるが、まさにで、そんなに
大傑作とかいうモンでもないけど、順当な音楽してる。くぐもったアンビエント系の音像で
控えめに付加されたノイズの洪水やアブストラクトなピアノに、線が細いのにふくよかさも
感じる矛盾したジュリー・バーンの歌声が混ざり合って展開する美しいサントラ的仕上がり。
厳密には2曲だけど、次のトラックとは完全に繋がっているし実質的には同じ曲だと思うね。

Kingdom – High Enough (feat. Tiara Thomas)

キングダムの新作アルバムが引き続きFade to Mindからリリースされるようでその先行曲。
自分の好みの中にこの手合いの枠があって、たまに聴くとやっぱ好きだなってなるんだよね。
近年のUSのR&Bとか、R&B的な歌唱のボーカルハウスっていうフィーリングでありながら
明確にUK側のエッセンス、2stepというか、UKガレージっぽさが強めな所がイイと思うよ。
ビデオさ、このシチュエーションで風送られる本人が自分で扇風機持ってんのヤバくない?

ROLE MODEL – blind (Official Video)

LAのクソチャラいロール・モデルの新曲、ほとんどアイドル枠みたいなもんで、これ正直
インディだとすら認めないし、映像も本人のナリも挙動もマジ見てられないくらいキツイ。
ボーカルの処理からしてもうただのメインストリーム予備軍でしかないし実際にそうだろう。
でも、この曲はなんかね、フックが完成されててイイなと。最悪に陽キャになったメジャー
志向の初期Drumsみたいだなと思ったよ。” I’ve never seen something quite like you ”

今週のLP/EPフルリリース

Jessy Lanza – All The Time (LP)

前作がすごい好きだったんだけど今回も基本その延長線上でより洗練させてきた印象かな。
この人の音像って独特で、一つ一つのエレメントは明確にクラブ系の鳴りしてんだけども、
このスカスカな構成のおかげで、リッチなバスのリリース音がこう、ふくよかに浮遊してる
様がダイレクトに聴こえるんだよね。しかも、線が細めのカワイイ系ボーカルが入ってきて
パッと流れた時の全体の印象に華やかさと、とっつきやすさを付加してて間口が広くなるんで
パッケージとしてすごく完成されてる。でも、もうこの先が見えないね。次変えてくるかな?


George Clanton & Nick Hexum – s/t (LP)

先行曲で彼が今これをやるのはヴェイパーウェイヴの先祖返りだというような事を言ったが
流石に全体では異なったエッセンスもあるだろうと踏んでいた。しかし、蓋を開けてみると
全編完全にチルウェーヴのコンポジションを少し現実的な音響で再現してるっていう音楽で
それ以上の何物でもなかったが、まあ夏に適当に流しておくにはベストな音楽だとは思うし
変な話マリンアクティビティとか屋外エリアの多い水族館とか、あるいはスポーツジムでも
いいけど、そういうところでかかっているといいのかな。さしてレイドバックもしてないし
さあ音楽聴くぞ、とか、逆に落ち着くぞ、って言って部屋で流すようなもんじゃないと思う。
この薄っぺらさが逆に今っぽいのかしら…どうしても深みと歌心を求める老害ですまんの。