GVVC Weekly – Week 79

Buscabulla – NTE (Official Video)

プエルトリコ系のデュオ、ブースカブーリャの初フルレングスから、二つ目の先行曲ビデオ。
以前はキツネか何かからリリースしていたような気がします。かなりラテンの風を感じる
サウンドですけど、いい具合に気が抜けていて、南米特有の苛烈さが無いので、インディの
範疇に収まっている。やけにコケティッシュなボーカルとちょいダビィな音像が相性抜群で
これはスゴク良いですね。リボン・ミュージックからということで、本気で売れに来てます。
スペ語で何言ってるかは全くわかりません。El Perro Del Marにこんな曲あったような気が…

ってコレやね。リズム組とコードと音響とボーカルの系統(つまりほぼ全部)が同じすぎやろ。
ただあっちは北欧版なのに対してこっちは南国系ってとこで。読みブスカブラでもいいです。


Kluster B – Love Must Conquer (Official Audio)

クラスターBの新作LPはSteve Buscemi’s Dreamy Eyesと同じRAMA LAMAからのリリース。
北欧系という事で穏やかな感じに始まるも意外とプログレッシヴな展開を見せる面白い曲。
陽だまりポップスと見せかけて、ちょいちょいサイケ・ポストパンクな気配を忍ばせてるし、
最後1分そこらの展開が特にカッコいいですね。これ、フェイザーかな?あまりこういう
ド・インディ系のカッティングギターではしないような音作りで、聴き慣れないサウンドに
なってますが、上手いことハマってまして試みは成功です。今スウェーデンのこの辺いいね。


WOODS – Where Do You Go When You Dream? (Official Video)

ウッズの新作が出ます。キーボードの専任メンバーが加入したということで、エレピ系の
サウンドで賑やかさが出ていますね。いつ聴いてもイイけど、ちょっと普通になっちゃった。
初期の土着サイケ・ヒッピー感は今までで一番薄いですし、そこが特色だと思うので、これは
耳馴染み良くなり過ぎ、音がキレイ過ぎかなぁ?まあ、楽曲は相変わらず素敵なんですけど。


Empress Of – Give Me Another Chance (Official Video)

エンプレス・オブはずっとアクティブに活動してて、前作がそんなに前の印象もないけど
早くも新作アルバムが登場し、最初の先行トラックビデオです。音楽性的には正直どんどん
好みじゃない方向に行ってるが、この人は憎めない。なんか愛嬌あるし、バイタリティと
ポジティブなエネルギーが溢れ出ててすごいですね。今回シンセとかは随分ブリった音に
なってるけど、抑えの効いた楽曲構成というか、なぜか終始ベースが入ってないんだよね。
その分、パーカッション含めドラム類の音が完全な輪郭を保ってソリッドに響いてるから
表層的にはなんかカッコいい音してるし、まぁまぁ踊れるが、狙いがよくわからない楽曲。


Press Club – Insecurities – (Official Video)

オーストラリアのプレス・クラブが新曲ビデオを公開です。スケーターパンクっぽい感じ
ではありますが、ギターワークはメロコアやエモ成分が多めに入っています。ボーカルが
メロディック成分の薄い、Bullyとかと同じ系統なのでクサくなってないところでかなり
バランスがいい。マクサヴァースカン風味も感じますかね。やはり、いかにクサ味を抜き
ちょい外しを入れるかが重要なんだよなー、全身キメキメだと逆にダサいのと同じです。
で、その外しは靴でも靴下でもバッグでもどこに入れたっていいわけで、音楽も同じ。
例えばこの曲で、ボーカルがめちゃメロディアスだったら超ダサいでしょ?このギターで。


The Whitest Boy Alive – Serious

ホワイテスト・ボーイ・アライヴなんと11年ぶりの新作。再結成とのことですがそもそも
解散してたのを知らない。キングズ・オブ・コンヴィニエンスのアーランド・オイエ率いる
って言っとかないと若い人知らないよね。音は基本的に変わってないけど、これ聴く限り
ライヴ感が減退というか前は少し踊れるようなノリもあった気がするんだけど落ち着いた。
サウンドはバンド編成のまま、楽曲がアーランドソロ作の方向性に寄ったような感じかな?
楽曲がなんであろうともう、歌がこの人でしかないし、淡く薄〜いザ・北欧って音像だよね。


TOPS – Colder & Closer (Official Video)

フルまでまだ1ヶ月近くあるけどもう3曲目。いんだけど、印象が全部同じに聴こえるなー。
最初のが一番良かったかな?あと、このビデオはちょいと微妙ではないかな。
勿論好きだし、応援してるけど、なぜここまで持ち上げられるほどの存在になったのだろう。
シティポップとかいってる連中も好きそうな音だし、その流れの機運とたまたま上手いこと
ハマった感はあるよね。個人的にはもうちょいイナタイ路線でお願いしたいのだけど…。


Stealing Sheep – JUST DO

スティーリング・シープの新曲は様変わりし過ぎてて面白い。突然こういう事するのって
いいよね。初期から聴いてて、いつも結構好きだなと思ってたけど、これさらに株上がった。
冗談ノリで聴き進めたら意外とちゃんとしてるし、プロパー新作もこの路線で出したら?
どうも始まりが、ビリー某の一番有名な曲を彷彿とさせますね、今だから思うだけだけど。

今週のLPフルリリース

snarls – Burst (LP)

何度も言ってるけどボーカルが本当に逸材。ただまだ若すぎるし、いい楽曲はM-1だけだね。
駄曲は正直聴いてられないようなレベル。でも、曲の平均点上がったら相当良くなりそう。
このバンドに限らないが、リズムに何のギミックもない8ビート・オルタナロックの音楽で、
歌メロ普通、サウンドも特徴なし、ちょっとボーカルがいいだけっての何とかしてくれよ。
バンドだし、引き出しも狭そうだからこの感じならプロデューサーつけてみてもいいかも。

どう考えてもこの曲は素晴らしい、大学生なんだから今はまあこれだけでもいいですよ。


U.S. Girls – Heavy Light (LP)

ついにフルでリリース!先行2曲からわかっていたことですが、ものすごい完成度です。
曲名とか結構、穏やかじゃないのものが多くて、字面だけでも皮肉にまみれてますよね。
全体的にかなりゴスペル入った音楽性で、モノローグも挿入されたりと、歌劇風の構成。
楽曲がいいし、なんといってもこのサウンドにメグ・レミーのボーカルが大変マッチ
してるんですよ。部分的に切り取ればインディ系のホワイトソウルに聴こえなくもない
ですけど、もっと深遠というか、コンパクトな作品ではない、ほんとアルバムって感じ。
ちょっとインディの範疇を超えて、来日ライブやるならもうビルボードしかないであろう、
軽くミュージカル。これでもしボーカルがガチガチなソウル歌唱とかだったらキツいし、
ホントよくこのバランスのものを生み出してくれたって感じです。手放しで100点満点。