GVVC Weekly – Week 126

Tashaki Miyaki – “Castaway” OFFICIAL VIDEO

4月にリリースされるタシャキ・ミヤキの2ndアルバムから、2つ目の先行曲はLPオープナー
トラックかつタイトルトラック。これが一番の曲なんでしょうね。一つ前の先行曲でも少し
思ったんだけど、なんか変わったね。こんな緩やかにレイドバックした温かめの音像だった
ような印象がない…もう10年くらいやってるはずだが1stは出すタイミング逃した感あって
割と最近だったよね。例の10年前のblogバブル期に少し人気出てフルアルバム出すベストな
タイミングを逸した人達って結構居たはずですが、彼女らみたいに続けてるってのはなんか
気持ちがいい。少しフリートウッド・マック感があり、Pure Bathing Cultureとかをもっと
淡くしたような路線に聴こえる。田崎なのか他社機なのか、何にせよ宮木さんなんですかね。


Hit Like A Girl – “Boardwalk” (Official)

ニュージャージーのバンド、ヒット・ライク・ア・ガールの3rdアルバムが告知され、最初の
先行トラックが公開となりました。軽めでキャッチーなオルタナ・ポップになっていますが、
ボーカルに翳りがあって少し儚いカンジなのがチープになりそうなサウンドに深みを持たせ
成立させています。バンドの体裁ですが、実質的にはボーカルの子のプロジェクトのようで
なるほどといったバランス。歌詞も割と感傷的で、アウトロとかエモいですね。トランスの
為のNPOも主宰しているようです。LPにはバーティーズ・ストレンジも参加しているとの事。


Helado Negro – Sound and Vision

ヘラド・ネグロがボウイの一番いい曲をカバーです。楽曲のセレクトもですが内容もすごい
素晴らしい出来栄えで完全に彼のカラーを出しつつ元々のテイストとも違和感なく馴染んだ
トラックになっています。シー・アンド・ケイクもプロパーのオリジナルアルバムに収録で
同じくカバーしてたはずだけど、なんかそれ思い出したね。原曲よりもクリーンに爽やかな
音像になっておりまして、リゾート感のあるイメージに。ホテルのプールサイドで聴きたい。


Hands Down – Too Late (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

スウェーデンのSSW、ハンズ・ダウンの新曲ですがほとんど情報がなく実質的にはこれが
デビュー曲のようです。少しジャジーなスロウディスコ風ポップスという感じの楽曲でして
安定のストリングス系サウンドも入ってきたりと、いかにもスウェディッシュ・ポップって
感じの仕上がりですね。高校生の時思いついた曲が自分では引けないから友達の女の子に
演奏してもらった当時の録音をステムにして、それを素材にプリプロしたらしく最終版では
結局その音源は使ってないらしいけど、なんかいいね。ちなみにビデオはこれ全く本人じゃ
ないんだけど、ギターがOvationのviperなんだよね。音のイメージと違いすぎだろってのと
俺の中でこのモデルはtoeの美濃さん、そしてstereo typeのせり君なんだよな。格好いい。
アップロードが昨年8月になってますがおそらく長期非公開でこのFeb 25にプレミアの模様。


Mr Twin Sister – Diary / Expressions

ツイン・シスターが突如2曲入りのシングルをリリースです。ジャケットのペインティングは
アンドレア自身によるもの。近作の感じから引き続きハウス路線は継続のようで、あくまでも
フェイクなノリではあるのですが割とカタ目なテクスチャーになってきておりまして、初期の
ドリーム成分はいよいよゼロに近いまで薄くなってきましたね。Expressionsの方なんかは、
最初のEPで見せたような歌唱が展開されておりまして、あくまでもこの特徴的なボーカルが
バンドのシグネチャーとなっていることはやはり疑いのない所。もう少し甘くしていいのよ。

今週のLP/EPフルリリース

Frànçois & The Atlas Mountains – Banane Bleue (LP)

メインパーソンの不定形プロジェクトってことで、行く先々の場所でメンバーを変えながら
なんだかんだ15年以上やっとるようです。最初はブリストルからって意外だ。パリジャンが
若干グダグダ系のだらしなさを醸し出しながらDIYインディやったらこういう感じになるのか
というか、西海岸ならweedまみれであろう系統のとにかく気が抜けつつもUS勢では出ない
凄く洒脱な雰囲気がポイントだと思うね。先行のM-2が良かったから楽しみにはしてたけど
正直予想以上で、どの曲も素晴らしくメチャクチャいい出来。ミックスの方向性が異なると
また違う評価になりそうだが、このジェントルで淡めに纏めたのがハマってる。青いバナナ、
カリフォルニアン・LoFiインディがネオアコのメロディを伴いつつフレンチポップ化した様。


Brijean – Feelings (LP)

イイね。家庭の影響でジャズやラテン、アフロを聴いて育って、自分はパーカションやって
トロ芋にPoolside、USガールズとかその筋に参加してきたっていう経歴が実にしっくりくる
サウンド。まさにそんな感じだよな、前も言ったがこれはラテン系のクラブ・ジャズとしか
思えない、それのインディ・フレンドリーにチューニングされたやつで、IRMAレコーズに
COMPOSTとかKOOPとかそういう懐かしい名前が思い浮かぶが、この流れで面白いのは
リトル・ドラゴンのユキミ・ナガノってKOOPで歌ってたよね。なんかそこ繋がってるのが
自分的に腑に落ちる。かなり好きな音楽だけど、ちょいガチ寄りな装い過ぎる気がするから
もうちょっとへっぽこというかインディ臭く仕上げて欲しさある。まあ好みの問題レベル。


A Winged Victory for the Sullen – Invisible Cities (LP)

Stars of the LidもDustin O’Halloranも好きだから当然このプロジェクトは最初の作品から
聴いてるわけだけど、これは純粋なプロパー作ではなくてモダンなライティングというか
レーザービーム的なのやテクノロジーの融合した演劇作品のOSTとして制作されたアルバム。
日本だとチー◯ラ◯だとかの噛んでるようなクソダサのメディアミックス劇にこういう音を
当てようとはならない所、AWVFTS持ってきてるあたりがもう土台の差を感じて悲しいね。
でも流石に普段よりもネオクラシカルは控えめで、短めの尺がシーンごとにテンポよく展開
する感じになってて新鮮。純粋な現音にならず、ポストロックとアンビエント範疇でいける
バランスにおいての電子音楽ではない教養のあるこのアプローチってのが本当にいいんです。


Carwyn Ellis & Rio 18 – Mas (LP)

先行M-1がイイなと思って待ってた。ウェールズ語がもうマジ意味わからんすぎて曲名さえ
発音すらわからないので楽曲のイメージから以外の何の情報もほぼないのだが、とりあえず
ライナーノーツは英語なのでタイトルのMasってのはウェールズ語でout、スペ語でmore、
ポル語ではbutというミーニングらしいって事はわかったよ。ふ〜ん、面白いね。まあ南米
テーマのインディ・フォークって感じでソフトでいわゆるカフェミュージック的な趣の曲も
それなりに多いが結構振り幅が広く、M-4とか謎にアークティックモンキーズフィーリング
あるし、南米つっても似非ボサ爽やかMPBからもっと露悪的なケバいヤツまで何でもありと
メチャクチャで、全てがハマるわけじゃないが、輝く瞬間の即効性というかパンチ力がある。