GVVC Weekly – Week BLM


The Menzingers – America Pt. 2

今週は…普段通り全て巡回したんですけど、正直ほとんど載せるものがないです。
色々要因はあるんですが一番にはまず、特にUSがそれどころじゃない状況なので、
出すはずだったプロパー作の先行曲公開とか多分、急遽自粛しているのね。
で、一切の新曲公開がなされていないわけではないんですが、数がかなり少ないのと、
ほとんどはプロパー作ではなく、カヴァーとか企画モノの発表で、BLM関連へのサポート
っていう意味合いのものばかりなのでそれをレビューするのも野暮ですし、
それらって楽曲自体はほとんどただの名目でして、その行為や寄付が本体なので。

正直この問題は内ゲバ的な足の引っ張り合いが多すぎて、かなり神経削られます。
一切知ろうとしない、意見を持たないことは差別側への加担である、それは間違いない。
ただ、無知だったり、積極的に行動しないことに対して攻撃的になりすぎてる風潮は
味方を敵にしちゃうからね。
こういった問題に関心を持つこと自体がカジュアルになるのはいい兆候だし、
今まで一切そんなの考えてこなかった人たちがコレきっかけで俄かに開眼するのを
もっと好意的に受け止めないと。音楽も同じで、一見さんお断りじゃないんよ。
BLMの運動を全面的に支持し、心から応援する。

今週のLPフルリリース

Rolling Blackouts Coastal Fever – Sideways to New Italy (LP)

特に大きな変化はなく、ここ数年の割と綺麗めな感じの路線でアルバム作ったって所かな。
この人たちは間口が広いというか、外面のいいサウンドしてるから、ある意味場所を選ばず
誰にでも聴かせられるような音楽ってところがかなり強みだよね。軽快だし、ちょっと軽薄
ギリギリのところで、いい感じに止めてる。まあ駅ビルとかCMでかかるロックはこういうの
ってくらいの世の中ならバランスいいかな。『結婚式でサングラス』っていい曲名だよね。

日本のリリース


そこにいる1・2 (V.A.)

松本シーンの牙城であり、全国的にも数少ない貴重な真の意味でのオルタナティヴスペース
give me little more.主宰のコンピレーション2作がリリースです。オーナー新美さん自らの
TANGINGUGUNや、MARKING RECORDS店主によるHer Braidsほか地元勢を中心にした
ゆかりある面々は、ニコラス・ケルゴヴィッチやアイアムロボットアンドプラウドまで
巻き込んだ大作になってます。通底するムードとしてはモダン・ボヘミアンの理想郷という
イメージで、今の主流に感じるディストピアかノスタルジアに二極化したようなところから
隔絶されていて、このシーンが存在しているということそれ自体にどこか安心する部分も。
昨今のコロナ禍により例に漏れずダメージが大きいようで、収益はヴェニューの維持費に
充てられるということです。凄く大事なことを沢山話してる昨年のインタビューも併せて。


Violent Violette – Heartache / Breathe

Wallflowerなどでも活動するエリさんソロ名義のダブルAサイドシングルが発表されました。
シンセウェイヴ水浸しのインディR&B風味ベッドルームポップといった感じの音楽でして、
ネガティヴ・ジェミニの聴き易い曲をさらにマイルドに調整したようなサウンド。まだまだ
挨拶代わりくらいの一発だと思うけど、ボーカルが凄くいいから、今後の展開に期待です。