GVVC Weekly – Week 158


SUEP – Domesticated Dream (Official Video)

ポリッジ・レディオのジョージー・スコットが偽名(?)でリードする新バンドをお披露目。
現役スーパーモデルやジョアンナ・グルーサムのメンバーらをリクルートして展開するのは
マイルドでピースなレイト70’s風味ソフトAOR・ディスコテイストのリラクシン・ポップス。
なんか曲がいいのか、流して聴いててもついつい気になってしまうような妙な魅力があって
僅かにニューエイジな趣もあり、この曲が会心の出来なのか?他の曲も早く聴いてみたいな。

Hannah Jadagu – All My Time Is Wasted (Official Audio)

デビューEPを春にリリースしたハンナ・ジャダグが早くもフォローアップとなる新曲を公開。
サブポップ繋がりでフランキー・コスモスがバックコーラス参加です。基本的にEPと路線は
変わらず、同じセッションからと言われても納得するサウンド。出てきた時も書いたけども、
この子は本当にここ5年くらいの潮流にある嫌な感じ(ハイパー・露悪趣味・ディストピア)
が無い、00年代後半からこの7,8年前までの時期の雰囲気で要素が止まっていて素晴らしい。
それももはや同好会音楽と化している安易なドリームポップとかいうんじゃなく、ちゃんと
一応ごった煮カレッジ・ロックなんだよね。ボーカルも凄く愛嬌ったぷりで、多幸感のある
ムード。世の中にユートピアが存在しなくとも創作はユートピアを目指すべきだし、正しい。

Kristine Leschper / Lynne Sachs – “Figure and I”

マザーズのクリスティンがソロ名義でのシングルをリリース。先月も一曲公開してましたが
それはレーベルコンピの楽曲みたいで、今回はANTI-からのリリースと、バンド時代よりも
ステップアップということになります。ちょっとステレオラブ風味のある浮遊クラウト系の
微トライバル・トラックになってましてMothersの音楽の延長としては自然な流れですよね。
ドラムとパーカツはそのままMothersのギャレットが参加しているようです。ちょっと今回
小品って感じの楽曲なのでまだ何とも言えないですが元々のややダークでアンニュイ気味な
SSW路線も織り交ぜていくと想像すると、なかなか良さそうな期待できる雰囲気あります。

Hand Habits – Clean Air [Official Music Video]

再来週リリースのハンド・ハビッツ新作アルバムからこれで四つ目、おそらく最後の先行曲。
ストリングスにパーカッションも加えられた豪華目の編成ですが、サウンドの圧は抑えられ
軽やかに流れていくドライヴ感のあるオルタナカントリーロックの楽曲でかなり素晴らしい。
彼女はほんと貫禄あるというかカリスマティックな存在感が圧倒的で、ちょっと音楽性だけ
取り上げてどうこうという評価にはならないというか、スター性ある。生で観たら凄いはず。

Big Thief – Change (Official Audio)

来年20曲入りのダブルアルバムをリリースすると公言したビッグ・シーフが新曲を公開です。
ここんとこ公開されてきた曲群は今回のChangeを追加して4曲で一応EPという体裁にての
公開になってますんで恐らくその作品には収録されないのでしょう。コロナ期間書き貯めた
楽曲はLP収録を検討するレベルのものだけで50前後あるそうで、またしても二毛作の予感。
まぁ無理もないというか、そもそものスタイルがギター弾き語りでバンバン書かれたような
SSW的楽曲のバックにやたらと馴染んで上手いバンドの演奏がついているだけと言えばだけ
っていう音楽性なので…、ただそのアンサンブルのコクと歌唱の滋味が異次元なので決定的
違いを生み出してる訳で、今回も単純なのが一番難しいというやつを地で行くサウンドです。

今週のLP/EPフルリリース

Magdalena Bay – Mercurial World (LP)

いや最初はオモシロ枠として若干舐めてたけど思ったより真面目路線に進んだから嬉しくて。
ジャケットのイメージ程ヴェイパー感は無く、90年代ポップスをインターネット電脳化した
金平糖マジック炸裂US西海岸ベッドルーム・インディR&Bはさじ加減が絶妙で、これ以上
キッチュだったり俗悪感出してくるともうイロモノでしかない所を上手く踏み止まっている。
ローファイ版のPC Music勢だとか、最近のCaroline Polachekの音楽からアカデミックさを
抜いたみたいな表現もできる。Grimesがインテリじゃなかったら最後こういう音楽性で完成
してたかもしれないよね。あんま明確な抜きがなくて、音像・音圧が一定なのにも関わらず
このアルバムレングスはちょっと長いかな。一曲目がThe Endとか、そういうのはいいけど
真面目に通して聴いてると胸焼けしてくる、合成着色料が入りまくった駄菓子って感じです。


Karen Peris – a song is way above the lawn (LP)

矛盾してる表現だが人力のトイトロニカというか、童謡チェンバーポップみたいな世界観で、
子守歌よろしく雰囲気はイノセンス・ミッション本体とそれほど変わらないけど、より一層
バンド編成の動的空気感というか室内楽っぽさがある。後ちょろんと弾き語りみたいなのが
多い従来のイメージに比べてリバーブが深めなのもありドリーム寄りに。これは良し悪しで
保育園お昼寝タイムの適応力は今回少し低い気もするが、伸びやかでいいんじゃないですか。
…と、無理やり相違点を挙げてみたがほとんど意味ない。なぜなら元から夫婦デュオなのに
今回も夫婦で演奏し、実子の二人がヴィオラとヴァイオリンで参加してるというだけなのだ。
しかしブランク前の最初から数えるともう随分やってるよね?軽く30年クラスだと思うよ。
ある意味リビングレジェンドだし、本当に一貫しててずっと変わらない。完全互換と言える
音楽も他に思いつかないし、全てはこの歌声ありきです。クラシックでピュアなこれぞ音楽。
上のマグダレナ・ベイとの落差が激しすぎてビビるね、どっちがいいとかいう話じゃなくて。