GVVC Weekly – Week 148


Grouper – Unclean mind

グルーパーが約3年ぶりとならプロパー新作フルレングスを安定のKrankyからリリース告知、
先行トラックを公開しました。ここんとこ随分ピアノ・アンビエント的な方向に振っていて
幽玄フォークが鳴りを潜めていましたが出世作の頃のサウンドが復活しておりまして、輪郭
ハッキリとしたギターのストロークがしっかりと刻まれる(ディレイまみれとはいえ)中で
生温くて壊れそうなリズのボーカルも明確にSSW的なメロディを紡ぐソングオリエンテッド
楽曲となっています。やはりコレがこそが彼女のシグネチャーサウンドだと思うし、大歓迎。

Ada Lea – damn [Official Music Video]

モントリオールのSSW、アレクサンドラ・レヴィによるエイダ・リアがSaddle Creekから
9月にリリースする2ndアルバムより最初の先行トラックです。先月公開の“hurt”も収録の為
厳密には2つ目となりますがLPのオープニングトラックのこちらは、饒舌な歌詞で曖昧かつ
複雑な感情を淡々とまくし立てる生々しく脆いプライヴェートなインディロック・バラッド。
徐々に熱のこもっていく歌唱がすごく求心力あって、以前より強度の高い音楽になってます。

Womb – Dust to Dust (Official Music Video)

Flying Nunの新鋭、ニュージーランドのウームが昨年末にリリースしていた楽曲をビデオで
時間差カット。コレが「収録されていない」もっと新しいEPを先月出してるのですが、一体
どういうことなの…。シネマティックに美しい楽曲で正直キウイ・ポップのイメージにない
ドリーム・アートロックバラードはビーチ・ハウスから装飾を削ぎ落としたようなイメージ。
音源としては8ヶ月経ってしまっているのですが、この新規MV映像が非常に詩的で良いです。

https://diymag.com/2021/07/30/20-years-the-strokes-is-this-it-diy-covers-album
DIY magがストロークスの1stアルバム20周年を記念して懇意のバンド達による全曲カバーの
V.A.をディレクション!割と忠実気味に演るアクトが多い中で、手抜き(?)の弾き語りや
趣向を凝らした物も。んー、WOOZEの1曲目がいいかな〜?元記事で並べて聴いてみよう。

今週のLP/EPフルリリース

King Woman – Celestial Blues (LP)

ドゥーム。でも重すぎないし、あくまでもインディ・オルタナ範疇で聴けるような代物だし、
チェルシー・ウルフのバンド編成ものに少し近いけどあれよりもっと間口が広い気がするね。
重く長い自己満パートに全然行かないのが非常に好印象で、あくまでもコンパクトなままに
ダイナミックさを保ったシンプルな起承転結で構成されてるのが素晴らしい。細かい編曲も
端正なというか、緻密な感じで、激情任せのワイルドなものとは真逆。ただそれって勢いや
パワーに欠けるとも言うのかもしれないけど、ヘヴィでもドゥームでもグランジでも何でも
上品な調整を好む自分としてはコレがベスト。あとは女性ボーカルでこの手合いの音楽性で
ゴスっぽさがほぼ無いってのもレアだよね。歌唱も割とあっさりしててあまり特徴ない感じ。
まあ確かにもう少し全体的にコクが欲しいとことではあるが、その辺は端正さ、上品さとの
兼ね合いというかトレードオフな部分があるし、こういうスッキリしたのもあっていいよね。
ただ、ジャケットはこれキワモノ過ぎるし音と合ってないからプラスにならん気がする。後
書かれたくないかもしれないがWhirrに居たというのは汚点だと思うし、問題が起きた時は
もう在籍してないわけだけど、やらかしの内容が真っ黒だから印象は悪い。この辺の扱いは
本当悩むところで、当事者本人は以降、基本拾わないっていうのが正しい気もするけど正直
インシデントの内容によるよね。彼女自身は元メンバーってだけだからセーフな訳ですけど。


LUMP – Animal (LP)

死語と化した『フォークトロニカ』的なテクスチャーにエレクトロポップ風味のフレイバー、
微かにエクスペリメンタルと、00年代にこういうのあったなあっていう音像。思った以上に
Tunngの面影があるし、解像度あっても鮮やかさがないというかアースカラー仕上げなのも
相変わらずで、いぶし銀な仕事ぶり。ボーカルにローラ・マーリングという規格外の逸材を
連れて来てるから悪くなりようがなくて、この歌唱だけである程度以上のものにはなるよね。
彼女自身の音楽がちょっと神々しい次元というか無欲、無垢、本来的な意味での女神っぽさ
あって隠遁者じみてるから、この程度のポップネスでも一気に異様な雰囲気になるというか
なんというか、こんな音楽で歌うローラを見せてくれてありがとうとローラの無駄遣いとの
狭間で揺れる複雑な感想。つまり敢えて彼女引っ張り出して来てやる余興にしても個人的に
これは中途半端に感じる。もっと彼女の神性を全開に利用したある意味スノッブな方向性か
逆に鮮烈にポップに突き抜けるか、それともFever Rayくらいのエキセントリシティ出すか
って感じを期待しちゃうところなんだが、それは別の相手と組むしかないね。彼女が自分で
コレやりたくての成果物なんだろうからしょうがないけど、課外活動にしてはパンチ不足か。