GVVC Weekly – Week 253

Ivy Falls – Not Cool

ベルギー、ヘントのSSWによるソロプロジェクト、アイヴィー・フォールズのニューシングルがビデオ公開。ディテールは公開されてませんが来春に出るデビューアルバムからのリードトラックという扱いのようです。
前はもっとシンセ寄りのベッドルームポップ風だったのですが本人がギターを演奏しはじめたようで、今作から一気にインディフォークのいわゆるSSWバンド的なサウンドに近づきました。
かなりいいボーカルだと思うし、演奏にも全面参加している共同プロデューサー的な人(The Bony KingのBram Vanparys…いや知らんけどそう書いてある)ありきのクオリティなのは明らかではあるが、終盤にちょっとポストロック的な展開になって締めるのがうまくハマっていて非常によろしい。曲名を繰り返す大サビのブレイク部分も非常に耳に残るし、全体の質感がこう、さりげない範囲でシンプルじゃなくてちょっと気になる。今週のベスト。


Credit Electric – house of cancer

カリフォルニアのクレジット・エレクトリックが来月リリースする新作アルバムよりオープニングトラックを先行公開。
イントロからこのペダルスティールと、サックスとベースのハイトーンそしてちゃんとベースしてる方のベース(ベース2本?に聴こえる)そしてギターと、その全てがアタックの遅いサウンドで渾然一体に絡み合ってくる音像にやられる。んで更にこの気の抜けたボーカルがインしてくると、もっこもこになった全体のテクスチャーとの妙で芸術点アップ。そんな中で唯一といっていいカクカク成分のドラムがこのチープなリズムマシン的なのも噛み合わせ的な部分でむしろプラスに活きてくる。どこまで狙ってやってんのかわからんけど事故的にミラクル起こった感じしますな。
楽曲はちょっと枯れエモ入ったオルカンで、ヨレヨレに味わい深い。いやー面白いっす。


June McDoom – Emerald River Dance (Judee Sill cover)

NYのSSW、ジューン・マクドゥームが11月にリリースする新作EPから公開されたオープニングトラックはジュディー・シルのカバー。
かなりローファイな弾き語り録音である原曲を、ハープとストリングスで装飾された華麗で美しいサウンドにアップデート、ボーカルもウェット仕上げでオリジナルとはまるでイメージの異なる音像になってます。古い映画のサントラにあるオーケストラル・バラッドとモダンアンビエントフォークの合いの子のような理想的バランス。
EPはタイトル通りどれもストリングスアレンジの入った作品集のようで、その他ニーナ・シモンのカバーとオリジナル既発曲のバージョンが収録。


ME REX – Infinity Worm

ロンドンの3ピースバンド、ミー・レックスが来月リリースする新作アルバムより新たな先行曲を公開。
前から良い意味であまりUKっぽくないなと思っていたが、今回もむしろUS風の純然たるインディロックでコーラスのフックがキャッチーなタイプ。割とシンガロングに寄せてくる感じはまあ英国ポップ風と言えばそうかもしれないが、売れ線になったモデスト・マウスみたいな雰囲気でいてイギリス英語なのが新鮮。
他の曲も含めたバンドの全体的な作風としては少しテクニカル系のエモ要素が入っている音楽性で、Modern Baseballあたりにも近く、Run For Coverから出ていてもおかしくないですよね。なんつうかロンドンでこれってのが気になるポイントでそこのオマケ部分はあるのですが、8~9年くらいのキャリアで脂のりきったトコなのでちょっと楽しみです。


Laraw – Teach Me How To Love

レバノンとモロッコのミックス系ルーツを持つモントリオールのSSW、レアルー(的に発音するみたいです Lair-ruh)のニューシングルがビデオ公開。
あまり本気のインディ云々ではない、どちらかというとメインストリーム予備軍のありがちオルタナポップなプラットフォームですが、今回なんだか曲がいいですね。メロディの展開が割と秀逸なところに、コーラスでオブリ的に入ってくる歪んだギターの刻みが一気に締まりをもたらす会心のアレンジなんだと思う。なんかMaisy Peters辺りがもうちょっとだけオルタナになった的なレベルのやつでしかなくて載せるか迷ったんですが、少し耳に残りました。
歌詞は本当酷くて、中学生が書いたような内容ですね。まあこういうのに歌詞の内容求めてないのでいいんですが。

今週のLP/EPフルリリース

Filth Is Eternal – Find Out (LP)

恒例の、「たまにこういうの拾ってきてすいません」枠ですね。えー、基本ハードコアパンクだけど過度なファストやブラストは入ってないやつで、ポストHCの要素もなくむしろハードロックとかグランジの雰囲気が強くあり、なんつーか普通にブラックサバスみたいな曲もあります。
アンサンブルが実に引き締まってて、サウンドの思い切りの良さと破壊力も際立ち、中々ひどいバンド名(褒めてる)でもスカムとかキワモノには全然行ってない、意外と細かいアレンジだったりとか全体的にどこかスタイリッシュな仕上がりなのが面白くてちょっと他にない雰囲気。あとシアトルってのすごくわかる。ジャケットも素晴らしいですねこれレコード欲しいな。
スローでヘヴィな最後の曲が圧倒的に微妙だからここからドゥーム系には行かないで欲しい。今がベストな時期かもね。